2012.02.14 Tuesday
背筋に寒気が走ったと思ったら、
直後に嫌な動悸が襲い掛かってきた。
「……馬鹿馬鹿しい。同名なだけに決まってる」
誰かに言い訳するようにそう呟き、
そして一瞬の躊躇の後、そのフォルダを開く。
中の構成は他のフォルダと一緒だった。
テキストと、動画が交互に置かれている。
数度、深い深呼吸をした後、
最初のテキストファイルにカーソルを合わせる。
よく見たら、そのファイルの作成日時は、
俺と弥生が、初めて会った日より半年ほども前だった。
直後に嫌な動悸が襲い掛かってきた。
「……馬鹿馬鹿しい。同名なだけに決まってる」
誰かに言い訳するようにそう呟き、
そして一瞬の躊躇の後、そのフォルダを開く。
中の構成は他のフォルダと一緒だった。
テキストと、動画が交互に置かれている。
数度、深い深呼吸をした後、
最初のテキストファイルにカーソルを合わせる。
よく見たら、そのファイルの作成日時は、
俺と弥生が、初めて会った日より半年ほども前だった。
『やよいっち。同い年のサークルメイト。
今回は趣向を変えて、真面目そうな子を狙ってみる。
ちょっと地味な感じだけど、小動物みたいで可愛い。
人見知りするのか、それとも単純に男が苦手なのか、
あまり男と喋ってるところを見たことが無い。
礼儀正しく、大人しい感じの子だ。
たまにはこういうのも良いだろう。
警戒心さえ解いてしまえば、
この手のタイプは経験も少ないのか、
ガンガン押してしまえば意外と脆い気がする。
最初は皆で遊ぶようにして、次第に二人の時間を増やし、
最終的には二人で部屋飲み出来るまで達成。
未成年だからと飲酒を頑なに拒み続けたが、
思ったとおり押しに弱い。
あとはもう簡単。
隠れ巨乳や処女だったことなど、
意外な事実が目白押しだった。
しばらく遊べそう』
その文章だけで吐き気がこみ上げてきた。
同時に涙が目尻に溜まる。
嘘だろ?
俺に紹介するまで、殆ど喋ったことも無いって言ってたじゃないか。
震える手で、動画ファイルを再生する。
どこにでもあるベッドを真横から映し出している。
蛍光灯は少し眩しいほどだ。
そんな中、二人の男女が寄り添うようにベッドに寝ている。
二人とも服は着ている。
女性は盗撮しているカメラに対して背中を向けており、
そして男はそれに向かいあうように横になっている。
男は爽やかな笑みを浮かべながら、
女の頭を優しく撫でた。
『酔っちゃった?』
『ん?……ん〜』
『もうちょっと休んできなよ』
『うん……ごめんね?』
『いいよ』
『……拓也くんのファンに怒られちゃうな』
『いねーしそんなの』
『そうなの?でも皆拓也君カッコいいって言ってるよ?』
『気にしなくてよくね?』
拓也はふ、と鼻で笑うと、寝そべったまま、
弥生の顎を持ち、そしてごく自然な動作で唇を重ねた。
『なんだか……夢みたい、かも』
『なにが?』
『拓也君と、こうなるって』
『弥生っち大袈裟だって』
『だって……あたし、前に好きだったもん』
『え?俺?』
『……うん』
『もっと早く言ってくれりゃ良かったのに』
その言葉に、もう遠慮は不要と思ったのか、
拓也は弥生の手を取り、そしてもう一度キスをした。
『だって……絶対振られるって思ってたし』
『そんな事ないって。弥生っち軽音で一番可愛いじゃん』
『え〜、そんな事無いよ〜』
そう言いつつも、嬉しそうにクスクス笑った。
頃合とみたのか、拓也は弥生と濃厚なキスを交わしながら、
彼女の上にのしかかり、そして片手を彼女の胸元へと伸ばしていく。
服越しにその乳房を揉みしだくと、
その意外に豊かな感触びっくりしたような表情を浮かべるが、
目の前で、本気で恥ずかしそうな表情で顔を背けている弥生を
慮ってか、拓也は何も言わず、そのまま愛撫を続けた。
やがて二人は生まれたままの姿になる。
もう挿入直前だろう。
拓也の全戯は言うまでもなく手馴れていて、
弥生は時折苦しそうな声を、恥ずかしそうに上げており、
その控えめな嬌声とは裏腹に、くちゃくちゃと、
拓也が弥生の陰部に伸ばした手からは、
明確な水音が響いていた。
それが耳に入る度、彼女は『……やだぁ』と
拓也の手を止めようとしたり、両手で顔を覆ったりしていたが、
その度に拓也にキスをされては、
蕩けた顔で舌を絡め合い、結局はなすがままになっていた。
そんな中でも、弥生はしきりにちらちらと、
拓也の勃起した陰茎を興味津々の様子で盗み見ていた。
『ん?なんかおかしい?』
お互い膝を突き合わせて座った体勢で、
拓也ゴムを着けながらそう問うと、
『え?あ……ううん』とすごい勢いで首を横に振ると、
『あの、その……初めてだったから、つい……ごめん』
と消え入りそうな声で弁明した。
『え?初めて?』
弥生は静かに頷いた。
『そっか。弥生っちってずっと女子校だったんだっけ?』
またコクリと無言で頷く。
ふふ、と拓也が笑い、そしてキスをする。
弥生もすっかり慣れた様子で、
す、っと自分から唇を寄せていった。
『もしかしてキスも、とか?』
『……えへへ』
彼女は恥ずかしそうに笑みを浮かべることで、
その質問を肯定した。
『でもさ、大学入ってからは結構言い寄られたんじゃないの?
マジで弥生っち、結構モテるってしょ?』
今度は不意打ちのように、弥生からそっと唇を重ねた。
『……だから、その、入学した時から好きな人いたし……』
拓也の胸元と顔を、何度も交互にちらちらしながら、
弥生がそう答えると、
拓也は弥生の頭を優しく撫でて、
そしてゆっくりと彼女の身体を後ろに倒した。
拓也の両手によって開かれる弥生の白い足。
弥生の表情は、不安と覚悟が同居していた。
拓也が自らの陰茎を、まだ誰も通っていない弥生の場所にあてがう。
『挿入れるな?』
弥生は無言で頷くと、きゅっと目を瞑り顎を引いた。
ゆっくりと、しかし確実に弥生の中に入っていく拓也。
痛みで背中が浮く。
しかし耐えられないほどではないようで、
拓也も続けてゆっくりとピストンを始めていく。
やがて、初めて他人を向かい入れた弥生は、
苦痛とはまた別の感覚がふつふつと湧き上がってくるのを感じた。
拓也が自分の中を貫く度に感じる、
全身が粟立つような感覚。
次第に頭の芯がじん、と鈍くなり、
痛みを食いしばっていたはずの口が、
少しづつだらしなく開いていった。
『はぁっ、あっ……ん、あぁ』
そんな声が上がり始めたころ、
拓也は陰茎を弥生から引き抜き、
そしてゴムを外すと、
真っ白な濃い精液を、
弥生のお腹から胸元までかけて放出した。
初めての射精を間近で見た興奮からか、
しばらく弥生の胸は深呼吸に伴い大きく上下動していた。
ぷるぷると震える、形の良いお椀方の巨乳から、
白い精子が脇へと垂れていく。
『どうだった?』
弥生は苦笑いを浮かべ
『なんか……すごかった』とくすぐったそうに答える。
『痛くない?』
『痛い、けど……うん、大丈夫』
そう答える弥生の顔は、どこか誇らしげだ。
裸のまま寄り添い、そして二人は優しく唇を重ねあわせる。
「……なんだよそれ」
気がつけば涙が流れていた。
それを手の甲で拭うと、そのまま次のファイルにカーソルに伸ばす。
