「旦那さん?」
菊池君の声を無視して、ベッドの淵に座ったまま、ぽちぽちと返事を書く。
『わかった。気をつけて帰ってきてね。迎えが必要ならまた言って』
送信ボタンを押すと、床に脱ぎ散らかした下着に手を伸ばす。
ブラを着けていると、
「ねー?」
と後ろから抱きしめられた。
「関係ないでしょ」
「うわ。つめた」
そう言いながら、彼は胸元に手を伸ばし、
そして少し雑に、乳房を揉んでくる。
今更、抵抗する気にもなれない。
「旦那さんでしょ?もしかして残業とか?」
あたしは一瞬躊躇ったが、
「違う。すぐに帰るって」
と嘘をついた。

本当の事を言えば、
『じゃあもっと一緒にいれるね?』
と要求されるのは目に見えている。
そしてそれを断る自信は、無い。
「なんだ。残念」
そう言いながら、胸を両手で、
柔らかさを確かめるように揉み続けながら、
首筋に唇を這わせてきた。
「本当おっきいね。これ何カップ?」
耳元で囁かれる、下品極まりない質問。
でも不思議と不快でないのは、
彼の持つ愛くるしさ故だろうか。
「知らない」
距離を置くように、事務的に答える。
せめてもの、矜持。

あたしは彼を振りほどくようにゆっくりと立ち上がると、
衣服を着け、そして荷物を持った。
「これは?」
そう口にする菊池君の手には、DVD。
一瞬顔が、かぁっと熱くなる。
視線を伏せて、
「要らない」と力なく呟く。

とにかく部屋を出ようと靴を履いていると、
「傘貸そうか?」と背後から声。
その気遣いはともかく、
もう完全にタメ口だ。
Hの途中からそうだった。
何回戦目の時かはわからないけど。
一回抱いたら、自分の女とでも思ってるんだろうか。
「要らない。走って帰るから」
「いやでも……」
「いいの。どうせ少しは濡れるだろうし。じゃ」
菊池君の言葉を遮るように、早口で捲くし立てると、
素早くドアを後ろ手に締めた。
眼前には、まるでバケツをひっくり返したかのような雨。
数秒ドアの前に立ち尽くしたのは、
そこに飛び込むのに躊躇いがあったわけじゃない。
むしろ、有り難かった。
洗い流してほしかった。
汚れた、と思った。
彼に汚されたのではない。
自分で、自分を、望んで汚してしまった。

少し痛いくらいの雨粒。
でも気にならない。
丁度良い。
これであたしの罪が洗い流される、なんて微塵も思っていないけれど、
それでも、とてもじゃないが、こんな気分のままで、
綺麗な夕日の街を歩くことは不可能だったろう。
とても自分が惨め。
自業自得。

『こんな展開を、望んでたんでしょ?』

その言葉が、胸に突き刺さる。
その痛みに耐え切れず、その場にしゃがみ込む。
叩きつけるような雨の中で、
あたしはただ嗚咽を漏らした。



「ただいまー。いや酷い雨だったよ」
玄関で靴を脱ぎながら、大きめの声量でそう口にする。
すっかり遅くなってしまった。
いつもなら、リビングから
「おかえり」
と声が掛かるのにな、と首を傾げる。
まだ寝るような時間でもあるまい。

台所は無人で、でも晩御飯は用意してあった。
おかずの上に、メモ帳が置いてある。
『ちょっと体調悪いので、先に寝てます。
 疲れただけだから、心配しないで。
 ご飯は、食べれたら食べて下さい。
 食べれなかったらそのままで良いよ』
メモ帳の下のおかずを見る。
「まいったな」
俺の好きなおかずばかりだ。
こんなの年に一回あるかどうかのご馳走だな。
きっと奮発して作ってくれたんだろう。
それを俺は……
まぁ仕方ないとはいえ、悪いことをしたな。

ネクタイを取るのも後回しにして、
階段を上がり、そして寝室に向かった。
ベッドの上には、こんもりと盛り上がったシーツ。
「香織ー?もう寝たのか?」
小声で尋ねる。
返事は無い。
顔色だけでも確認しよううとしたのだが、
シーツを頭から被りこんでしまっているので見れない。
規則的な寝息が聞こえてくることもあって、
無理に起こすこともないと、その身体をそっと撫でて、
足音を立てないように寝室を出た。



扉が閉まる音がした。
シーツから顔の上半分を出し、一人きりの寝室を確認する。
合わせる顔がない。
謝っても、謝りきれない。
だから、逃げるの?
……駄目だ。
自分が、こんな弱くて、卑怯な人間だとは思わなかった。
自己嫌悪の上に、さらに罪悪感に胸が締め付けられる。
こんなにあの人が好きなのに、
どうして、他の男に抱かれることを、許してしまったのだろう。
あまつさえ、自分から求めるように、奉仕すらした。
数時間前の自分と、今の自分が、同一人物とは思えない。
かつてないほどの後悔。
「ごめんなさい」
今日は、もう何度目だろうか。
中身が伴っていない謝罪など、何の意味もない。
それを理解しつつも、口に出さずはいられなかった。

数時間後、隣に旦那が潜り込んでくる。
その際、あたしの様子を伺う気配が感じ取れた。
会話は無い。
寝ていると思っているのだろう。
旦那に背中を向けて寝ている格好になっている。
それが、辛い。
でも、向き合う勇気もない。
出来る事なら振り返り、抱きついて眠りに落ちたい。
しかし、そんな資格が、あるのだろうか。

いつの間にか夜が明けていた。
殆ど眠れなかった。
寝息を立てている夫を尻目に、
朝食とお弁当の用意をと台所に向かう。
旦那が起きてきてから、顔を合わすことを考えると気が重い。

心配してくれる夫とぎこちない会話を交わす。
案の定、あたしの体調を慮ってくれた。
余計な心配を与えたくないので、無理矢理陽気に振舞う。
安心しきった夫の笑顔が、胸に突き刺さる。
彼をいつも通り玄関先で見送る。
笑顔は引きつってなかっただろうか。

バイト先へ向かう足取りが重い。
幸い今日は菊池君とシフトが被ってないはず。
一歩踏み出す毎に溜息が漏れる。

誰も居ない店で、開店の準備をする。
それを一通り終えると、
レジに座り、そして突っ伏す。
何かを考えないといけない、と思うのに、
何も考えられない。
何を考えたらいいのかすらわからない。
でも、何かしなければならない、という焦燥感だけが募る。
その折、ドアが開く。
あたしは慌てて顔を上げる。
「あ、おはよーございます」
菊池君だった。
なんで?
「なんで?」
気持ちがそのまま言葉に出た。
「あ、いや、昨日の今日なんで、一応様子を」
そう言いながら近づいてくる菊池君。
あたしは視線を伏せ、口を閉じる。
目の前まで来ると、彼は照れくさそうに頬を掻いた。
何か言葉を口に出そうとした瞬間、
あたしはそれを遮るように、反射的に口を開く。
「あの、あたし、バイト辞めるから」
びっくりしたように、目を見開く菊池君。
そりゃそうだ。
あたしもビックリしている。
何の考えも無しに、突然出た言葉。
でも考えてみれば、当然のことだ。
このままここで、仕事を続けられるわけがない。
そう。これが正しいはず。
菊池君は息をひとつ吐くと、
「わかりました。でも代わりの人が見つかるまでは、お願いします」
と事務的に言った。
「……うん。ごめん。急で」
そして踵を返して去っていく菊池君の背中を見て、
あたしはこれで良かったんだと自分に言い聞かせた。

