2013.06.11 Tuesday
〜5.18年の歴史を脅かすもの(前編)〜
朝6時、蚊の鳴くような弱々しい目覚まし音が五月蝿くベッドの隣で鳴り響いていた。
そう、第三者からすると、目覚まし時計としての機能性に疑問を持ちたくなるような小さな音も、子供の頃から聞かされている和希にとっては充分五月蠅く感じられるものだった。
いつものように目覚まし時計を止めてすぐに起き上がる。
爽やかな目覚め。
天気もいい。
夢なんか全く見ない。
眠りの深い和希は、寝たと思ったらあっという間に朝になる。それが彼の人並外れた集中力の源でもあった。
大きく背伸びをして、ふと机の上の紙切れの存在に気付く。
「おはよう。朝ご飯、うちに食べに来て」
最愛の恋人、瞳からの置き手紙をニヤつきながら見ていると、徐々に昨晩の事が蘇ってくる。と、同時に蒼くなって、慌てふためく。
まずい・・・そうだ、俺、昨日あのまま寝ちまったんだ・・・・・・
・・・・・・瞳、怒ってるかな
着替えてから歩いて30秒の瞳の自宅へ。
玄関のベルなんて鳴らさない。そのままキッチンへ行くと、台所に立つ瞳と瞳の母がいた。
「おはよう」と声を掛けるよりも早く、瞳に席に着くように急かされると、彼女は手際よく二人分の朝食を次々とテーブルに出し、「いただきます」と小さく一言、無表情で生卵を混ぜはじめた。
やばい、やっぱり瞳、怒ってる・・・・
母が洗濯物を干しに外に出た時、和希はやっと瞳に話しかける事ができた。
「昨夜はごめん・・・」
小さな声で謝ると、少し窪めたご飯の中心に卵をかけながらチラリとこちらに視線を向ける瞳。
既に薄くメイクされた彼女の目元には涼しげなアイシャドーが引かれており、ほんの少しだけ睨みつけるような視線には、背中がゾクゾクするような色気があった。
「一応、覚えてるんだ・・・・」
「うん」
いつもなら慌ててご飯をかき込む和希に柔かに話し掛ける瞳なのに、この日は無言、どころか無表情。
視線を上げること無く只管箸を進める瞳を申し訳なさそうにチラチラと見る和希。
その時瞳が着ていたのは、半袖の紺の薄いジャケット、身体の線を強調するタイトなもの。「小さく見せるブラジャー」なるものを付けているのに、全く意味をなさない位に胸の部分だけアンバランスに膨らんでいた。
若干胸元は開いていたけれど、中の肌までは見えない。だけど余計に色々と想像してしまい、朝っぱらから微妙に勃起するのを和希は抑えられずにいた。
恋人同士になって二年も経つのに、こういう場面で軽口の一つも言えない自分が恥ずかしかった。それこそ綺麗なお姉さんを目の前にした童貞小僧みたいで。
もぞもぞしながら食べていると、瞳が小さく溜息をついてこう言った。
「やっぱ昨日寝なきゃ良かったのにね」
和希はドキッとした。心の中まで見透かされているような気がした。
でもこの期に及んでまだ挙動不審の和希。
そんな彼を見て、彼に見られないようにクスッと笑う。
「先生、今夜稽古だよね?」
「え、ええ?あ、そうだよ」
和希はもう15年以上空手を習い続けており、今は週二回、仕事を終えてから道場に通っていた。
「また8時?」
「うん、それくらいまでには帰ってこれると思う」
「ふ〜ん」
「・・・・・・・・」
ほら、早く言えよ、俺!
今言わないでどうする!
瞳が助け舟出してくれてるんだから!男らしく今こそ言え!