立ち止まっていたら、どうにかなってしまいそうだったから。
静かに考察なんてしていたら、おかしくなってしまいそうだったから。
何でも良いから、頭の中をごちゃごちゃにしたかった。
次のテキストファイルを開く。
『意外と弥生っちは積極的だ。
エロいというよりは、好奇心が旺盛って感じ。
勃起するところや射精するところを、
まじまじと観察しては、無邪気な声で感嘆を上げる姿は素直に可愛い。
下手にすれてない分、身体の反応も良い。
開発のし甲斐がある。
スタイルも良いので、しばらくは飽きなさそう。
何よりどれだけ肉欲に溺れても、
如何にも純粋な少女といった風体や仕草が損なわれない子なので、
犯す度に常にどこか、背徳感を憶えることが出来るのも良い感じだ。
講義の合間を縫って、色々と仕込み中』
俺は胸を押さえながら、動画ファイルを開く。
呼吸もままならない動悸のなか、
頭の中は茹っているかのように沸騰しているが、
その感情が何なのかはわからない。
憤怒なのか、嫉妬なのか、それとも自分の愚かさを嘆いているのか。
ただ一つはっきりしているのは、
知りたい、という欲求。
なんでこうなったのか、という顛末を。
部屋の様子はカーテンが締め切られているにも関わらず明るい。
蛍光灯もついていない。
カーテンの隙間からは、明るい日差しが一筋漏れている。
ベッドの手前には、二人分の鞄が置かれている。
少なくとも、女性用と思われる茶色のシックなデザインの鞄は、
デートの時に幾度となく見覚えがあるものだ。
二人の男女はベッドの上で、既に見に纏っているものが無い姿だった。
寝そべる拓也の腰に顔を埋める弥生。
両手は彼の太股に置かれて、首はゆっくりと上下していた。
拓也はその後頭部にそっと手を添えて、
『いいじゃん。そうそう』と優しく声を掛ける。
それを受けて、首の上下運動を一旦止めると、
彼の表情を伺うように視線だけで見上げる。
その口には、彼女の素朴な可憐さとは対照的な、
グロテスクともいえる、勃起しきった陰茎が含まれていた。
『良い感じだよ。噛まないようにな』
もう一度頭を撫でると、彼女はペニスを咥えたまま、
小さく頷くと、緩やかな上下運動を再開した
ちゅぱ、ちゅぱ、と控えめな水音が室内に響く。
まだ経験が不足しているからなのだろうか、
自身の技巧に不安があるのか、
ペニスを口に咥えながらも、
しきりに拓也をちらちらと見上げる弥生。
その度に拓也は、『気持ち良いよ』と声を掛けた。
暫くすると、拓也は上半身だけを起こす。
そして手持ち無沙汰になっている彼女の両手を、
自分の両手を指を絡めて握り合う。
心なしか、弥生のフェラチオに熱がこもる。
『じゃあ先っぽだけ舌で舐めてみよっか?』
拓也がそう言うと、ゆっくりと弥生は口からペニスを離す。
すると勃起しきっていたそれは、
勢い良くぺちん、と音を立てて、拓也の下腹部に反り返っていった。
『……わぁ』
その様子を見て、驚く弥生の表情は、
まるで不思議なものを見た少女のよう。
拓也に言われたことを思いだし、
軽く舌を出して亀頭の部分に口を近づけていく。
両手を使ってペニスの根元を抑えればもっと楽なのだろうが、
その両手は今拓也と繋がっている。
ヘソに着きそうなくらい反り返った拓也のペニスの裏筋を、
優しく丁寧に舌でなぞっていく。
『そうそう。そのまま下に』
素直にその言葉に従っていく。
徐々に下に。
根元まで行くと、次の指示を待つように、
ペニスと陰毛の下から拓也を見上げる。
『玉も舐めて。優しくね。舌で転がすみたいに』
無言で言われたとおり、そっと舐めて、
そして舌の上で睾丸を転がす。
『それで咥えてみて。そう。軽く引っ張ったりして。そうそう』
『弥生っち上手じゃん』
『え、え〜……なんか恥ずかしいよぉ』
ご褒美といわんばかりに、キスを与える拓也。
ちゅっ、と可愛らしい音が鳴る。
『じゃ、挿入れよっか?』
『う、うん』
軽快な笑みを浮かべる拓也とは違い、
恥らうように小さく頷く弥生。
『バックでしてみよっか?』
『バ、バック?』
『うん。四つんばいになって。そうそう』
恥ずかしそうに犬のようになった弥生の腰に、
拓也が勃起したペニスを押し当てる。
『一回さ、生でしてみよっか?』
『え、えぇ?……だ、駄目だよ……』
『絶対外で出すからさ?な?』
『……えぇ……』
強く拒めない隙に、するりと挿入してしまう拓也。
『あっ』
挿入された生のペニスに押し出されるように、
弥生の口から甘い吐息が漏れる。
『どう?生良いっしょ?』
ゆっくりとピストンを開始する。
『あっ、あっ、あっ……んっ、で、でもぉ……あっ、あんっ』
『気持ち良くない?』
少しづつ、激しさを増すピストン。
『んっ、んっ、あっ……いっ、いい、けど……でも、あっあっあっ』
やがてそれは、パシっ、パシっ、パシっ、と乾いた音が出るまでに激しくなる。
『あんっ!あんっ!あんっ!あっ!あっ!』
『絶対外に出すから』
そう言いながら、彼女のこぶりな腰をがっちりと掴み、
ベッドが軋むほどにピストンを強める。
『あっ!あっ!あっ!いっ!あっ!それっ!あっあっあっ!』
セミロングの黒髪と、四つんばいになっても重力に逆らうように、
お椀の形を保った美乳が激しく揺れる。
『バックどう?良い?』
『あんっ!あんっ!あっ!……いっ!いいっ!
……あっ!はぁっ!おくっ、すごいおくくる』
『奥が良いの?痛くない?』
ピストンを弱める。
息を荒げながら、苦しそうに弥生が答える。
『痛くは無い……けどぉ……なんか変な感じ、かも』
『痛かったら言ってね?』と言うと、激しいピストンを再開する拓也。
『あんっ!あんっ!あっ!すごっ!あっあっ!だめっだめっ!』
『だめ?』
『あっ、あっ、あっ、だめっ!なんか、きそうっ!あっあっあっあん!!』
『いいよ。いけっ。ほら、いけ』
『あんっ!あっ!あっ……あっ、だめ!だめっ!……ああああ!!!』
拓也がピストンを止めると、ぶるっ、ぶるっと
大きく弥生の身体全体が震える。
『弥生っちはバックが好き、っと」
と笑いながら、いまだ痙攣を続ける弥生の背中を
そっと指でなぞると、
『やぁん』と悩ましげな声を上げて、
背中をひねる弥生。
『もう動いていい?』と聞くと同時に、
一度大きく腰を振る。
大きく身震いさせながら『ああんっ!』と声を上げると、
『……ん……ま、まだぁ……』と甘く切ない声が漏れる。
犬のような格好のまま、ふぅふぅと息を荒げながら、肩を上下させる弥生。
拓也は彼女の了承を取らずに、しかし気遣いながらも、
ゆっくりと、小さくピストンを再開させる。
それが程よい刺激だったのか、
『んっ、んっ、んっ、あっ……あぁっ』
と悩ましげな声が断続的に響く。
少しづつ、少しづつピストンは大きく、そして速くなっていく。
『あっ、あっ、あっ、あっ、だめ……
拓也君…あっ、だめ、また……あっ、あっ』
『またイっちゃいそう?』
『う、うん……あっ、あっ、あっ、んっ』
『いいよ』
そう言うと、拓也は激しいピストンに切り替える。
『え?あっ、やだっ……あっ!あっ!あっ!やだっ!
……あんっ!あんっ!あんっ!あっ、きちゃうっ!