しかし同時に、ほんの微かに、胸を吹き通る冷たい風。
引き止めてほしかった。
求めてほしかった。
という、塵のような小さい、淡い期待があったというのだろうか。

それから一週間が経った。
夫は勿論、直美ちゃんにもバイトを辞める件を伝えた。
夫は特に何も言わなかった。
直美ちゃんには、大反対された。
「こんなおいしいバイト辞めるなんて!
 ていうか寂しいんですけど!」
辞める真相を伝えることなど出来るはずもなく、
それらしい理由をでっち上げて納得させた。

夫とも、菊池君とも、表面的には以前通りの対応が出来るようになった。
翌日は、とても目を合わせることが出来なかったけど、
今ではそこまで挙動不審になることもなくなった。
内心はまるで嵐のように色々な感情が渦巻いている。
しかしそれでも、菊池君に抱かれた直後のような、
激しい自己嫌悪に塗れた感情は、徐々に落ち着きを見せていった。

そんなある日。
いつも通り、直美ちゃんと休憩中の一時。
この時間とも、もう暫くしたらお別れなのか、
と一抹の寂しさを感じながら、女同士の会話に華を咲かせていた。
その頃には、早まったことをしたかな、とバイトを辞める件について、
そう思うようになっていた。
夫とも、菊池君とも落ち着いて対応できるようになっていたからだ。
そんな折、偶然にも、会話の焦点が、
『浮気』というテーマに当たった。
いや偶然ではない。
あたしが、その話をしたかったのだ。
自分の中だけで溜め込んでいるのが、
辛くなっていた。

「もし彼が浮気してたらどうする?」というあたしの問いに、
「えー、そりゃ嫌ですよ」と直美ちゃん。
「別れる?」
「んー、いや、その……あたしも人のこと言えないっていうか」
「え?」
あたしにとって、驚愕の事実。
とても浮気をするような子だとは、微塵も思ってなかったから。
「うわ、ちょっと引かないで下さいよ」
「い、いや、引いてない引いてない。ただビックリしたっていうか……
 ほら、よく喧嘩するけど基本ラブラブじゃん?」
「んー、まぁそうなんですけど」
「え?いつ頃?」
「一年くらい前ですかね。すごい大喧嘩しちゃって」
「うんうん」
「それで元彼に誘われちゃって……それでふらっと」
「そ、それで?」
「それで、度々会うようになっちゃって」
「今も?」
「あ、今はもう会ってないです」
「そ、そうなんだ……そういうのって、ズルズル続けちゃったりしないの?」
「いやぁ、途中で自然消滅みたいな感じになりましたね。
 結局一番好きなのは彼氏だなぁ、って逆に気づきますもん。
 もう絶対しませんけどね。
 それにあれですよ、一回の浮気くらい皆してますよ。
 先輩は?」
「ば、馬鹿!あ、あああ、あるわけないでしょ」
「冗談ですよ。先輩旦那さんに超惚れてますもんね」
「そそそ、そそうよ。当たり前じゃない。本当にもう!」

その日は朝番だったので、昼過ぎには仕事を上がった。
帰り道をてくてく歩きながら、直美ちゃんとの会話を何度も反芻する。
『勿論悪いなぁ……って思ってたんですけどね。
 ついつい……って感じで。
 でも今では本当何もないですよ。
 勿論痛い思い出ですけど。
 やっぱり身体だけの関係ですからね。
 本気になんてならないですよ』
そっか。
そりゃそうだよね。
当たり前だよ。
ただの気の迷い。
うんうん。
一週間前からあたしを蝕んでいた大きな胸の痛みは、
少しづつではあるが、霧が晴れるように消えていった。
そうだ。
一番大切なものは、決まりきっている。
ただの、気の迷いなんだ。

「あ、花本さん。今帰りですか?」
偶然、帰り道で菊池君とばったり会う。
「あ、うん。菊池君は?今から?」
「ちょっと店の様子だけ見ようかなって」
「そっか。今直美ちゃん店番してるよ」
道端で立ち止まり、二人向かい合う。
会話が続かない。
向こうは向こうで、気まずそうだ。
あれ以来、どこかよそよそしい。
あたしはここ数日、考えていたことを菊池君に打ち明ける。
「あ、そういえばさ……」
「はい?」
「あのさ、バイト辞めるのって、今からキャンセルできる?」
「え?ああ、はい。勿論ですよ」
若干テンションの上がる菊池君。
「バイト募集する手間省けた?」
にこやかにそう問う。
「いや本当ですよ。どうやって説得しようかずっと考えてたんですから」
菊池君はマラソンを走りきった人みたいに、
膝に手をついて苦笑いでそう言った。
「ごめんね。急に。色々と」
「いや全然OKです」
両手を大きく広げ、満面の笑みを浮かべる。
その大袈裟なリアクションに、あたしも笑みがこぼれる。
久しぶりに気分は軽やか。
菊池君の一喜一憂も、なんだか可愛らしいと思うほどの余裕。
「そっか〜、いや〜良かった〜」
いまだ嬉しそうな声を上げ続ける菊池君。
「で、今から帰りですか?」
「あ、うん」
菊池君はちょっとまた気まずそうな顔に戻り、
頬を掻きながら、
「良かったら、ウチ寄ってきません?お茶くらい出しますけど」
と言った。
その提案への返事に、一瞬躊躇いを感じたが、
「絶対変なことしない?」と笑顔で対応。
「もちろんです」
菊池君は即答。
「じゃ、お茶だけね」
そんなやり取りを交わしながら、
あたし達は菊池君のアパートへと足を向けた。



「おい花本」
「なんだよ」
休憩中に同僚が呼ぶ声。
「お前さ、こないだEDがどうとかって言ってただろ」
暑苦しい顔を寄せてきて、耳元でそう呟く。
胸がどきりと鼓動を刻む。
「あ、ああ」
「これ、友人に渡してやれよ」
同僚はそう言いながら、ポケットからビンに入った錠剤を取り出した。
「何だこれ?」
「漢方薬だよ。漢方薬」
「漢方?」
「ああ、絶対効くってさ」
「ふーん。ま、ありがと」
背中を叩いて去っていく同僚を見送りながら、
その小瓶を手の平で回す。
藁にもすがる気持ちというが、
流石に得体の知らない薬はなぁ……



まぁ、そりゃこうなるよね。

後ろから抱かかえられて座り、
彼の両手はあたしの身体をまさぐっている。
それと同時に、硬くて大きい何かが、後ろから腰に当てられる。
その存在感に、誰にも見られていないあたしの表情は、
にへらと笑みが零れてしまう。
だって、
だってあなたが相手してくれないから。

お茶をしながら、世間話に興じてしたのは最初の数分だけ。
ふとした沈黙の瞬間に見つめあったあたし達は、
いつの間にかこんな体勢に。
「嫌」「駄目だってば」
足掻くこともせず、
笑顔でそう対応したあたしは、
口だけの抵抗と罵られても仕方ない。