自分自身を奮い立たせた和希がようやく口を開いた。
「あ、あのさ、」
「ん?」
キョトンと見つめてくる瞳。大きな目が和希の心臓を鷲掴みにする。
「あの、今夜、俺の部屋に来て晩ご飯、作って、くれない?」
それを聞いて瞳はほんの少しだけ微笑むと、すぐにわざと意地悪そうな表情をして言った。
「なんか下心見え見えなんですけど」
「え?い、いや、そんなんじゃなくて、ほら、昨日色々とお喋りとかゆっくりしたかったのに、俺、寝ちまった、しさ・・・」
瞳は目を細めると斜に構え、見下すように不敵な笑みを浮かべた。
「いいわよ」
「あ、マジで?・・・・良かった・・・・瞳の作ったご飯、最高だし・・・・」
「そうじゃなくて」
「は?」
実際、彼女が作るご飯は本当に美味しかった。彼女が作ったもので同じ物を食べた記憶がないくらいレパートリーも多かったし。
だとしても、このタイミングでそれを言ったのは、彼女には少し取って付けた事のように思われたのかもしれない。
「それはいいんだけど、そうじゃなくて・・・・」
瞳は少し複雑な表情をすると、まだ一つに結っていない長い髪をうなじのところで軽くかきあげると、キョロキョロと視線を泳がせたまま、ボソッと言った。
「別にいいけど・・・・下心があっても」
落ち着かない様子で明後日の方向を見つめたまま大胆な事を言う瞳を見上げ、和希は叫び出したい気持ちになった。
「ひ、瞳!」
今度はしっかりと和希の事を正面から見つめてくれたが、恥ずかしそうに頬がピンク色に染まり、目も少し潤んでいた。
どちらともなく顔を近付け、唇まであと5センチという所までくると、瞳の甘い香りで何とも言えない幸せな気持ちになる。
ところが唇が触れる寸前、階段をドタドタと下ってくる大きな足音。
「ひゃー、遅刻する!和希君!お願い!駅まで送ってー!」
セーラーの脇のファスナーを全開にした葉月が血相を変えて降りてきた。
「今日朝練だったぁ〜」
和希が唖然としていると「はい、お願い」と瞳から母の愛車のFitの鍵を渡された。
せっかく瞳と仲直り出来たのに、と思う間もなく、二人は車の中にいた。
セーラー服は色々と複雑なようで、助手席であちこちのファスナーを慌ただしく留める葉月。よっぽど慌てていたのか、靴下も履いていなかった。
少し捲れ上がったスカートが気になり、和希は運転に集中できないでいた。
「葉月ちゃん、スカート・・・」
「あ、これ?大丈夫」
そう言って葉月は両手でスカートをお腹までたくし上げた。
健康的に日焼けした、ムッチリとした太腿が視界に入り、思わずハンドルが取られそうになる。
「和希君単純〜」
お腹を抱えてケラケラ笑う葉月。
「中に水着着てるから。心配しなくても大丈夫だってば」
「あ、もう下に着ちゃってるんだ」
「朝練ある時はいつも着てるんだ。学校着いたら即ドボン」
「即ドボンて・・・・いや、でもやっぱスカート短いと気をつけた方がいいと思うけど」
「てか和希君、顔赤いよ」
隣からニヤニヤしながら覗き込まれ、思わず身をすくめる和希。
瞳のキレのある美人顔に比べると、まだどこかあどけなさの残る愛嬌のある笑顔。いずれにしても、道行く男達が二度見するくらいの美人姉妹であることには変わりはない。
「お姉ちゃんと仲良ししてるんだから、これくらいでそんなに慌てなくてもいいでしょ」
「仲良し?って何?」
「仲良しは仲良しだよ。付き合ってる同士ならあれの事しかないでしょ」
「あ、あれ?」
高校生の女の子に翻弄される大の大人。
「昨日遅く、和希君ちからお姉ちゃんが戻ってくるの、見たよ私」
「えっ!」
「あ、危ないってば!」
瞳の通い妻は今に始まった事では無い。特に高校を卒業してからはその頻度も密度も上がった。
でも泊まりだけは絶対無かったし、瞳の両親の手前、そういう関係にある事だけは匂わさないように相当気を付けていたのに。
「ずっと前から私知ってたよ、そんな事。別にそこまでキョドる事ないじゃん。皆してる事だし」