また、くるっ!……あっ!いっ!あっ!あっ!』
数秒と経たないうちに、先ほどより更に大きく身体を振るわせる弥生。
びくびくと全身が痙攣する様子を、
後ろからその豊かな乳房を揉みしだきながら、
楽しそうに観察している拓也の笑顔が鮮明に映っている。
『バックやばい?』
『……うぅ』
単純に息が切れているのか、それとも恥ずかしいのか、
まともに返事をする事すら出来ず、
ただ小さくこくりと頷くだけだった。
『ちょい休憩しよっか』
拓也がするりと弥生から離れると、
彼女はその場に倒れこむように寝そべった。
拓也はベッドの上で胡坐をかいている。
『弥生っち。ほら、休憩がてら練習練習』
と少し萎え始めた自らの陰茎を指差しそう言った。
弥生はよろよろと這うように顔を拓也の腰に埋めていく。
初めは普通に咥え、そして先程教わったとおりに、
時折先端だけをちろちろと舐め、
そして睾丸を舌で転がし、頬ばった。
『このまま出して良い?』
その小さな口で出来る限り奥まで咥え込んでいる彼女にそう問う。
カリの辺りまで咥え戻し、そして彼女はそのまま頷いた。
まだ不慣れフェラチオで、拓也にとっては刺激が弱いのか、
拓也の方からも腰を振る。
その所為で、ガポガポと卑猥な水音が響き、
そして弥生の口元からは白い泡のような唾液が、
ぼとぼとと零れ落ちていく。
やがて拓也が苦しそうな声を上げると、
二人の動きが一切止まった。
ぱんぱんに膨れ上がったペニスが、
彼女の口の中でびくびくと震えている。
『ふぅ』
緩みきった男の声。
ゆっくりと、その大きなペニスを、
小さな口から取り出す。
彼女は慌てて両手を口元に持っていく。
『飲める?』
拓也がそう問うと、
彼女は困ったような表情で彼を見上げ、
一瞬の躊躇の後、目を瞑り、
そしてごくんと喉を鳴らした。
『えらいえらい』と頭を撫でられると、
『……えへへ……にがぁ』と笑った。
一度、啄ばむようにキスをする。
弥生は嬉しそうに笑みを浮かべている。
『今度さ、中出しさせてよ』
拓也のその言葉に、
『……え?』と戸惑いの声をあげる。
『だめ?』
首を傾げる拓也。
『う、うん……それは……』
『じゃあさ。安全日だったら良い?』
『え、えぇ……と』
視線がベッドと拓也の顔を行ったり来たり。
『安全日だったら良いじゃん?ね?』
『う……うん』
弱弱しい返事。
『ありがと』
そしてまたフレンチキス。
それだけで弥生の不安げな表情が消える。
俺は両手で顔を覆い、しばらくの間、
ただ息を吸って吐くだけの行為に没頭した。
それ以外のことを考えるのが億劫だったから。
これまでの事。
これからの事なんて、何も考えられない。
両手が力無く垂れ下がる。
俺の右手は、ゆっくりとマウスを掴むと、
さらに舞台の裏側を知ることを選んだ。
『色々と初めてづくし。
それにしても弥生っちは健気だ。
自分がセフレというポジションに置かれているのを
わかった上でそれ以上何も言ってこない。
微妙に罪悪感』
画面上の二人は、既に全裸で重なりあっていた。
カーテンの隙間からは、夕陽の明かりが一筋漏れている。
『こ、こう?』
寝そべる拓也の上にまたがった弥生は、
ぎこちない動きで腰を振っている。
『もっと擦り合わせる感じかな。
ていうか弥生っちの気持ち良いふうに動いたらいいよ。
自分の良いとこに当てる感じで』
『え、えぇ……わかんないよ』
眉を八の字にしてそう言いながらも、
くいっ、くいっ、と健気に腰を振る弥生。
やがて『あっ』と一際高い声を出して、
上半身を前に倒した。
その際、美しい形を保ち続けた乳房が、
拓也の胸板で潰れた。
『見つかった?』
にやにやと拓也が尋ねる。
『う、うぅ……』
恥ずかしそうに顔を赤らめるだけ。
『ていうかさ、やっぱ生のが良いっしょ?』
『……うん』
『どう違う?』
『……なんか……形がわかる』
『俺の?』
こくりと頷く。
『俺の何が?』
『……やだぁ』
『言って』
『……おちんちん、の形』
『どんな感じ?』
『出っ張ってるとこに、んっ、擦られる感じ』
『カリって言うんだよそこ』
『カリ?』
『そう』
おもむろに、下から大きく突き上げる。
『あんっ!』
『良い?』
そう尋ねながら、今度は小さく、
しかし永続的に突き続ける。
『あっ、あっ、あっ、あっ、あっ』
『な?良い?』
『い、いいっ……あっあっあっんっんっ』
『何が?』
『お、おちん、ちん』
『の何処が?』
『あっ!あっ!あっ!あっ!……カ、カリが……
拓也君の……あっあっ……カリが擦れて……』
突き上げが激しくなる。
部屋がグチャグチャと卑猥な音で満たされる。
時折見える、避妊具を着けていない拓也のペニスは、
弥生の愛液でもう真っ白だ。
『あんっ!あんっ!あんっ!だめっ!あっ!すごい!
もう、あっ……た、拓也君っ!あっ!イクっ!』
弥生は拓也にしがみつくと、大きく身体を震わせ果てた。
その痙攣が治まるのを待つと、
拓也はそのまま上半身を起こし、
そして対面座位の形にもっていく。
ゆっくりと腰を振り始める。
その動きは、次第に弥生からも。
ゆっさゆっさと揺らしあう二人の身体。
にちゃにちゃと、粘液が擦り合わされる音。
誰に言われるでもなく、弥生は両腕を拓也の首に回し、
そして自ら舌を出して、拓也の唾液を求めた
『はっ、はっ、はっ、んっ、はっ』
まるで犬のような息遣い。
必死に舌を絡めあって、体液を交換しあう二人。
『俺もそろそろイキそ』
『んっ、あっ、あっ、んっく……はぁっ』
『今日、安全日なんだよね?』
『あっ、あっ、あっ…………う、うん』
『いい?』
『……だ、大丈夫かなぁ』
『大丈夫だって』
『う、うん』
弥生の不安を吹き飛ばすため、
自分の身体ごと弥生にぶつけるように、
激しくピストンをし始める拓也。
『あっ!あんっ!あっ、そこっ!あっ!いっ!いいっ!』
『いくぞ!?いくぞ!?』
『え?あっ!あっ!やだっ!あっ、やだっ!すごいっ!ああっ!』
『あ、出るっ!』
その言葉をきっかけに、二人の身体はぴたりと止まる。
拓也の身体が断続的に小さく震える度に、
弥生は、『……熱い』『すごい……まだ』と
拓也にしがみつきながら、彼の耳元で囁いていた。
しばらく二人は抱き合ったままで、
部屋には二人の息遣いの音だけが流れていた。
どちらからともなく、唇を重ねる。
ぬるりと自分から離れていく男性器を、
弥生はどこか寂しげな表情で見つめる。
拓也はその頭にぽんと手を置くと、
『口で綺麗して』と呟いた。
弥生は無言で、その言葉に従う。
愛おしそうに、ちゅぱ、ちゅぱ、と音を鳴らし、
お掃除フェラを始めた。
とても熱心で、丁寧なフェラ。
その瞳は熱っぽく潤んでいる。
自身の中でたっぷりと放出した精液を纏った肉棒を、
丹念に舌で掬い取っていく。
奥まで咥え、裏筋を舐め、睾丸を口に含む。
その最中、ふと弥生が『あ』と声を上げる。
拓也はその様子で察したのか
『垂れてきた?』と微笑みながら声を掛ける。
恥ずかしそうに『や、やだ』と呟き、
照れ隠しのように、さらにフェラチオに没頭していく。
やがてその小さな口で、その変化を感じたのか、
やはり恥ずかしそうに、フェラチオを続けながらも、
ちらちらと拓也の顔を見上げる。
『どうしたん?』
にやにやと意地の悪い笑みを浮かべる拓也。
『……おっきくなった、よ?』
『もっかいする?』
『ど、どうする?』
『弥生っちが決めていいよ』
『は、恥ずかしい、よ』
『もうしたくない?』
彼女は睾丸を舌で転がしながら、
ぷるぷると、首を横に振った。
『言って』
拓也が優しげにそう求めると、
『……したい』と消え入りそうな声で答えた。
『じゃあバックでしよっか?』
『……ん』
上体を起こすと、ぱっぱっと自分で乱れた髪を直し、
そして恥ずかしそうに、四つんばいになる。
充分ほぐれきった上に、精液を含んだ彼女の膣は、
いとも簡単に、勃起しきった拓也のペニスを受け入れた。
最初から、遠慮無しのピストン。
肉と肉がぶつかる乾いた音と、
いとも簡単に上り詰める彼女の嬌声が響き渡る。
『あんっ!あんっ!あんっ!あっ、そこっ!そこだめぇっ!』
『あっイク!あっ、だめっ!いくっ!あっあっ!イクイクイクっ!』
そんな激しい音が災いしてか、
二人はその音に気付く事が出来なかった。
『おい〜っす……っておお』