菊池君の両手が、服の中をまさぐる。
若さを抑え切れない、少し乱暴な愛撫の仕方。
その性急さが、女として嬉しかったりもする。
あたしは後ろ手で、彼の股間を優しく撫でる。
すでに、はち切れんばかりにガチガチに膨張してるのが、
ズボンの上からでも簡単にわかる。
首を回し、彼と視線を合わせる。
どちらからともなく、唇が重なる。
「……おっきぃね」
そう呟く。
「大きいの嫌い?」
「……ううん」
もう一度、キス。
胸を揉まれたまま、あたしは彼のズボンのファスナーを下ろす。

一番大切なものは、わかりきっている。
これはただの、一時の気の迷い。

冗談を言い合いながら、お互いの服を脱がしあう。

夫を、心から愛している。
その想いに、なんの疑問もない。

手を引かれ、ベッドの上に。

それなら何故?
これは裏切りじゃないのだろうか。

互いに全裸で、体温を確かめ合うように抱き合い、
そしてキスを繰り返す。

わからない。
いや、わかっている。

どうしても、彼のペニスが気になって仕方がない。
ちらちらと視線を向ける。
そして彼と目が合い、あたしは下唇を軽く噛んだ。

いけない事だとわかっている。
こうしてる最中も、罪悪感に襲われる。

大きく口を開けて、彼を咥える。
しっかりと開けないと、すぐに歯が当たってしまう。
彼のペニスはパンパンに腫れ上がり、苦しそうにも見える。
ぎちぎちと血管が浮き出て、カリも大きく出っ張っている。
グロテスクなはずなのに、頭がくらくらするほどの愛しさを感じる。

それでも、あたしの意思は抵抗を示さない。
流されることを、望む。

「香織さん」
頭を撫でて、あたしの下の名前を呼ぶ。
不快感は無い。
あたしは優しく咥え、舌で転がしてした睾丸から口を離すと、
彼を見上げる。
言葉は無い。
あたしは上半身を起こし、一度軽くキスをすると、
彼からコンドームを受け取り、そしてそれを着けてあげる。
あんまり大きいから、少し難しい。
着けてる間も、やはりすごく硬く、そして熱いから、
あたしの身体と頭は、彼を受け入れることで一杯。

欺瞞に満たされるあたしの頭は、
都合の良い言い訳が総動員して、罪悪感を誤魔化していく。

「あっ、だめ」
その言葉とは裏腹に、あたしの股は力なく開かれ、
そして両腕は彼の首に巻かれている。

ただの浮気だから。
どうせすぐ飽きるから。
どうせもう一度、してしまってるから。
向こうから強引に誘ってきたから。
一度も二度も、変わらないから。
あなたがかまってくれないから。

あなたを、一番愛してるから。

そんな言い訳にもならない戯言で、自分を正当化していく。

彼が、またあたしの中に入ってくる。
あんなに大きいのに、根元までスムーズに挿入を終えた。
一つになる。
不足していた部分が、完全に補填された感覚。
他人の、熱く、硬い肉で、あたしの空白を埋められる。
頭の中が、わけのわからない幸福感で満たされる。

「あっ、あっ、あっ、はっ、あっ、んっ」

若く逞しいピストンを受けながら夫の事を想う。

「いっ、あっ、そ、そこ、あっ、だめっ、あっ、はぁんっ」

愛してる。あなたを。一番。

「んっ、んっ、やっ、あっ、んっ……やだ、おっきぃ」

ごめんね。ごめんなさい。本当に。

「あっ、あぁ!そんな……あっ!あっ!あんっ!あんっ!」

ああ駄目だな。
やっぱり、悲しくなる。
どれだけ気持ち良くても、
あの人を裏切ってる自分に腹が立つのは、
誤魔化せられない。
でもそれと同じくらい、
この若くいきり立つ性欲を受け入れることを忘れることも出来ない。

だから、真っ白にしてほしい。

「あんっ!あんっ!はっ!んっ!だめっ!あっ!だめっ!」

早く、真っ白にしてほしい。

「あ、だめ!きちゃうっ!……あっ……ああっ、あっ、ん、あああ」

全部、全部わけがわからなくなるように。

「あっいく!……あっあっ!……イクイクイクっ!イッちゃう!」

たとえこの後、嗚咽を漏らすほどの自己嫌悪に襲わるのがわかっていても、
あたしは、この快楽から、逃れられない。

「ああッ凄い!菊池君!……菊池君!……ああっ!あああああぁんっ!」

彼が与えてくれる絶頂だけが、
罪悪感も、自己嫌悪も、打ち消してくれる。
いや、逆かもしれない。
彼との情事を正当化したいが為の、罪悪感なのかもしれない。

白い火花が散り続ける視界のなか、
あたしはみっともなく痙攣を続けながらも、
両手両足で彼の身体に必死にしがみつく。
菊池君は、口元を歪め、あたしを見下ろしている。
「……ねえ?」
掠れた声で、あたしは彼に請う。
「なに?」
「キス……してよ」



仕事中も、なんだかんだとその小瓶が気になって仕方がない。
こんなもので?
ビンのラベルは何故か正露丸だ。
中身だけを移し変えたんだろう。

もう近頃は勃起の感覚を忘れてしまった。
どんな感じだったっけか。
それでも香織の感触は鮮明に覚えている。
もう半年以上も抱いていないのに。
もちもちと吸い付いてくる肌は、
身体を密着させて挿入すると、
二度と離れられないほどに抱き心地が良い。
重量感のある乳房は片手じゃ覆い隠せないほどで、
どの体位でも暴れまわるように揺れていた。
乳輪は乳房のサイズに見合った大きさだったが、
肌との境界がわからないほどに色素が薄く綺麗だった。
そして膣内。
ただでさえ狭いのに、
バックや足を抱えて押し込むように正常位をして、
奥をつくとそれだけでぐにゃぐにゃと陰茎を優しく刺激してくる。
いこうものなら、まるで雑巾を搾り取られているかのように、
膣内で締め付けられる。