事も無げにそう言い切ると、礼を言って車から飛び降り、葉月は駆け出した。
駅の階段を左手でスカートを抑えながら駆け上がり、そしてその後ろ姿を目で追う階段両脇の男達。
背丈は瞳と同じ位高いので、ただでさえ短いスカートがより一層短く見えてしまう。
しかも靴下を履かない生脚は程よい肉付きで惚れ惚れするほど長く、美しかった。
葉月ちゃんも経験あるって事だよな・・・・・・
自宅に向かってハンドルを切る和希の心は、少しだけ罪悪感で重かった。
午前の講義の合間、談話室の岬はボーッと宙を見つめながら、掌で携帯をくるくると回していた。
瞳ちゃんて、彼氏いるのかな・・・・
あのルックスとあの身体だったらいるよな、やっぱ・・・・・・
でも、なんか男慣れしてないって言うか、今っぽくないって言うか
・・・・・・・あ、もうリメール来た。五ヶ月ぶりなのにレスポンス早いな、相変わらず
岬はその相手に「夕方、バイト前に店に行く」とだけ打つと、次に麻衣にメールを打った。
「俺の友達、瞳ちゃんともう一度飲みたいって。悪いけど四人でまたセットしてくれない?」
一分も経たない内に麻衣からメールが来た。
「別にいいですけど、ひょっとしてその人、瞳の事本気になりそう?」
「かもね」
「そうなんだ・・・・・・ん〜、どうしよっかな」
歯切れが悪い、それでいて誘い受けを狙うような文面に若干苛立ちを覚え、岬は教室に歩を進めながらフリックを操る。
「なんで?何かあった?」
「別に隠してる事でもないから言っちゃうけど、瞳は一途な彼氏いますよ。幼馴染の人。岬先輩のお友達が瞳に本気になりそうなら、瞳の友人としてはちょっとセットは無理かも」
「そうなんだ。分かったよ。そいつには諦めろって言っとくから、単なる飲み会という事で」
「分かりました。単なる飲み会ね。了解!」
教室の椅子に座り、回された出席簿にサインすると、岬は躊躇なくそのまま外に出た。
「幼馴染の彼氏、か・・・・」
岬は呟くと、もう一度携帯を取り出して麻衣にメールした。
「さっきの話、やっぱり俺が店考えるわ。日程だけ都合教えて」
彼はすぐに返信のあった麻衣からのメールを見もせずに携帯をジーンズに押し込むと、何事もなかったように門を出た。
俺は疲れてなんかいない、いや本当は凄く疲れてる・・・でも今日こそ瞳といちゃつける、そう考えるとどうにも抑えきれない
やば・・・もう立ってきちゃった・・・いくらなんでも節操が無さすぎるよな・・・
一緒にシャワー入りたい・・・
でも絶対無理だろうな、瞳がうんという訳がない・・・
狭い台所でテキパキと料理する瞳の後ろ姿を眺めながら、和希ははやる気持ちを抑えるのに大変だった。
白いTシャツに履き古した色合いのジーンズ、エプロンを纏った瞳を見ながら、新婚家庭とはこういう感じなのかな、と淡い将来像を思い浮かべ、知らず知らずに表情を緩める和希。
「何だらしない顔してるの、先生」
突然振り返り、一瞥して瞳が言った。
瞳は和希の部屋で家事をしている時、チラチラと和希の事を見る癖がある。それは愛する人を常に見ていたいから、という単純な欲求からくるものだった。
和希は音を立てないように後ろから近付くと、一気に回り込んで瞳の顔を覗き込んだ。
その時皿に盛りつけしていた瞳も口元を緩めていた。
「なんだ、瞳もニヤついてるじゃん」
「あ!いや・・・もう!先生!」
和希はそっと後ろから抱きしめると、白いうなじに顔を押し付けた。
いつもの甘い香、瞳の匂いを存分に吸い込みながら、お腹に回した両腕に力を込めた。
「あん、先生・・・もう、すぐ出来るから・・・」
口ではそう言いながらも、瞳は身体を動かさず、和希の好きなようにさせていた。
うなじにキス、そして耳たぶを甘噛みすると、瞳は「あっ・・・」と弱々しい声を出して首をすくめる。
「あ、あの先生・・・あたってる・・・」