突然画面には、第三者の姿が。
しかし拓也はそれほど驚いた様子もなく、
『なんだよ勝。なんで勝手に入ってくんだよ』
と不機嫌そうに咎めるだけだった。
『いや呼び鈴鳴らしても出ないし、鍵開いてたから』
『呼び鈴今壊れてんだよ』
そう言いながら、パシっパシっとピストンを続行する。
弥生は突然の事に、ただただ唖然として、
『え?え?え?……あっ、ちょっ、拓也……君
あっ、あっ、あっ、ちょ、っと……待って』
突然現れた勝は、平然とした様子で腰を下ろすと
『ん?ああ大丈夫。俺こいつのこういう現場慣れてるから。
田上さんも気にしないで楽しんでなよ』
『え?そんな、やだ』
『ったく。邪魔だから早く帰れよ。弥生っちも嫌がってんじゃん』
そう言いながらも、楽しそうにピストンを続ける拓也。
『あっ、あっ、あっ、ちょっとやだ……んっ、あっ、本当やだ』
『弥生っちって。馴れ馴れしいなお前。
てか二人ってそういう関係だったんだ。
俺密かに田上さん狙ってたんだけどなー』
と何の抑揚もなく、口にする勝。
『そいつは残念。てかマジで出てけって。
弥生っちマジで嫌がってんじゃん』
ピストンを止めて、真剣な口調でそう言うと、
『わぁかったよ』と億劫そうに腰を上げる勝。
『それにしても、弥生っちって胸でけーんだな』
『や、やだ』
弥生は慌てて片腕で胸元を隠す。
『ははっ。隠れてないよ弥生っち』
『うるせ。早く出てけって。てか慣れ慣れしいぞお前』
『別に良いだろ俺も言っても。
てか弥生っちの身体なんかエロいな。
なんか勃ってきたわ。ちょっと3Pしてみない?』
そう言うと、勝はおもむろにズボンとパンツを一気に下げた。
突然目の前に出された、他人のペニスに弥生は釘付けになる。
『ちょ、汚いもんだすな。マジでさっさと出てけって』
珍しく真剣な口調で咎める拓也に、
『なんだよノリ悪いな〜』
と頭を掻きながら部屋を出て行く勝。
ドアが閉じる音がすると、
拓也がどたどたと玄関の鍵を閉めに行く。
『ごめんな。鍵すんの忘れてたわ。
これで一安心……だけどもう萎えちゃった?』
拓也が戻ってくると、弥生は壁に背を預けて座り、
シーツに包まっている。
『う、ううん。でもビックリしちゃって……』
『あいつにはきつく口止めしとくからさ』
そう言いながら、弥生の隣に腰を掛けると、
ゆっくりと、やさしく彼女の唇を奪い、
そして彼女の上半身に体重を掛けて押し倒す。
しわくちゃになったシーツの下で、
二人の身体がもぞもぞと重なり合う。
『あっ、あっ、あっ、いっ、あっ、たく、や君……』
『ああやべ、すぐいきそ』
『あっ、ん、い、いいよっ、あっあっあっ、拓也君……きてっ』
天井に向かってピンと伸びた弥生の両足がシーツをどかす。
弥生の腰に密着した拓也の腰がビクビクと震える。
『あっ……また、いっぱい……すごい……』
二人はそのまま絶頂の余韻を楽しむように、
抱き合ったまま濃厚なキスを交わし続けると、
『好き、だよ。拓也君』と弥生の口から、
儚い声が漏れた。
ふと気付くと何故か勃起していた。
馬鹿馬鹿しい、と自分を嘲笑う。
こみ上げる吐き気を我慢して、
ただただ無感情に、事実を求めて次々とファイルを開く。
『こないだ弥生っちにマジ告されちゃって、
のらりくらいとかわしていたが、
本当に良い娘なので流石に少し罪悪感があったりなかったり。
とはいえヤリ甲斐のある身体と性格なので、
なんとなく勿体無くて結局ずるずるとセフレ扱い。
弥生っち本人も、その辺のことはわかってるらしく、
俺の返事を追及したりとかはしてこない。
その健気さにちょっと胸が痛む。
でもそういうところに興奮したりもする。
そんな時に先輩に女を紹介してほしいと頼まれた。
先輩の好みを聞いて真っ先に頭に思い浮かんだのは、
当然弥生っちだ。
なんだか押し付けるみたいで先輩と弥生っち
どちらにも悪い気がするが、
実際弥生っちは良い娘で良い女だ。
勿論先輩も大好きだし、心の底から尊敬している。
二人とも好きな人間なので、
くっついて幸せになってくれると俺も嬉しい。
といいつつも弥生っちとセックス三昧。
まぁまだ付き合って無いんだしノーカンでしょ』
ゆっくりと、しかし滑らかな動きで、
拓也の上で腰をグラインドさせる弥生。
その華奢な腰つきで、拓也の下腹部全体を撫でるように、
艶かしく腰を前後させる。
その表情に恥じらいは残っているものの、
腰の動きそのものは、とても慣れたものだ。
その度に、くちゅ、くちゅ、と生生しい音が、
二人の接合部から漏れる。
拓也は舌から持ち上げるよう、その豊かな乳房を愛撫する。
『な?どうだった?良い人だろ?先輩』
『んっ、あ……そ、そう、かも、だけど……あっ、はぁ……ん』
『絶対弥生っちも好きになるって。な?』
拓也はそう言いながら、下から軽く突き上げ始める。
『あっ、そこっ、あっ………んっ、んっ、んっ、あっ、』
『どう思った?先輩』
拓也はマイペースにそう尋ねながら、
同じようにマイペースで突き上げ続ける。
『あっ、あっ、あっ、そこ、あっ、だめ……
あっ、はぁっ……はっ、はっ、んっ』
ゆさゆさと、緩やかに、弥生の華奢な身体が縦に揺れる。
もはや自分で腰を振る余裕は無いようで、
拓也の突き上げに身を任せている。
潤んだ瞳で人差し指の腹を軽く噛み、
甘い吐息を吐き続けるその姿は妖艶そのものだ。
『あっ、あっ、あっ、あっ、あっ…………
や、優しそう、あんっ、あ、やんっ……
な人、だと……思った、よ?……あっあっあっ、あっ、いい』
『いい?これ?』
拓也は彼女の乳房から手を離すと、
彼女の腰を掴み、突き上げを強くする。
彼の手から解放された、白く、
そしてどれだけ揺れても形が崩れない。
幼い顔つきと小柄な体躯に似合わないその大きな双丘は、
見るもの全てに背徳感を抱かせる。
『あんっ!あっ、そ、それ、あっ……いぃ……
あっあっあっ、いっ、あっ、あっ、いいっ、あっあっ』
『気に入ってくれた?』
『え?あっあっ、んっあっ……こ、これ?
やっ、あっ……ん、うん……き、気持、ち良い……よ?』
『いや先輩』
『あっ、やぁっ……あんっ!あんっ!あんっ!
あっ、そんな……あっ、わか……ない……あぁっ!あっ!あ!』
弥生はくっと喉を大きく反らせ、
拓也に貫かれたまま、びくびくと身体を振るわせると、
息を荒げたまま、拓也の上半身に倒れこんだ。
『はぁ……はぁ……』
その頭を撫でながら、
『な?先輩良い人だろ?』と馬鹿の一つ憶えに、
弥生の耳元で囁く。
『はっ、はっ、はっ……ん、んん』
拓也はふ、と微笑むと、枕元にある携帯を取り出す。
弥生は絶頂の余韻に浸りながら、
それを恍惚の表情で、ただぼうっと見ていた。
『そういや先輩、弥生っちには電話したんですか?
番号はこないだ交換してましたよね?』
自分と繋がったまま、誰かと電話している拓也を、
弥生はどこか不満を持った表情で見つめる。
『いや一応サークルではずっと一緒だったわけですし……ってそんな事はどうでもよくて』
まるで玩具を取り上げられた子猫のようだ。
『そうなんすか?だったら良いですけど。
弥生っち、先輩の事気に入ったって言ってましたよ』
その通話の相手が誰かは、当然察しはついてたいたが、
部会をさぼってまで過ごしている、拓也との甘い昼下がりの情事は、
何ものにも変えがたい快感に彼女を溺れさせた。
「結構年上が好きっぽいみたいです」
餌をついばむ小鳥のように、会話中の拓也にキスを繰り返す弥生。
鬱陶しがられても、首筋や胸板への愛撫に切り替える。
「いえいえ。お仕事お疲れ様です」
彼が電話を終えるころには、絶頂による膣内のくすぐったさも消え、
自ら再びグラインドを再開させる。
彼女の奥底の、最も熱く、最も柔らかい部分で、
彼の性器を独り占めするように抱擁する。
拓也が電話を切ると、すぐに今度は彼女の携帯が着信を知らせる。
『あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!』
しかし彼女には、もうそんな事を気にする余裕は無い。
数日前に初めて会っただけの人なのに、
どこか胸が痛むような罪悪感を抱くのは、
脳裏に浮かぶその人の顔が、
とても優しげだったからかもしれない。
『あっ!いっ!いいっ!あっだめっ!拓也君っ!拓也君っ!