そう遠くない過去の記憶を反芻しても、
まったく反応しない股間に溜息をつくと、
牧用犬に急かされる羊のように仕事に戻る。




彼女の腰をしっかりと掴み、
真ん丸の、まさに桃のような尻に自分の腰を打ちつける。
バックだとすぐに奥を突いてしまう。
その度にきゅっきゅっと締め上げてくる。
正常位でも、特に奥を突こうと意識をしなくても、
こつこつと行き止まりに当たってしまう。
きっと奥までの距離も短いのだろう。
とにかく彼女の膣は狭い。
抜き差しの度に、肉に引き止められるような感覚がある。
良い具合だ。
とても人妻とは思えない。
ご無沙汰だったからだろうか。
これは思わぬ当たりだった。
丸顔の美人はもろタイプだった。
ていうか睫毛長いなこの人。
付け睫毛かと思ってたら地毛かよ。
間近でみると化粧薄くて肌綺麗だし。
そのうえ小柄。
普段の横柄とも言って態度からは想像も出来ない、
子犬のような甲高い喘ぎ声。
「あんっ!あんっ!あんっ!あっ!あっあぁんっ!」
本当可愛い声出すなこの人。
ついついピストンにも気合が入る。
ここまで反応が良いと、男冥利につきるというものだ。
それにしても、ここまでむっちりした身体とは思ってもみなかった。
一見華奢としてか思えないのに。
やはり、脱がしてみないとわからないもんだ。
とにかく、抱き心地が良い。
何度射精しても、彼女の身体は、何度も求めたくなる。
特にこの胸と尻。
たまらん。
男としての自分を、全てぶつけたくなる。
「あっ!ひっ!ひっ!はっ!あっ!」
お、声が変わってきた。
またイクんだろうな。
余程溜まってたんだろう。
身体が敏感すぎる。
「イク時は言って下さいよ?」
彼女は俺の言葉に、コクコクと首を振るだけだ。
その仕草も可愛い。
なんというか、普段のギャップもあいまって、
征服欲に駆られて仕方がない。
「あっ!ひっ!……イクっ!あっ!だめっ!……あっイク!」
ずっと絶頂の余韻が続いている状態なんだろう。
大きな尻は、ずっとぴくぴくと小さな痙攣を続けている。
「あっ、いく!あっ、いく!……ああああああっ!」
それを明らかに上回る、大きな大きな痙攣。
ちんこをぎちぎちに締め上げてくる。
すごいな。
膣痙攣の都市伝説も、あながち嘘ではないのかとすら思える。
まるで血圧を測られているかのよう。
試しに締め付けてる間に引き抜こうとしたら、
結構な力を要したほどだ。
「う、あ……ああぁ……」
ああ、ああ。
あんな涎垂らしちゃって。
後でシーツを洗わないと。
「気持ち良い?」
ゆっくりと、奥をぐりぐり責めるように動きながらそう尋ねる。
「あっ、それ、あっ、あぁっ、だめ」
「ね。気持ち良い?」
「いっ、いい……あっ、やんっ」
「旦那さんより?」
「ばっ、ばかぁっ、あっいや、そこ……」
「本当可愛いね」
ピストン再開。
膣内はぴくぴくと、緩やかに痙攣を続けているが、
この後お気に入りの後輩とデートなので、
さっさと出してシャワーを浴びたい。
この女で性欲発散していけば、
丁度良い感じで余裕を持ってデートが出来るというものだ。
ラストスパート。
「あっ!ひっ!ひっ!ひぃっ!……だ、だめ……おかしくなっちゃう!
「いいよ!おかしくなっちゃえ」
「あっ!だめっ!はっ、んっ!あっ……いっくぅっ!!!」
また激しく締め付けてくる。
どれだけ欲求不満だったんだまったく。
しかし、これだけの上物を前に、
インポとは情けない旦那だな、
と心から情けなく思いながら射精する。
掴み甲斐のあるむっちりとした尻から、
筋がすぅっと通った背中とくびれを見下ろし、
優越感に浸りながら射精の余韻を楽しむ。
ゴム越しとはいえ、彼女の膣内の、
精子を求める動きは動物的だ。
犬の交尾のようにつながったまま、
彼女の豊かな乳房に両手を伸ばす。
重力に従い彼女の細身の胴体からぶらさがる二つの山は、
ついつい笑ってしまうほどの重量感。
包み込もうとしても、手の平から零れ落ちる。
一体何カップあるんだ?
G?H?
まるでゴムマリのように、むっちりと中身が詰まった乳房は、
射精して落ち着いたばかりの性欲を掻き立てる。
しかしこの後の予定を思い出し、自制をきかす。

肩で息を続ける彼女を尻目にいそいそとシャワーへ。
数分後戻ってきたらまだぐったりとしていた。
玉のような汗が、シミ一つない肌に浮かんでいるのが官能的だ。
呼吸の度に揺れる乳房といい、
インポの旦那には勿体無い。
「大丈夫?香織さん?」
どさくさにまぎれて名前で呼ぶ。
「う……うん……」
その事に関して拒絶反応は無いようだ。
「良かったよ。香織さん」
もう一度念押しに、名前を呼ぶ。
彼女は上半身を起こすと、
照れくさそうにシーツを手繰り寄せ、
それで口元まで隠すと、
「直哉……君は彼女とか居ないの?」
と潤んだ瞳を上目遣いで尋ねてきた。
なんだ、俺の名前を知ってたのか。
漢字を間違えてたくらいだから、
知らないと思っていた。
元々大雑把な性格、というだけか。
「居ないよ」
顔をそっと近づける。
すると彼女も目を閉じる。
軽くキス。
彼女は目を開けると、にへらと顔を綻ばせ、
「えへへ」と笑った。
「好きだよ。香織さん」
今度は、彼女から唇を寄せてきた。
優しく重なり合う。
「ばーか」
と彼女は照れくさそうに笑った。



香織の様子がおかしい。
向かい合って一緒に晩御飯を食べてる嫁の姿は、
いつもと何も変わらない。
ただ、その様子は、明らかに挙動不審だ。
いつもならバイトがどうだったとか、
こんなニュースがあったとか、
俺の仕事はどうだったとか、
会話の途切れない夕食の席に、
今晩はまだ一度も会話が無い。
伏し目がちに、もそもそとご飯を口に運び、
時折ちらちらと、こちらの様子を伺うように上目遣いで、
盗み見をしてくる。
良く見れば、今晩もやけにおかずが豪華だ。
もしかして……
何か黙って高い買い物でもしたんだろうか。
もしくはこれからねだろうとしている?
はは。可愛いな。
けして裕福とは言えないけど、
多少の贅沢をするくらいの貯蓄はある。
言ってくれれば、快く快諾するのに。
とはいえ、香織から何かを買って欲しいとか、
ねだられた記憶が無い。
あまり物欲が無い人間だ。
じゃあ、一体彼女の視線は何を訴えているのだろうか?
凍える兎のような、少し潤んだ、落ち着きの無い視線。

ソファに座って、一緒に金曜ロードショーを観る。
やはりあまり会話が無い。
会話のネタを提供するのはいつも香織からだ。
その当人が黙ったままだと、
当然我が家のリビングには、静寂だけが訪れる。
時折派手な効果音がTVから漏れ聞こえてくるだけだ。
仕方が無いので、画面に集中する。
モニターには、地中から出てくる巨大なミミズに、
ケビンベーコンが次々と襲われていくシーンが映っていた。
そんな折、不意に手が暖かい何かに包まれる。
視線を落とすと、それは香織の手だった。
香織と目が合う。
やはり上目遣い。
どことなく、悲しそうな瞳。
す、っと視線を逸らされた。
そして
「……繋いでて、良い?」
とか細い声。
「怖かったのか?」と茶化す
突っかかってくるかと思えば、
「……うん」と殊勝な返事。
こういう映画苦手だっけ?
そんな事を呑気に考えながら、手を繋いだまま、
映画を観続けた。



そう、怖かった。
自分のことを、離さないでほしかった。
なんて図々しい想いだろうと、
自分でも呆れ果てる。
それでも、やはりあたしは、
この人を愛しているんだと、
再認識する。
そう。
あれはただの、なんというか、気分転換というか、
とにかく、そういうのじゃないんだから!