和希はハッとして身体を離した。完全に勃起したペニスが瞳の臀部に押し付けられていたから。
「ご、ごめん」
そそくさと席に戻る和希。
何がゴメンだよ、今更・・・
自分の中途半端さ、間の悪さが嫌になる
俺達、恋人同士なんだから、別に気にすんなよ・・・
和希は自分の膝を軽く殴りながら座った。
先生の身体、凄く熱かった
私、超ドキドキしてたの、バレなかったかな・・・
あんなふうに抱きしめられるの、なんか凄く嬉しい、本当はずっとああして欲しかった、な・・・
やばい、超汗出てきた・・・
小さなテーブルに並べられた品々はどれも食欲をそそるもの。和希の大きな茶碗に大盛りご飯、瞳の小さな茶碗にもしっかりご飯が盛られていた。
「瞳、今日はちゃんと一杯食べるんだね、いつも半分なのに」
「私もお腹減っちゃったから、今日は。先生はおかわりしてね、まだまだあるから」
「うん、でも本当に美味しそう。大変だったろ?」
「全然そんな事もないけど。それに稽古の後だから疲れてるかなと思ったし。ちゃんと精力つくものにしたからね」
「うん!・・・ん?精力?」
それを言った途端、二人の顔が真っ赤になる。
「い、いや、そういう意味じゃなくて・・・ほら、先生疲れてると勉強に差し支えたらいけないし・・・」
「は・は・は・は・・・・」
夕暮れ時の神楽坂は徐々に人の流れも多くなり、夜へ向けて一層賑わい始めていた。
飯田橋駅を降りて坂を途中まで登ったところの雑居ビルの1階。アンティークな小物が狭い店内に隙間なく陳列された雑貨屋には、これからが稼ぎ時の時間帯にも関わらず「準備中」の可愛い看板が入口にかけられていた。
薄く半透明の和紙のブラインドで窓を遮られた店内は、中の明かりを消してしまえば外からは殆ど見えない。
「ちゅ・・・は、ん・・・ちゅ、チュゥゥゥ・・・ちゅっ」
「恵里さん・・・お店、いいの?」
「いいの、そんなの・・・・」
薄暗い店のカウンターの中で抱き合いながらキスをする二人の影。淫靡な水音だけが店内に響いていた。
岬の首に縋り付くように抱きつく小柄な女性は、五ヶ月ぶりの若い男の身体の為に全てを後回しにしていた。
商品の発注、宅急便の手配、姉妹店への業務連絡、そして、買い付けの為に海外にいる夫への連絡も。
恵里は岬のベルトに手をかけ、きついジーンズを脱がそうとしていた。
「なんか発情してない?旦那に相手してもらってんでしょ?」
「・・・・・」
恵里は何も答えずに、岬の下半身を裸にする事だけに集中していた。
そして半分まで勃起したペニスを右手で掴むと、ゴクリと唾を飲む。
「相変わらず・・・凄いのね」
亀頭にキスをすると、舌を伸ばして亀頭全体に纏わり付かせ、涎をまぶす。そして大きく口を開けると幹の途中まで咥え、ゆっくりとスライドさせ、唇が捲り上がるほど強く扱く。
みるみる内に岬のペニスは極限まで勃起し、口中でそれを感じた恵里はそのまま上目遣いで岬を見つめた。
岬は優しく微笑みかけるとレジの前の椅子に腰掛け、恵里はペニスを咥えたまま移動し、床に正座した。
岬の股の間で顔を前後に揺らす恵里のワンピースを背中越しにたくし上げると、黒いTバックの下着が見えた。
「恵里さん、こんなのいつも履いてるの?」
微かに首を横に振る。
「ゆんやふん、ふるはら」
恵里は咥えたままそう言うと、唇によるピストン運動を再開させた。小さな口をギリギリまで押し広げる太いペニスとの隙間から涎がとめどなく流れ、それを咥えきれない幹の根元の方まで両手でヌラヌラと擦りつけ、長大なペニス全体を刺激する。
「ああ、やっぱ一番上手だわ、恵里のフェラ」
呼び捨てで褒められて、いよいよ恵里の前後運動は拍車がかかっていった。
岬は恵里の後ろに置いてある売り物の古びたテーブルの上に土足で両足を乗せると、股間を恵里の方へ突き出すように浅く座り直した。
恵里は左手でペニスを握り、右手で岬の尻を開くと、そこに舌を伸ばしていった。