あんっ!あんっ!あんっ!ああっ!』
でも今は、自分が昇りつめることと、
目の前の想いを寄せる男性を射精に導くことしか頭に無い。
『ああっ!いいっ!あっ!いくっ!あっ!いく!
あっあっあっあっ!……あっ、いっ!いくっ!!!』
自らも絶頂の快感に震えながらも、
拓也の精液を搾り取るように、
ゆっくり、ゆっくりと腰を振り続ける。
同時に果てる事が出来た相手を、
どこまでも愛おしそうに、ぎゅっ、ぎゅっ、
っと腰を押し当てるように、
二度、三度と射精を受け入れていく。
自分でも触れた事の無い、
最も深い部分を、
熱く染められていく感覚に陶酔しながらも、
携帯の着信先に、どんな言い訳を返そうかなんてことを、
彼女はぼんやりと頭の片隅で考えていた。
『ようやく先輩が弥生っちに告った。
なんとか恋のキューピッド完了。
最後まで弥生っちは迷ってたみたいだけど、
なんとか押しに押してミッション成功。
まぁ実際先輩に惹かれ始めてたのも本当みたいなので、
これで全てが丸く収まって大団円。
弥生っちはセフレとして一級品だったので、
失うのは少し勿体無い気がするが、
それ以上に先輩が幸せになってくれるなら俺も本望だ。
とはいえ俺も男。
最後の泣きの一発を敢行。
先輩には悪いと思いつつも、
むしろ本当に心の底から尊敬している先輩の彼女だからこそ、
興奮するっていうのもあった。
でも弥生っちが言ってたように、
こういうのはこれで最後にしよう。
マジ先輩にも悪いし』
蛍光灯が爛々と光る様子から、それは日が落ちた時間と推測できる。
いつもと同じ部屋の映像。
いつもと同じ二人がベッドに肩を並んで腰掛けている。
ただ違うのは、珍しく二人とも服を着ている、ということだ。
拓也は彼女の灰色のマフラーをそっと外すと、
『な?絶対先輩だったら幸せにしてくれるって』
『……う、うん』
『弥生っちも先輩良いなって思ってんだろ?』
無言でこくりと頷く弥生。
ぱぁっと顔を輝かせると、
拓也はまるで押し売りセールスのように、
彼女の携帯電話を半ば強引に渡す。
その電話を、どこか寂しげな表情で見つめると、
大きく息を吐き、そして
『あの、あれからずっと考えたんですけど。
その、あの、えと……よろしくお願いします』
と電話を掛けた。
その様子を拓也は、隣でにこにこと楽しそうに眺めていた。
弥生は電話を切ると、ふぅと一息ついた。
それにはどこか、重荷を外した晴れやかな気持ちも見え隠れする。
拓也は彼女の肩を叩き、
『先輩と幸せにな』と、穏やかに祝福した。
弥生はどこか引きつった表情で、
『……う、うん』と答えると、
すっと立ち上がり、
『じゃあね。拓也君。さよなら。今までごめんね』
と一言残すと、わざと気丈に振舞っているかのような、
少し大袈裟な凛とした足取りで、部屋を出て行こうとした。
その後姿を見た拓也は、すっと彼女の手を掴んで引いた。
その行動に自分でもビックリしているみたいだ。
拓也の膝の上に倒れるように腰を下ろす弥生。
それを受け止めた拓也。
二人とも何も喋らない。
拓也の膝の上で、彼の腕の中に包み込まれる弥生。
重苦しい無言が続く。
それを破るかのように、
拓也が弥生の顎を掴み、そして引き寄せる。
弥生はそれを首を捻った避けると、
『……駄目……だよ』
と弱弱しく答えた。
拓也はもう一度、引き寄せると、
彼女も今度は無抵抗で、唇を重ねた。
おそらくは、彼女が彼から受けた今までで、
一番優しいキスだっただろう。
『あたし……勇樹さんの、彼女だよ?』
その声は、もはや泣きそうだ。
拓也は、無言でそのまま彼女を押し倒して、部屋の電気を消した。
真っ暗な映像の中、激しく衣服が刷れる音の後、
まずは卑猥な水音が聞こえる。
それは女が男を口で慰める音。
それは女が最も柔らかい部分で、
男の最も堅い部分を受け入れる音。
そして男と女の身体が、交じりあう音が聞こえ出し、
それはそれほど時間が掛からず、
男と女が求め合う音に変わっていった。
『あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!……んっ、はぁっ、
……拓也君!拓也君!……あっ、やっ!あっあっぁつ!』
その声は今まで一番甘く、そして切ない声だった。
『ああっ!そこっ!あっ!あっ!だめっ!あっあっあんっあ!
好きっ!あっ!あんっ!ねぇっ、あっあっ!好き、なの』
やがて女のその声は嗚咽交じりになりつつも、
しかし拓也の返答は一切聞こえてこない。
それでも弥生は、拓也の名前を呼び続けた。
二人が同時に絶頂に果てるまで。
拓也が弥生の中で、自分勝手な欲望を放出している間も、
ずっと彼女は彼の名前を呼び続けた。
しかし結局拓也は、その呼びかけには答えなかった。
弥生はひとしきり鼻を啜ると、まるで誰かと競争しているかのように、
服を着て、そして脱兎のごとく、部屋を飛び出した。
その際、まるで消え入りそうな声で、
『……もう、これで最後、だから』と言い残していたのは、
ベッドの上で、彼女の陰部からシーツに垂れた自分の精液を
吹いている拓也の耳に、なんとか届いてはいた。
ドアが閉まる音がすると、拓也はふぅ、と大きく息を吐いて、
『やっぱり知り合いの彼女は興奮するなぁ。ああやばかった。
でも他でも無い先輩のだしな。マジでもうやめとこ。
つうか、うう。流石にちょい罪悪感』
と身震いしながら言うと、携帯を取り出し、
『おめでとーございまーっす!』
と通話先の相手に、陽気な声で祝福を伝えた。
気がつくと、俺は外に飛び出していた。
ここは何処だっけ?
うっすらと見覚えのある河川敷。
気がつけば息が切れている。
動悸もやばい。
最近運動不足だったから。
このまま死ねたら良いのに。
そんな事をふと考えて、馬鹿馬鹿しいと笑う。
土手に倒れこむ。
陽はすっかり落ちている。
あの子はバイト終わっただろうか。
あの子?
あの子って誰だろう。
目を瞑ると、無垢で、小動物のような愛らしい、
年下の彼女の笑顔が思い浮かぶ。
それは直ぐに、後輩に良いように喘がされた女の、
熱っぽい顔に変わる。
閉じた目から、涙が零れる。
携帯が鳴る。
多分、拓也だろう。
電話に出ると、
「どこ行ったんすか?勝手に帰るとか酷いっすよ」
とか馬鹿みたいなテンションで言われるんだろう。
そうだ、ここに呼び出そう。
とりあえず一発殴ろう。
それで許せるかはわからない。
誰を?
あいつを?
彼女を?
それとも間抜けな俺を?
わからない。
でも許したいと思ってる。
誰を?