でも、いくらあたしが愛していても、
どれだけ自分勝手な弁解を並べても、
あたしには、愛される資格なんて、
きっともう無い。
直哉君との事を知られたら、きっと、別れを告げられるだろう。
それでも、きっとあたしは、本当のことを伝えるべきなんだろう。
それが、この人の妻としての、最後の矜持なんだと思う。
でも彼の手を握り、その体温を感じれば感じるほど、
やはりそれが、何ものにも変えられない、
世界で一番大切なものなんだと、
再認識させられる。

これほどまでに、胸を苦しく締め付けられるということはわかっていた。
それなのに、あたしは直哉君を拒めなかった。
あの快感から、手を振り解くことが出来なかった。
馬鹿みたい。
好きなのに。
この人のこと、こんなに好きなのに。
どうしてだろう。
心と身体は、別なのか。
わからない。



〜一ヵ月後〜



「ちょっと菊池君。お茶っ葉切らしてるって言ってたでしょ」
パイプ椅子に座り、腕と足を組んで眉間に皺を寄せる直美ちゃん。
「ああ〜、すいません」
「買ってきて」
「ええ!?今からっすか?」
「当たり前じゃない。店長ならそれくらい当然でしょ?」
「いや代理なんで」
「調子いいわねアンタ」
「ま、まぁまぁ直美ちゃん。な……菊池君も忙しいんだし」
「いやぁ、花本さんは優しいなぁ」
「ちょっと先輩。こんなの甘やかしたらだめですって」
「こんなのって。酷いなぁ」
「ま、いいけど。明日までには用意しときなさいよね。
 あ、こんな時間だ。じゃ、先輩。お先に失礼します」
そう言って、直美ちゃんは、あたしに頭を下げて事務所を出て行った。
「なんで俺には挨拶無いんだろう……」
彼はガッカリした様子で、そう肩を落とす。
ワリと本気で、直美ちゃんの信頼を得られないのを気にしてるようだ。
店長代理としての責任感は、多少はあるようだ。
彼の落ち込んだ横顔を苦笑いでひとしきり眺めると、
「よしよし」とあたしは頭を撫でて慰めてあげる。
彼は背が高いから、背伸びをしても少し大変だ。
頭を撫でていると、不意に彼は腰を落とし、あたしの唇を奪う。
「今日、どうする?」
「どうするって……お店……」
「いいじゃん。ね?」
今度は、事前にアイコンタクトを取り、
二人同時に顔を寄せ合い唇を重ねる。
「ん〜、でもここ最近いつもじゃん……」
流石に毎日の臨時早締めは不味いと思ったのか、
彼は気不味そうに息を吐くと、
「わかったよ。じゃ、今日は無しで」
誰もそんな事言ってないのに。
意地悪。
「良かったらさ、夕食作っておいてあげようか?」
「え?マジで?」
「うん。いいよ」
「あ、じゃあお願い。合鍵持ってるよね?」
「うん。何が良い?」
「あー、任す」
「了解」
そしてキス。
このやり取りで、自然に顔が綻ぶ。
バッグを持って、事務所を出ようとする。
「あ」
「わかってるよ。辛いのは駄目なんでしょ?」
「その通り」
「はいはい」
後ろ手でドアを閉めて、店を出る。
空はやや陰りが見える。
雲の向こうからは、やや落ちた陽の残光が薄く漏れている。
普段なら、ノスタルジックな気分に駆られ、
少しテンションが下がってしまう時間帯。
でも不思議と足取りは軽い。
こんな気分は、結婚してからは味わっていなかった事を思い出す。



最近香織の様子がずっとおかしい。
どこか元気がない。
ふと視線を感じて振り返ると、
あわてて目を逸らしたり、
何か言いたげな表情をずっと浮かべている。
やはり、夜の生活が無いことが、不満なんだろうか。
俺は仕事場のデスクの引き出しにしまっておいた、
同僚からもらった漢方薬を取り出す。
しげしげとそれを一通り眺めると、
俺は意を決して、給水室に向かった。



「はっ!あんっ!はっ!んっ!……あ、だめぇ、そんな……激しい」
「激しいの好きじゃん」
「そ……んな事……ない…………あんっ!あんっ!あんっ!」
直哉君に、下から突き上げられ、嬌声を上げる。
やっぱり、気持ち良い。
それはもう、一時の気の迷いではない。

あれから、あたしの罪悪感による直哉君からの誘いの拒否が続いたのは、
たった一週間だけだった。
その間も旦那から放置され、隙間を感じる心と身体は、
自然に、彼を求めるようになった。
ほぼ毎日のように繰り返され、覚えさせられる彼の味は、
もうすっかりと、身体の芯まで染み込んでいる。

「あっ!だめっ!あっ!んっ!そこだめだって!あっ!あっ!」
「ここ?」

若い彼の情欲は、あたしの隙間を埋めるに何の不足もなかった。

「あっ!あっ!……いくっ!あっ!いっちゃうっ!」
「いいよ。俺も……」
「あっ!うん……きて!直哉君!きて!……あっ!あっ!あんっ!あっ!」
「あ、だめだ……出る!」

うずく身体を、完ぺきに満たしてくれる直哉君に、
あたしの心が、少しづつ彼に寄っていくのが手に取るようにわかる。
身体だけではない、何か特別な感情。
それに対し、危機感が募る毎日。
もう止めなきゃ、こんな事。
旦那と顔を合わすたびに、そう思う。
いつまでも、こんなことを続けるわけにはいかない。
そう思いつつも、まさに今もなお、あたしの中で果てながら、
両手であたしの乳房を下から揉み上げてくる若い彼に対し、
遠い昔に忘れてしまった、
穏やかな、でも胸が締め付けられる想いを感じているのは、また事実だ。

「どうだった?」
胸を愛撫しながら、そう尋ねてくる。
「……ばか」
肩を上下しながら、なんとかそう答えれた。
上半身を倒し、彼の唇を求める。
早く抜かないと、ゴムから零れちゃう。
そう思いながらも、ずっとこのまま身体を密着させ、
唇と唾液を求め合いたい気持ちが上回る。
「今日さ、職場で俺のこと名前で呼びそうになったっしょ?」
「……う、うっさいな」
あはは、と笑う彼の笑顔は、つい目を逸らしたくなるほどに愛らしい。
「ま、いいけど」
彼は上半身を起こし、そしてあたしから離れようとした。
あたしはそれが嫌で、両手で彼の肩を制し、
そして対面座位の形のまま、キスをした。
「香織さん、抜かなきゃ」
「……うん」
そう言いながら、あたしは彼の首に腕を回し、そしてキスを続ける。
「漏れちゃうよ?精子」
「……だめ」
言葉とは裏腹に、あたしの舌は彼の口腔内を愛おしそうにまさぐり、
両手は彼の背中を抱きしめている。
「ほら、もうやばいって」
少し強引に、彼があたしを引き剥がす。
彼が、あたしの中から抜けていった。
熱が逃げる。
まるで自分の一部だったものが、
出て行ってしまった感覚。
寂しい。
「そんな顔しないでよ。じゃあ今度生でしよっか?」
「……え〜、駄目だよ」
そんな事を言いながらも、あたしの頭の中は、
何も遮られず、彼と一つになることで頭が一杯だ。
それは、一体どれほど幸せなことなんだろうか。
「じゃあさ。安全日だったらいい?」
「……絶対外に出す?」
「出す出す」
「……じゃあ、いいけど」
いいわけない。
本当馬鹿。
あたしは、どうしようもない馬鹿だ。
そう強く思いながら、もう一度、彼の唇を求めた。
彼がゴムを外し、それを結んでいる間、
あたしは身を屈め、彼の股間に顔を埋める。
射精した直後は敏感なのか、
いつもお掃除フェラの最初は、
腰をひくつかせる。
それが、少し嬉しい。
「あ〜あ、今日も結局店閉めちゃったなぁ」
愛撫兼掃除をしているあたしの頭を撫でながらそう呟く。
あたしは萎えた、それでもうっとりするほど逞しい彼のペニスから口を離し、
「いい加減怒られるんじゃない?」
と笑いながら言った。
「ていうか、俺がこんな調子じゃ駄目だよな。
 次期オーナーなんだし」
その言葉を聞きながら彼を見上げ、裏筋を舐める。
すると、
「この子が魅力的すぎるんだよな〜」
とあたしを見下ろし言った。
「ば、ばっかじゃないの」
あたしは照れ隠しのつもりなのか、
彼の亀頭に咥えると、一気に奥まで咥えこんだ。
おっきくなってないのに、おっきい。
ああ駄目だ。
あたし、このおちんちん、大好きになってしまっている。
愛おしくて愛おしくて、いつまでも舐めていてあげたい。