「やっぱこれでしょ・・・」
岬は恵里の後頭部を撫でながら、自分の肛門に抑え付けるように力を加えていった。
一頻り、股間全部に恵里の奉仕を受けた岬は、恵里をレジに手を付かせて後ろ向きに立たせると、ワンピースの中に手を入れてTバックの脇から指を滑り込ませた。
そこは既に熱く潤みきっており、太腿を伝ってブーツの中まで愛液が流れ落ちていた。
「俺のチ○ポ咥えただけでこんなになってんの?エッチだね、相変わらず」
「あ・・・い、言わないで・・・」
岬はワンピースとブラジャーを手際よく脱がせ、パンツとブーツだけにした恵里の身体に後ろから抱きついて、胸やお腹を揉みほぐすように愛撫した。
「んあああああっ!・・・あっ!あっ!あっ!」
乳首を捻り上げ、クリトリスを摘み、執拗な愛撫を繰り返されて、恵里はすぐそこの通りには沢山の人が歩いている現実を完全に忘れ、店内に響き渡る喘ぎ声を上げていた。
「そろそろ入れて欲しい?」
コクコクと頷く恵里。
Tバックの股間部分を横にずらし、そのまま後ろから亀頭をあてがった時だった。
「あ、あ、ち、ちょっと、待って」
「やだよ」
ズブズブと三分の一までペニスを挿入した。
「ひ、ひゃっ!・・・」
「なんで?入れて欲しいんだろ?」
入れたまま、微動だにせずに岬は恵里を覗き込んだ。
「ち、違うの・・・」
「何が?」
「もう、ピル、飲んでないから」
「・・・・・」
岬は少し考えてから聞いた。
「旦那とはしてるんだろ?生で」
「・・・・・」
「怒らないから、言えよ」
「うん・・・・・もう私、子供、作ろうと思って」
「子供?」
「うん・・・」
その間も岬は腰を動かさず、辛うじて両手で豊かな乳房を弄ぶだけだったが、膣の中がうねうねと蠢く度に早く貫き通したくて仕方がなかった。
「どういう心境の変化?」
「だって、私、もう来年30になるんだよ?」
「まだ30だろ?」
「もう、だよ・・・それに」
「それに?」
「全然、会ってくれなくなったから・・・潤也」
振り返りながら岬を見つめる恵里の瞳は、ほんの少しだけ潤んでいた。
「俺と会ってたら子供作らなかったってこと?」
恵里は前を向くと、微かに首を縦に振った。
「だって・・・少なくともそんな気は起きなかったと思うもん・・・」
岬はニヤリと笑を浮かべると、ゆっくり腰を進めた。
身体の小さい恵里の中は、岬のペニスを半分引き込んだところで一杯一杯になる。
「あああああああっ!あああっ!」
岬はゆっくりと腰を引きながら、恵里の顔をこちらに向けて舌を伸ばした。
恵里は夢中にそれを吸いたて、切なげに声を漏らしていた。
「旦那、帰ってくるのいつ?」
「・・あ、明日」
「じゃあ明日すぐ旦那ともセックスすればいいじゃん」
恵里は目を開けて、悲しげに岬を見つめる。
「それとも、もうやめようか?」
無言で顔を横にブンブン振る。
その瞬間、一気に子宮口にあたるまで深々とペニスを挿入した。
「ああっ!ああああっ!んあああっ!」
「恵里の中に・・・全部出してやるからな・・・」
岬は両腕を恵里の身体に巻きつけるように抱きしめると、そのまま腰だけを器用に振り動かし、膣の奥を何度も手荒に叩く。
「す、凄っ!・・・やっぱ・・・こ、これ!っこれっ!」
すぐに身体をブルブル震わせて一回目のアクメに達する恵里。
「ああっ!あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!・・・・・」
恵里の股間からは大量の液体が断続的に吹き出し、床に水たまりを作っていった。二人の下半身も水を浴びたようになっていた。
「あんっ!・・・いやんっ!・・・ま、また・・・いくっ・・・い、いっくうううっ!」
腰周りと太腿を派手に痙攣させてイク恵里の身体を支え、上半身を強引に起こした。
立ちバックの格好で左手で恵里の右の乳首を捻り、右手の人差し指をお臍にグリグリと押し込んだ。