わからない。
でも、少なくとも、彼女とは、
まだあの喫茶店で食べてないお薦めのメニューがあるんだ。
そう思いながら、俺は携帯の通話ボタンを押した。
終わり。
おまけ
バイトが終わって、ずっと立ちっぱなしだった足はもうくたくた。
早く家に帰って、お風呂に入ってくつろぎたい。
でもその前に、勇樹君に電話もしたい。
メールでも良いけど、やっぱりどうせならちゃんと声を聞きたい。
何気に勇樹君の、一番好きなところだったりする。
今日は確か、あの人の部屋に遊びに行くといっていた。
正直良い気分はしない。
するはずもない。
でも、過去は変える事は出来ない。
遠藤勇樹君。
今一番大切な人。
人生で最初の彼氏。
引っ込み事案な性格なうえ、
ずっと女子校ということもあって、
人生最初の彼氏。
正直第一印象とかは憶えていない。
その時は別に好きな人がいたから。
しかもその人に紹介されて、
「なんで?」って戸惑ってすらいたから。
でも、優しい人、と感じたことはなんとなく憶えている。
その昔好きだった人からは、結局遊ばれただけだった。
途中から、ううん。最初からわかってた。
でも恋愛の経験とか少なくて、
大学性になって周りの世界も広がって、
浮ついていたあたしは結局流されるだけだった。
だからだろうか。
誠実に、愛を育もうとしてくれる勇樹君が、
いつの間にか本当に好きになっていった。
それでも付き合って初日に突然押し倒された時は、
やっぱり少し怖かったけど、
それでも、昔の事は、綺麗さっぱり忘れたかったし、
実際勇樹君は優しかったから、あたしは彼を受け入れた。
これからは、未来の事だけを考えていきたい。
でも、それは中々難しいことだった。
すっかり陽が暮れた歓楽街。
普段はこんなところ通らない。
勇樹君とだって、まだ来た事がない。
なのに、あたしは、付き合ってもいない男の人と、
今まさに、ラブホテルに入ろうとしている。
「弥生っち、どの部屋が良い?」
たいして喋ったことも無いのに、
馴れ馴れしくそう呼んでくる。
あたしと拓也君の過去と、
そして勇樹君の現在を知っている人。
大きな身体と、怖い顔つき。
横暴な態度。
全てが、勇樹君の正反対。
あたしの苦手な、男の人。
『黙っててやるから、一回。な?』
突然バイト先にきて、そう言われたあたしは、
一体どうすれば良いのかわからなかった。
怖かった。
情けなかった。
でも、一回だけ。
その言葉を拠り所にして、
あたしは、勝君と、ラブホテルの一室に入った。
浮気じゃない。
そう自分に言い聞かせる。
実際そんな気は毛頭無い。
でも、ちくちくと胸が痛む。
部屋に入るやいなや、シャワーを浴びる暇もなく、
ぐいっと乱暴に引き寄せられ、キスをされた。
抵抗しても、無駄だと悟り、
せめて無反応でいようと決める。
タバコの匂いが癪に障る。
まるで人形のように、服を剥ぎ取られていく。
「お。やっぱり弥生っち胸でけえ。ロリ巨乳だな」
雰囲気どころか、デリカシーの欠片もない台詞。
下品な笑い方だな、と嫌悪感を抱く。
その相手に、好き勝手弄くられる自分の身体。
小さな身長も、それに不釣合いな大きな胸も、好きじゃない。
でも、どうなってもいいなんて思えない。
あたしが苦痛を受けるのは良い。
でも、勇樹君に悪い、と思ってしまう。
ごめんなさい。
鼻息を荒くして、勝君も全裸になる。
固太りな筋肉質で、あたしにとっては威圧感しか感じられない。
つい目を背けたくなるほどに、大きく勃起したペニス。
『あの時』も強引に見せ付けられたけど、
脳裏に焼きつくほどに、大きい。
怖い、とすら感じる。
根元から太く、なのに先端はさらに太い。
カリ、というだっけ。
びきびきと音が聞こえそうなくらい、
血管を浮き立たせ、ぐいっと上を向いて勃起している。
見てるだけで、頭がかぁっと熱くなるのは、
嫌悪感のせいだと思いたい。
「フェラしてよ」
あたしはなるべく相手を刺激しないように、
無言で小さく首を横に振った。
幸い気を悪くした様子も無い。
「なんだよ、した事ないのかよ?」
唇を押し付けられながら、ベッドの上に押し倒される。
舌を入れてこようとするが、
必死に抵抗する。
今更馬鹿馬鹿しいとは思うけど、
目を瞑れば鮮明に浮かぶ、
恋人のことを思えば、
それくらいの矜持は守りたい。
指で陰部を弄られる。
「ぐちゅぐちょじゃん。弥生っち濡れやすいのな」
顔が一瞬で真っ赤になる。
そんなはずはないと思った。
こんながさつで、愛情の欠片もない愛撫で感じるはずがない。
きっと身体が自分を守ろうと、
勝手に反応してしまっているだけに違いない。
そう思っていたら、視界に大きな勝君のペニスがまた映る。
その瞬間、下腹部が、きゅんと疼いたのは気がつかない振りをした。
そのまま挿入してこようとする。
あたしは勇気を振り絞って、
「……あ、あの……ゴム……」と、
吹けば飛ぶような声を出した。
勝君は舌打ちをすると、渋々と着けてくれた
あの人もそうだった。
なんで男の人は、リスクも考えずに生でしたがるんだろう。
その点、勇樹君は自分から着けてくれた。
愛撫も、セックスも、あたしを気遣ってくれている。
大切にされている。
そう思うと、あたしの心は温かくなる。
薄緑色の避妊具を纏った大きなペニスが、
あたしのあそこにあてがわれる。
目を逸らしたくなる光景。
あんなの、挿入るんだろうか?
好きな人の事を考える。
そうだ。
来週のデートの事を考えよう。
そうすれば、あっという間に時間はすぎる。
大きな肉塊が、あたしを押しやって、入ってくる。
あたしの奥まで。
それはとても堅くて、とても抵抗が出来ない。
「……うそ」
ついそんな声が漏れる。
誰にも、勇樹君にも触れられた事が無い場所まで、
勝君に入ってこられた。
不思議と痛みは無い。
でもすごい圧迫感で、
お腹が膨らんでるんじゃないかって思うくらい。
最初は流石に、ゆっくりと動いてきた。
でもすぐに、そのピストンは乱暴なものになった
あたしは、耳を覆いたくなる。
「あっ!あっ!あっ!あんっ!あっ!あっ」
まるでお腹の底から、無理矢理ひり出されるかのような声。
「結構声でかいじゃん」
あたしの上に圧し掛かり、いやらしい笑みを浮かべて、
そう言われる屈辱も、すぐにどうでもよくなった。
「あんっ!あんっ!あっ!あっ!すごっ!あっ!ああっ!」
突かれる度に、身体の芯から、じんじんと痺れる感覚。
圧し掛かってくる彼に、自らキスをこう。
舌を出してきた。
嫌だ。
そう思っているはずなのに、
あたしの身体は勝手に舌をまるで犬みたいに出して、
そしてそれが無いと生きていけないみたいに、
勝君の舌と唾液を絡めあっていた。
「あんっ!あっ!いっ!あっ!ああっ!やだっ!あっ!
……やだ……こんなの、初めて……あっあっあっん!」
言いたくもない台詞が、勝手に口から漏れる。
ペニスを抜かれる。
大きな喪失感。
ぽっかりと、お腹に穴が空いたみたい。
よつんばいにされる。
ぴちぴちと音が聞こえる。
後ろを振り向くと、ゴムを取っていた。
もうどうでもいい。
勝君と目が合ったけど、咎めない。
そのまま早く、挿入てほしい、と思ってしまった自分に腹が立つ。
生の、そのまま勝君が入ってくる。
大きくて、力強い、ペニス。
その瞬間、ずっと頭に思い描いていた、
来週のデートプランは霧消してしまった。
勝君の大きなカリが抜き差しする度に、
あたしの中のものを、全部掻きだしてしまう。
「あんっ!あんっ!あんっ!あっ、すごいっ!
ああっ、すごいおくあたるっ!あっあっあっ!」
「奥好きか?なぁ?」
「あっあっあっあっ!わかんない!あんっ!あんっ!
あっだめっ!いくっ!あっ!いくっ!
やだっ、おっきいっ!
ああもうだめっ!やだっ!やだっ!やだっ!」
激しいピストン。
ばらばらになりそう。
でも、嫌じゃない。
嫌なのに、嫌じゃない。
もうわからない。
自分がわからない。
「いいか?でかいちんこ良いか?」
「やっ、やだっ、はっ、はぁっ、あっあっ」
「ほらちゃんと言え!」
「あっ、あっ、あっ、いっ、いいっ……いいの!
おちんちん……いいっ、あんっ!んっ!んっ!
おっきいの……きもちいいっ!あっあっ!