家路を急ぐ。
息は切れ、膝が笑っている。
しかしそんな事は気にならない。
一刻も早く、香織に合いたい。

あの薬を飲んだ直後、俺の股間は、痛々しいほどにテントを張った。
なんだアレは?
やばい薬じゃないだろうな。

とにかく、久しぶりの勃起。
俺は玄関を開ける。
香織は?
居ない。
電話をかけると、
「あ、ごめん。買い物に時間かかっちゃって。今帰ってるところだから」
とのこと。
落ち着けず、家の中をうろうろと歩き回る。

数分後、玄関が開く音。
俺は逸る気持ちを抑え、しかしそれでも早足で向う。
「あ、ごめんね。お腹減ってるよね?すぐ作るから」
申し訳無さそうにそう口にする香織を、
俺は抱きしめ、そして唇を奪った。
「え?え?ちょっと……え?」
目を白黒させ、買い物袋を落として驚く香織。
鼻息が荒いのが自分でもわかる。
「香織……」
偶然にも、香織の手の甲が俺の股間に当たった。
香織の顔が、瞬時に紅く染まる。
良い匂い。
俺は黙ったまま俯いた香織の手を引き、
半ば強引に寝室に連れて行き、
そして押し倒した。
勃起した状態で久しぶりに見る香織の裸体は、
頭がくらくらするほどに魅力的だった。
柔らかく、そして暖かい身体。
香織も久しぶりの性交に興奮していたのか、
膣はもう最初からぐちゃぐちゃに濡れていた。
久しぶりなのできつくなっているかと思えばそうでもなく、
むしろ良い感じにほぐれ、俺を優しく包み込んでくれた。
久しぶりに聞く香織の嬌声は、鳥の鳴き声のようにか細く甘く、
そして切なかった。
俺と香織は、半年振りに、無事愛し合った。



「せんぱーい。最近どうですかぁ?」
「ん?んー……別にぃ……」
壁の向こうから、二人の会話がうっすらと聞こえてくる。
まったく。声がでかいんだよな、二人とも。
倉庫で作業中、いつかと同じような状況だ。
ていうか北川さん、なんで休憩室にいるんだ?
今レジに誰も居ないんじゃ……
まぁいいか。
どうせ客なんて来ないだろうし。
「なんですか?ちょっと元気ないですね?」
「ん?そう?そんなことないよ。直美ちゃんは?」
確かに元気なさそうだ。
少し昨日苛めすぎたかな。
あんなに潮を吹くとは思わなかった。
おかげでシーツは勿論カーペットまでぐちょぐちょ。
あんなに感度良いのに、初潮吹きだったとか旦那どんだけ下手糞なんだよ。
声も凄かったな。
今日隣の隣の部屋の人にまで
「激しいね」と笑われた。
「それがですね……はぁ」
北川さんも元気無さそうだな。珍しい。
「なになに?どったの?」
「いやぁ、実は、やっちゃいまして」
「何を?」
「浮気を……」
「えええええ!?」
「ちょ、先輩、声でかいですって」
「マジで?前言ってた元彼?」
ひそひそと声を潜めて喋る二人。
「あー、はい」
「なんで?最近ラブラブだったんでしょ?」
「いやぁ、なんか、つい……誘われて」
「……あ〜あ」
「最悪ですよねあたし」
「いや、まぁ、うん、なんだろ、反省してるなら良いんじゃない?
 良くはないか……う〜ん」
自分も他人のことを言えない立場だからか、
北川さんを強く責めることは出来ないようだ。
それが何か可笑しい。
「それで今すっごい凹んでて〜」
「あ〜」
「自己嫌悪酷くて〜」
「うんうん」
「それで暫くはすっごい彼氏に対してごめん!って感じなんですけど」
「うんうんうん」
「でもやっぱり、なんか自分誤魔化して会っちゃうんですよね」
「わ、わかる」
「え?わかる?」
「あ、いや、その、妄想で。シミュレーション的なあれで」
「はぁ」
「そ、その、やっぱり相性ってあるよね?愛情とは別で」
「ああ、ありますあります」
「そういうのってさ、仕方ないよね?ね?愛情とは別だし」
「あとやっぱ罪悪感が逆に燃えちゃうんですかね……
 多分彼氏のこと好きじゃなかったらこんな事にはならないような」
「あ、ああ、ああ。そうだよきっと!相手のこと本気で好きだからだよ!
 うん。きっとそう」
「なんか先輩自分に言い聞かせてるみたいですね。
 もしかして浮気願望あるとか?」
「ば、ばか言っちゃいかんよ君!
 あ、あああたしは、ほら、もう、なんだ?ラブラブだから。ラブラブ」
「へー?」
「ほ、ほほほ本当だって。ほら、証拠に昨日、あったし」
「え?」
「だから、その、夜のあれが」
え?そうなんだ?旦那さん急にどうしたんだ?
EDとかじゃなかったのかな。
まぁどうでもいいけど。
しかしそれにしては元気無いな。
「ええええ!?おめでとうございます」
「うん、いや、おめでとうっていうか、まぁ、ありがとう」
「???そのわりにはテンション低いですね?」
「ん?いや……そう?」
「あ、さては、久しぶりに燃えすぎて体力使い果たしちゃったとか?」
「……あはは」
乾いた笑い声。
それにしても、自分を誤魔化したくて必死みたいだな。
とっくの昔に身体だけの関係って割り切ってたと思ってたけど、
未だに罪悪感に悩んでるのか。
まぁ旦那が復活したんなら、向こうから俺を切ってくるのかね。
その前に、もう一回くらい抱きたいな。
あ、やべ。
勃ってきた。