恵里は両手をそれぞれ岬の両手にかぶせ、指を絡めるようにした。
「おへそ弄られると・・・潤也に抱かれてるんだなって・・・感じる・・・」
「嫌なのか?」
「大好き・・・」
「俺の事?」
コクコクと頷き、もう一度「大好き」と言う恵里。
恵里は首を捻ると岬の唇に舌を入れてきた。
それに応える岬は、同時に腰を深く押し付けるようにして、子宮口の入口を圧迫していった。
「んっ!はぁっ!はうっっ!んんんっ!」
岬に絡める指に力が入る。
そして遂に子宮口を突破し、亀頭をズルズルと奥へ侵入させていった。
「はっ!はっ!はっ!・・・ん!んんっ!深いっ!いいいい!」
恵里は何度も痙攣したまま、ガクッと膝から崩れ落ちそうになっていたが、子宮口でカリの下の敏感な部分を締め上げられ、岬も限界が近づいていた。
「明日、旦那とセックスしろよ・・・」
「ひっ!ひっ!あひっ!ひっ!ひっ」
動きを止めて恵里にキスすると、恵里は後ろ手に岬の頭を抱えると、猛烈に唇を押し付けてきた。
岬は唾を貯めては恵里の口の中へ流し込む作業を、何度も何度も繰り返しながら言った。
「俺の子種だったとしても、お前産めよ?」
恵里は舌をだらしなく伸ばし、岬の唾を受け取りながら頷いた。
「て言うかさ、旦那と俺と、どっちの子が欲しいんだ?」
ゴクリと飲み込み、再び舌を伸ばしながら呟いた。
「じ、潤也ぁぁ・・・」
クチュクチュと口の中で唾を溜めながら岬は微笑んだ。
「・・・お前、マジで可愛いな」
そう言って最後の唾液を恵里の舌の上に落とすと、腰の動きを大きくしていった。
20センチのペニスが全て膣の中に埋まるほど、大きく、激しくピストンさせた。
「あひっ!ひっ!ひっはぁっ!はうっっ!んっ!はぁっ!はぁぁぁぁっん!」
声にならない声を出す恵里。表情は蕩けきり、目尻から涙を流していた。
「ああ、いく!出るっ!出るっ!」
バチンバチンと肌と肌がぶつけ合う音が店中に響き渡り、外に聞こえそうな程だった。
「あ!出る!恵里!こっち向け!口開けろ!」
岬はペニスを一気に引き抜くと、その場で崩れ落ちそうになる恵里の頭を抑えて口を開けさせた。
岬の目的はなんだかんだ言っても、相手を妊娠させる事ではない。不倫相手を堕とす事ができればそれで充分なのだ。
第一弾は間に合わず、恵里の頭上を大きく飛び越して、売り物の雑貨類に飛び散った。
第二弾は恵里の顔にかかり、第三弾でようやく口の中へ射精できた。
もっとも、第四弾、第五弾と岬の射精は永遠の如く続き、恵里は力の限り吸引して精液を飲み干していった。
脱力し、椅子の腰掛けた時、恵里の頬を涙が伝うのを見た。
「恵里、泣いてんの?」
「え?・・・いや・・・」
「罪悪感、とか?」
恵里は虚ろな視線で岬を見上げると、一瞬生気を戻した表情で言った。
「違う、感じ過ぎちゃって・・・」
恵里は微かに微笑むと、再びペニスを丹念に舐め上げ、睾丸、肛門、太腿、膝、という順番で、自らの愛液を舌で綺麗にしていった。
そしてそれは最後の左足の小指1本に至るまで続いた。
「やっぱお前、最高だわ」
岬の足を両手で支えながらしゃぶる恵里に囁きかけた。
「これからも会おうな?」
指と指の間に舌をねじ込ませ、何度も往復させながら恵里は頷いた。
岬は両足を投げ出し、擽ったさを感じながら天井を仰ぎ、考えていた。
足の指しゃぶられると、なんかムラムラしてきた・・・もう一回やっとこうか・・・・・でもこいつの旦那のアホ面、見てみたいわ
・・・・・・・幼馴染の彼氏、ってか?・・・どれほどのもんなのかな
付き合い長い分、そこらへんの夫婦より絆は強いのかもな
・・・・まあ、今回は慎重にいくか・・・・・
頭で瞳の事を考え、再び完全に勃起したペニスの上に恵里を跨がせ、ゆっくり奥まで貫いていった。
宮條瞳・・・・やっぱ俺のものにしよう・・・・・
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