……あぁだめ……いく!いくいくいくいくっ!」
あたしの中をもう無理ってくらい広げていた勝君のペニスは、
さらに膨張を続け、そして中で爆発した。
奥底で、何か熱いものが、どくどくと注がれるのをはっきりと感じる。
びくびくと、逞しいペニスが蠢いている。
あたしはいつの間にか、自分から腰を振っていた。
いつだったか、あの人にもそうしていたように。
だらしなく開いた口からは涎が垂れていた。
みっともなくて、泣きそうになる。
でも口は閉じることが出来ない。
びくびくと、まだあたしの中で、射精している。
びゅ、びゅっとあたしの奥を精液で叩かれる度、
頭の中が白くなる。
いつの間にか、勝君はあたしの中から離れていて、
でもその顔は目の前にあった。
あたしはふらふらと、自分からキスをした。
何度も、何度も、勇樹君とするみたいに、
ちゅっ、ちゅっ、と大好きな人にするように。
そして太い首、厚い胸板、毛深いへそと順番に口づけしながら、
柔らかくなったけど、それでもやはり大きい彼のペニスを、
誰に言われるでもないのに、
自分から口に含んだ。
きっと、もう一度してほしい、と自分からおねだりするんだろうな。
色々な言い訳を考えながら、
また勝君とセックスをするんだろうなと、
ぐちゃぐちゃになった頭の中で、
股から垂れてくる熱い精子を太股で感じながら、そう思った。
終わり
・葉桜舞い散る季節に
・花本さん家の香織さんは言い訳上手
・賢者の贈り物
・彼女の過去と、そして未来
・ずっと好きだった?
・瞳の奥で
Comments
なんか違うわ
ついでに後書きですが、正直自信あった前作の評価が芳しくなかったので、最近は迷走中だったります。
寝取られモノは展開や設定に凝りだすと「なんだかなぁ」と思う作品が多いので、出来るだけ王道スタイルでいきたいなとは思っているんですが、今作のは正確には寝取られじゃなくないか?と指摘される事もあるかと思います。
ただ個人的には好きな女の子が他の男とやってたら悔しくて興奮できる、という性癖を持ってるだけなので、その辺りは少しだけ開き直って片思いものや寝取らせものも今後(投稿ペースは落ちると思いますが)書いていきたいなと思ってます。
また宜しければご感想お聞かせください。
読んでくださった方や、管理人様、ありがとうございました。
あと彼女の胸の内とかキャラの掘り下げがあんまりないからか、イメージが沸かないというか
ヒロインとしてちょっと弱い気がした
相変わらずエロ描写が超上手いな。それだけで腹いっぱい
おまけ以外は俺は良かった。後輩も好きなキャラだったよ。
ただおまけのとってつけた感っていうか駆け足っぷりがひどいと思った。
そのせいでマジカルチンポが際立ちすぎててへんな感じ
ヒロインの魅力が大幅に減してしまった感じ
前作のおまけはありかなと思ったけど、
今作はどうかなっていう印象wしかし十分興奮した^^
基本的にはNTRで巨乳で長文なら後は作者に任せる!
オレはおまけが一番良かったけど
やっぱ寝取り男はクズじゃないとw
本編は好きだよ、俺。今までの奴も含めて
最初からこの男が主役だったら別に何とも思わないけどw
おまけ不評みたいだけど本編だけだとヒロインは後輩に言われるがままにって感じで結局主人公に恋愛感情持ってないように見えちゃうから
おまけで後輩のこと吹っ切ってちゃんと主人公だけを見てるのが分かってその上で巨根に即落ちしちゃう展開は本編よりも寝取られ感を感じた
しかも主人公がその事を知りそれでも許そうとしたその日に
だったのにおまけで彼女一回で完全に落ちててワロタ
先が読めちゃったってのもあるし、主人公と付き合う過去の出来事だから、実際には寝取られじゃないってのもあるのかな。
PCを覗いている描写で、急に一人称から神視点や弥生視点が混ざるのも不自然かな。
でも全体的には良かったです。
また次回作を期待しています。
その調子でどんどん書いてください
批判、文句あるだろうけど素晴らしい出来なので気にせず
これからもお話作ってください
楽しみにしています
最後の相手は後輩のままで良かったんじゃないかとも思う。
コンパクトにまとまりつつキャラも立ってる
常に巨乳なのがいいですなw
作者の好みかなw
感想としては抜けそうで抜けないってのにちょっと同意かなぁ。
ヒロインは本編だと魅力的で可愛いと思う。
ただ『他人のお下がりだったことに気づいた』感が強くて
『自分の大切なものを横取りされた』って部分は弱かったかも
話し的にはオマケの勝は不要でしょうね。オマケのような話が作者さん的には好みなんだろうけど。
この話はこっからか面白いはずなんよね。
彼女が知人のセフレをしてたって事実を知って騎士道精神を発揮して受け入れるが、結局、どこかでわたがまってしまう心情とか。
現彼氏が優しいし一番大事にしてくれると分かっていながらも、元々、好きだった人を吹っ切れずに、誘われたら、つい会いに行ってしまうとか。
そういうグダグダが案外読ませて面白いと思うんだけどな〜。
創作だってわかってますけど、ある程度はありそうな話じゃないと入り込めない。
女性キャラが男に都合よすぎるのは男にとって理想だけど、現実はそうじゃないわけで、作者さんがエロにこだわるあまり、しばしば、その辺りをないがしろにしてるのが物足りなさの原因だと思ってます。
今回のはその欠点が結構克服されてて良かった。次が待ち遠しいです。
セフレ扱いだと、結局その程度の女なのかな…って、ヒロインの魅力が格下げされちゃうデメリットもあるので…。
ビッチ巨乳ヒロインとマジカルチンポ屑男。エロだけ秀逸。
ただ、アフターを本編に組み込んで勝を出さなければ、全体的にスッキリしたかもしれない。
ぶっちゃけ、抜く目的なんだしそこまでのストーリーは
脳内保管でイケますよ。
でも前作不評だったのって、最後の部分がダイジェスト風になったのに対する
不満が多かっただけじゃないかな。
むしろ前作だけ少しそれまでのリアル路線と離れて、コミックとかアニメ的な
キャラクター要素などを取り入れた感じがあって、個人的には一番好きだ。
なんにせよあんまりコメントでの評価は気にしすぎない方がいいかと。
彼氏の個性・感情、どの作品もいい人・優しい人で怒らないこれどうなんだろ?
ちゃんと感情をだしてぶつかり合い無いと駄目なんじゃないか。
物語の王道とかも大事だけどキャラに感情が無いように感じんだよなぁ
最後のは、ああいうキャラが過去の男関係ばらすって言われただけでホイホイ身体許して、アンアンあえぐのは無理があるかな〜。こういう展開なら丁寧な前談は不要かな。
だから、同じ即落ちの前作は長過ぎる前談ゆえに不評で、やはり即落ちだけど前振り少なくエロメインの上司課長寝とりは比較的好評だったのでは?
托卵っていうか托セフレか
一つ面白いなと思った批評があったので、それに対して私見を述べたいと思います。
>彼氏の個性・感情、どの作品もいい人・優しい人で怒らないこれどうなんだろ?