「じゃ、お先に失礼しまーす」
「お疲れー」
レジに座り、直美ちゃんの後ろ姿を見送る。
「はぁ……」
勝手に溜息が漏れる。
いつもなら気にならない埃くさい店内が少し不快だ。
頬杖をついて、ただ虚空を睨みつける。
「しゃーない。気分転換に掃除でもしよっかな」
重い腰を上げる。
すると裏の倉庫から、
「香織さーん。ちょっと良いー?」
と直哉君の声。
少しどきりとする。
「な、なによ」
期待だったり不安だったり、
色んな感情が混ざって変な気分。
重い足取りで倉庫へ向かう。
「ちょっと整理手伝ってもらって良い?」
「……あたしレジあるんだけど」
「どうせ誰も来ないって。それに来たら来たでチャイム鳴るし」
「ったく。本当いい加減なんだから。あとさっき名前呼んだでしょ?」
「え?いいじゃん。二人なんだし」
「誰がいるかわかんないでしょ」
「へいへい。じゃ、そっちお願い」
溜息をつくと、直哉君が指差した棚の方へ身体を向ける。
倉庫といっても事務室と同じくらい狭い。
時折お互いの背中が触れ合う。
もう何度となく触れ合い、そして求め合った身体。
若く瑞々しく、激しい性交を何度も繰り返すことができる身体。
あたしは、いつまでこんなことを続けるつもりなんだろう。
旦那は、あたしを求めてくれた。
だから、もう終わりにしなきゃいけない。
もう言い訳の余地は、一片たりとも残されていない。
いや。
最初から、そんなものは無かったはずなのだ。
「香織さんてさぁ」
不意に背後から声が掛かる。
「え?」
「香織さんてさ、俺のことどう思ってんの?」
「どうって……」
「俺はさ、結構マジで好きだよ。香織さんは?ただのセフレって感じ?」
その問いに、あたしは答えることが出来ない。
そうだよ。ただのセフレだよ。
せめて、そう答えなきゃいけない。
身体だけの関係。
そうだったはず。
そう自分を誤魔化してきたはず。
しかしあたしの口から漏れたのは、
「……わかんない」
結論を先送りするだけの、姑息な返答だった。
背後から、あたしの胸に彼の両手が伸びる。
あたしは一度だけ、見せかけだけの抵抗をして、
その愛撫を受けいれる。
乳房をやさしく揉みしだきながら、
彼は尋ねる。
「最近、旦那さんとはどう?」
「ど、どうって?」
「セックス」
「……してない」
突然の質問に動揺していたとはいえ、
どうしてこんな嘘をついてしまったのか。
彼との関係を終わらせたくないから?
「嘘。さっき北川さんとの会話聞こえてたよ。
 二人とも声大きいんだって」
楽しそうに、直哉君は耳元でそう呟いた。
あたしの耳は、きっと一瞬で真っ赤になっただろう。
「ご、ごめん」
なぜ謝る必要があるのか。
「なんで謝るの?別にいいじゃん。夫婦なんだし」
そりゃそうだ。
当然のことだ。
彼の言うとおり。
それなのに何故、そう言われたことに対して、
あたしの胸は切なく締め付けられるのだろう。
嫉妬してほしかった?
誰に?
直哉君に?
ああ、もう自分の気持ちがわからない。
いや、本当はわかってる。
気がつかないふりをしているだけ。
彼の両手がブラの下に潜り込み、
そして後ろから唇を寄せてくる。
もう駄目だって。
もう、終わりにしなきゃ。
愛してる人が、求めてくれてるんだから、
もうこんな事はやめなきゃいけない。
そんな意思とは裏腹に、
いつの間にかあたしの舌は、
直哉君の舌と唾液交換に勤しんでいた。

「あっ、あっ、あっ、んっ、あっ、はっ、あっ」
パンパンパン。
乾いた音が、倉庫の淀んだ空気を切り裂いていく。
服を着たまま、立ちバック。
声を出さないように、片手で口を抑える。
あたしのそんな配慮はお構いなしに、
直哉君は、激しくあたしの奥をかき混ぜる。
「あっ、あんっ、あっ、だめ、こんな、あっ、ああっ、んっ、あっ」
彼とは初めての、生挿入。
昨日の今日で、許してしまっている。
「絶対外に出すから」
そんな定型文で、あたしは彼を受け入れてしまった。
粘膜と粘膜が、あたしの中で、直接触れ合い、交じり合う。
それだけの事。
それだけの事なのに、なんだろう?この恍惚感は。
生まれてきて良かった。
このまま死んでもいい。
そんな想いが脳裏を駆け巡る。
直哉君の硬さ、熱さ、大きさ、逞しさを直接感じる。
「はっ、はっ、はっ、あっ、んっ、はっ、あっ、あぁんっ」
直哉君の両手は、服の上から乳房を掴んでくる。
ブラをしていても、揺れていたかったから丁度良い。
「あっ!あっ!あぁっ!んっ!あんっ!ああっ!」
ああ駄目だ。
あたし、もうこの人の身体に馴染んじゃってる。
いちいち気持ち良い。
もう普通に声出ちゃってる。
誰かに見られたりとか、そんな危惧は、どこかへ消え去る。
「あっ!あっ!あんっ!あっ!はっ!あぁっ!」
駄目だ。
認めちゃいそうだ。
ずっと目を逸らしていたこと。
認めたくなかったこと。
好きだ。
好きなんだ。
直哉君のこと。
こんな格好良くて、
こんなエッチが気持ち良くて、
そして、あたしの事を好きだと言ってくれる。
ごめん。
もう無理。
あなたの事も、好きだよ。
今でも一番大切な人。
「ああぁんっ!そこっ!あっ!だめっ!あっあっあっ!」
だから、同じくらい、好きな人がもう一人いても良いよね?
あなたの事も、ちゃんと好きだから。
だから……
「あっ!そこっ!あっ!直哉君!直哉君!……あっ!あっ!あっ!」
もうあと何度かのピストンで、
あたしは腰が抜けるほどの絶頂を予感した。
その予兆を勘ぐられたかどうかは知らないけど、
直哉君は意地悪にもピストンを止める。
「旦那さんとのHどうだった?」
意地悪に意地悪を重ねる。
馬鹿。
むかつく。
わかってるくせに。
全然良くなかったって、わかってるくせに。
旦那が気持ちよかったら、
こんな風に他の男とHしたりしない。
こんな風にAVみたいに喘いだりしない。
旦那が果てた後、直哉君のこと考えて自分で処理したりしない。
あたしは返事をしない。
あたしが彼に愛情を持ち始めているのと、
旦那を馬鹿にするのは全く別のことだから。
あたしは自分で腰を動かし、彼の腰に打ち付ける。
とはいえ力は入らない。
動かれていないと、あたしの中の、
何も着けてない直哉君の形が、
はっきりとわかる。
それがたまらなく、いやらしい。
いやらしい形の直哉君のペニスが、
あたしの中に入っている。
「……お願い……動いて……」
直哉君は鼻で笑うと、
「いいよ」と言ってくれた。
嬉しい。
優しいな。
ありがとう直哉君。
好き。
大好きだよ。
「あっ!あっ!ああっ!……直哉君!あっ!あんっあんっ!」
しかしすぐに、ピストンが再び止まる。
「はぁっ、あ、え、な、なんでぇ……?」
あたしは掠れた声でそう不満を漏らしながら、
腰を彼に押し付けるようにくねくねと動かす。
すると直哉君のペニスに夢中になったあたしの頭に、
チャイムが鳴っているのが聞こえる。
「ちっ、こんな時に限って客かよ」
直哉君の舌打ち。
ずるりとあたしの中から、直哉君が抜けていった。
やだ。
やだよ。
こんな中途半端で。
あたしは熱を帯びた視線で直哉君を見つめる。
しかし直哉君は、ドアを少し開けて、店内を見つめる。
すると、
「あ、やべ。また旦那さんじゃん」
と呟いた。