これは意識してるわけでは無かったです。言われるまで気付きませんでした。
よくよく考えると、商業作品などでも寝取られた事に怒り、制裁に動くキャラってあまり見た事が無い気がします。
やはり敗北感とマゾヒズムが関係してくるんでしょうか。
個人的な見解としては、寝取られを性的興奮とは別で、ストーリーとして楽しんでいるか、それとも単純に抜きの手段としか捉えていないかの違いかと思います。
自分は断然後者です。
『寝取られる過程』で抜きたいだけのオナニーマシーンです。
なので『寝取られた後』というのは本当の意味で、自分の作品にとっておまけなんだと思います。したがって、寝取られた後で主人公が怒って修羅場になろうが、許して大団円になろうが、ストーリーを書いてる自分ですら、興味が全く持てず、いつもこういう着陸になるんだと自己分析しました。
あと今回がいつにも増して終盤が性急というコメントを数多く頂きましたが、仰るとおりだと思います。そもそも今回のは、やはり掲載に値するレベルではなかったと自分でも思っています。
次回作は反省を活かし、前振りはそこそこに、寝取られる過程をじっくりと、という点を意識して書きたいと思います。
とりあえず今回は間男の後輩が良かった。引き際があっさりしてるのがリアルだった。
やっぱヒロインは強気系で寝取り男を嫌ってるのに・・・というのがたまらない。
今回はヒロインが可愛いけど、ヒロイン視点がないから薄っぺらいってのは確かに感じたね。んでとってつけたって言われてるおまけだけど、彼女視点の補完にはなってて「嫌なのに・・・感じちゃうビクンビクン」って描写があってよかった。これが寝取られの醍醐味だと思う。ただマジカルチンポ過ぎたwwww
設定は変わってもだいたいいつもと同じような話だよな
たしかにエロ描写はうまくなってるとはおもうけど
ただそれだけってかんじなんだよなぁ
今後の創作に活かしたいので、具体的にどういう部分が「パターン」になっているかを教えていただきたいです。
個人的には今作と『彼女の過去と、そして未来』は似てると言われても仕方無いと思うのですが、その他の話とはそれなりに差別化できてると思ってるのですが・・・(全部マジカルチンポじゃねーか!という意味ならその通りですが(笑))
批判もあるかもしれないが言わせてもらう
といってもパターンっていったのは話の構成ではなく
登場人物のことなんだ
基本股と頭が緩いヒロイン
誠意を感じられない間男
感情が欠乏しているかのような主人公
多少いじっているとはいえ基本この設定なんだよ
なんで間男はヒロインに本気にならないのか
なんでいつも主人公は蚊帳の外なのか
それがいつも気になる
たまには真実を知って復讐に燃える主人公がいたっていいし
間男がヒロインの体だけではなく心も本気で落としにくるでもいい
そういった話を読んでみたいと思う
浮気が露見してからの展開も見てみたいね
取り戻そうとする主人公や、そんな主人公を見て悔い改めてやり直そうとするけど誘惑に抗えないヒロインの葛藤とか
特にヒロインがバレてないから隠し通せば何も失わない、誰も傷付かないって思ってる時と、バレてしまったのにまたやってる時の心情の差って俺は好きなんだよねー
自分の入れたいシチュのためにキャラがあるのでキャラの人格が感じられない。
間男が高性能バイブみたいなチンコマシーンで人間味がなくて不気味。この人は人生の何が楽しくて行きてるんだろ?と思う。
言ってもしゃーないがセックスばっかりしてたら幸せってわけではない。皆、それなりの生活がある。
抜き目的のショートストーリで日常の生活感を滲ませるほどのキャラクターを確立させるなんて筒井康隆でも無理だろw
そんな寝取られ漫画なりエロげーでもあったら教えてほしいわw
どうしたってそこに焦点を当てた人物紹介になるのは仕方ないし、人間味や人格云々も、自分の読解力の無さを棚に上げて言いがかりをつけてるだけにしか思えん。
いや、そんなに難しいことを言ってるわけじゃない。
不倫や浮気ってバレリスクはあるわけだから普通はもっとコソコソするし、引き際があるはずなんだけど、危機感全くなく托卵や妊娠まで突っ走る話が幾つかある。
で、上の方の指摘がなるほどな〜と思ったわけだが、ここまで無茶するならヒロインに間男が本気になっても良さそう。本気になったからリスク云々見えてないってのは有りそう。逆に間男に惚れたなら主人公と別れる選択肢がでそうなもんなのに全く念頭に無いヒロインは頭と股がゆる過ぎる。んで、それに気付かない主人公の鈍さと空気のような存在感の薄さってとこか。
シチュにこだわるあまり、寝取りのエロに入ったあたりから、前振りしてきたキャラが死んじゃって人間味が無くなるなぁって話です。何気にキャラ立てのための前振りが好きなので勿体無いと思ってる。
>基本股と頭が緩いヒロイン
>なんでいつも主人公は蚊帳の外なのか
この二つに関しては、物語の展開上の問題です。
話を作る上での制約と言っても良いと思います。
股と頭がある程度緩くないとレイプや脅迫でしか展開出来ませんし、
主人公が介入すると、そこで話が終わってしまいます。
そういった設定や展開は他の寝取られ創作でも数多く見られますが、
それは結局のところ、『抜きを目的とした寝取られ作品』を創作する上では、
あれ程度はそうならざるを得ない部分があるんだと、
自分が話を書くようになってから痛感しました。
復讐の有無については単純に嗜好の問題です。
個人的には有ると萎える展開なので、今後も書くことは無いと思います。
勿論そういう展開が好きな方の嗜好を否定しているわけではありません。
最後に間男の性質に関してですが、これは確かに偏りがありました。
屑に寝取られた方が悔しくて良い感じに欝勃起できるからなんですが、
ただしこれについては次回作では変化があるので、
また宜しければ読んでみてください。
>浮気が露見してからの展開も見てみたいね
浮気が露見された後もまたやっちゃうのは、いくらビッチ好きな自分でも、
もう魅力を感じなくなってしてしまいます。(=そこで話も終わりです。抜き目的のSSですから)
だからこそ、出来るだけ主人公を介入させたくないというのもあるのですが。
>引き際があるはずなんだけど、危機感全くなく托卵や妊娠まで突っ走る話が幾つかある。
一応作者としては、コソコソしたり危機感持ったりする描写は入れてるつもりなんですが、
それが伝わってないということは、それが自分の表現力や文章力の限界なんだと思います。
まぁその辺りは、所詮素人が書いてる無料で読めるSSだしな、と溜飲を下げてもらえれば幸いです(笑)
ヒロインの頭が緩いのと、主人公が薄いのも上記で理由です。
様々なご意見、有り難うございました。
コソコソシチュは香織さんが結構良かったです
これで、彼女が壊れてなければ…
前作はクズ男とエロで始まった嘘の恋人ごっこが、
セックスの関係だけで留まらなくてなくて、大学生活や
日常でも、段々と親しくなってきてる展開が他の友人から
伝えられて、日本に帰ってきた彼氏がそこでヒロインに
フラれるって展開だったら悶絶してたかも(笑)
俺はこれ大好物だな
爽快感のある復讐話とか、ヒロインが懲りずに浮気しちゃうとかじゃなくてもさ
ヒロインと再構築しようと歩み寄るんだけど間男の影がちらついて、でもだからこそ燃える部分もあって一層葛藤しちゃうみたいな地味な展開が結構好き
いろいろ意見がありますが、最後まで読め、中身について一家言をぶつけているのですから、
良く書けていると褒められる段階はとうに越し、普通に読める文章書きを相手にした意見になってしまっています。
意見は参考にはしていただいてもいいのですが、力量的には自分の好きなものを好きなようにブレ無く書いていただければ、好みはあれど充分良作になると思われます。
あれこれ考えすぎたり卑下なさったりして、筆が重くなり過ぎないよう、自分への負荷をご勘案いただければと思います。
今でも充分使えるし、寝取られる過程が一番おいしいと好みも一致していますので、これからも期待しています。
・主人公はヘタレあるいは超絶ニブい
・なんだかんだ言ってもヒロインは割とビッチ
構造上この2点に縛られてしまうっていうのは凄く共感できるw
エロゲなんかでは一人称視点の転換とか過去エピソードの挿入とかで整合性をつけようとするけど、
そこそこリアル路線で行こうとする場合はそういうの盛れば盛るほど嘘くさくなっていくんだよねえ
やっぱり結局は文章力がものを言うってことなんだろうけど。
寝取られたら結果的にビッチになっちゃうのが悲しいところよな
100人が100人とも満足するNTRモノなんて存在しないと思いますよ
意見を参考にするのはとても良いことだと思いますが、色々と聞いた上で結果的に自分がエロいと思う展開を好きなように書くのが一番大事なことではないでしょうか
というわけで、次も期待して待ってます
例えば、間男を外国人(白人)にすることで非日常な感じがでて良いのではないでしょうか?
白人のマジカルチンポは定石ですし、ヒロインが初めて外国人とセックスする(堕ちる)過程を作者さんに描いて欲しいです。
白人との出会い、寝取られ過程は作者さんにお任せします。
できれば、ヒロインを外国人に興味のない性に淡白だったという設定にしてくれたら嬉しいです。
完全な個人的な好みの展開なのですが(笑)
俺的には拓也のキャラ(イケメン間男)でおまけの展開(マジカルちんぽ)をして欲しかったかも。
おまけが抜けたからこれが拓也だとよかったのにな〜という印象だった
次作を、どうか、どうか、お願いします♪
あんな感じの雰囲気の長編をいつかまたお目にかかりたいです
長い分入りやすかったし、ぐいってきました!
ただ落ち切ったときの文の心情があるともっとよかったです!
二番目は彼女の過去と、そして未来で林のゲスっぷりがすばらしかったです。
強いて言えばおまけで弥生っちが連れ込まれるまでの展開のあっさり感と、その後の堕ちの早さがマイナスか。
弥生っちの成長を踏まえた懊悩や後悔、背徳感をもっと長くねちっこく描いても良かった。