たまたま前を通っただけ。
そう。
たまたま。
「あ、いらっしゃいませ」
店の奥から、この間の若者が出てくる。
「やぁ」
いつぞやとは違い、今日は大人の余裕に溢れている。
少し遅れて、香織も出てきた。
その顔は赤く染まっており、
口を一文字に結び、ジト目で俺を睨んでいる。
拗ねている時の顔だ。
きっと恥ずかしいのだろう。
そりゃそうだ。
授業参観でもあるまいし。
しかしそれでも、俺は香織の顔を眺めたかった。
昨晩久しぶりに愛し合い、
彼女の愛らしさ、魅力を再確認した。
惚れ直した、というやつだ。
溺れたくなるような抱き心地の良い身体。
憂いのある表情と切ない声。
すべてが、たまらない。
香織は照れくさいのか、そっぽを向いて、
「……何しにきたの?」
と不貞腐れるように言った。
「たまたま店の前通ったんだよ」
「そ」
その照れて素っ気無い態度も愛らしい。
「悪かったよ。じゃ、今度は客としてくるから」
若者の方にそう言うと、俺は店を出て行った。
今晩がまた楽しみだ。
今まで溜めていた分、全て香織に注ぎたい。
学生のころのように、激しく求め合うことを創造したら、
また勃起してきてしまった。



「行っちゃったね」
俺がそう言うと香織さんは、旦那さんからはレジ台で隠れて見えないように、
お互いの小指同士だけで繋いでいた手を、全ての指を絡めるように握り直し、
そして俺を引っ張るように、倉庫に連れて行かれた。
ドアを閉めると、香織さんは自分から屈み、
少し萎えていた俺のちんこを取り出してフェラを始めた。
丁寧な、でも情熱的なフェラだった。
抑え切れない性欲がありありと伝わる。
奥まで咥えたと思ったら、
睾丸を手でさすりながら裏筋を舐め上げてくる。
俺はその頭を撫でながら、
「どうする?店閉めちゃおっか?」と問う。
香織さんは、鈴口を舌先で突付きながら、
「で、でも……大丈夫なの?」
と心配そうに見上げてくる。
「いいよ。香織が一番大切だから」
どさくさに紛れて、呼び捨て。
香織はそっと目を伏せて、
「……馬鹿」と呟いた後、
「あたしも……直哉が一番」と甘く囁くと、
また咥えだした。
「ここで一回しとく?」
「……うん」
「じゃ、また後ろ向いて」
「ん」
「入れるよ?」
「うん……あっ」
うねる香織の中を、生で楽しみながら、
「香織、好きだよ」
と囁いてやる。
心の中では、例のお気に入りの後輩の、
誕生日プレゼントのことを考えていた。
「あんっ!あんっ!あんっ!……あ、あたしも、好き」
「ん?」
わざとらしく聞き返す。
「好きっ!直哉がっ、あっあっあっ!……直哉が好きなの!
 あっ!あっ!ああっ!……あんっ!あんっ!あっ!はぁんっ!」
そのあまりの膣内のうねり具合に、すぐ射精に追い込まれる。
マジ名器。
「ああやべ。いきそう。中で良い?」
香織は、一瞬逡巡し、そして喘ぎながら首を横に振った。
「安全日だったら良い?」
今度は縦。
「じゃあどこでイク?」
「あぁ、だめ、あたしもう、あっあっ!……く、口が良い」
「飲みたい?」
「の、飲みたい……直哉の、飲みたい……あっあっはぁっあっ!」
「今日は身体に掛けたい気分だな。服脱げよ」
「あっ、うん……んっ!あっ!あっ!んっんっ!」
立ちバックで犯されながら、服を脱ぐのに難儀している様子を、
後ろから愉快に眺めながら奥を突きまくる。
他人の女が、俺の精子を身体にかけられたくて、
立ちバックで犯されながら服を脱ぐ姿は、
俺にえもいわれぬ優越感を与えてくる。
ちんこを抜き、そして香織を目の前に跪かせる。
何も言ってないのに、だらしなく口を開けて、
舌を出して待っている。
それを無視して、血管の浮き出た爆乳に射精していく。
意に反して、精液は勢い良く放出され、、
香織の顔や肩、胸、腹、太股に飛び散った。
それを香織は恍惚の表情で眺めている。
マーキング完了。
何も言わなくても、お掃除フェラを始めている。
すっかり従順になっちゃって。
さて、さっさと店を閉めて、部屋でたっぷり可愛がってやるか。



「どこまでトイレ行ってたんだよ」
「悪い悪い」
社用者で待ってくれていた同僚に謝りながらシートベルトをする。
「それにしてもあれだな。この間お前にもらった漢方薬。
 あれすごいらしいな」
「お、友達使ったって?」
「ああ、お礼言ってたよ。サンキュな」
「良いってことよ。それで奥さんとは?」
「あ、ああ。毎晩燃えてるらしいぜ」
「そうかそうかそりゃ良かった。
 やっぱり夜の方がないと、嫁さんも不満だろうしな」
「そっか。やっぱりそうだよな」
「そりゃそうさ」
そうか。
そりゃそうだよな。
いままでそこまで深刻に考えていなかったけど、
やっぱりほったらかしは不味いよな。
そのお返し、というわけでもないが、
これからは嫌っていうくらい抱いてやろうか。



「いやっ!いやっ!……きちゃう!……もういっちゃうからぁっ!」
「いいよ香織。いきな。見ててやるからいきな」
「あっ!あっ!あっ!……ああぁ、すごい、直哉!直哉ぁっ!」
踵を持って、奥までねじ込むように正常位。
ひっくりかえったカエルのようだ。
傍目にはみっともない格好なんだろうが、
肌を合わせながら、ちんこをしめつけられている俺にとっては、
これ以上ないほど官能的な姿だ。
「ほら。奥がいいんだろ?」
「うんっ!おくっ!おくがいいのっ!……ああぁっ……
 いっちゃうっ!……いくいくいくっ!……はぁ、あああああっ!
相変わらずの、痛みを伴うほどの締め付け。
少し引き抜くと、尿道からぴゅっぴゅっと潮を吹いた。
「や、やだぁ……見ないでぇ……」
「可愛いよ。香織」
「やだやだぁ……ねぇ直哉ぁ」
「ん?」
「キス、してよ」
「はいはい」
まったく。
ハメるとすぐ甘えてくるんだからな。
唇をすり合わせるようにキスしながら、
「……直哉ぁ……好きぃ」
と囁いてくるのがくすぐったい。
「よ、っと」
そのままの状態でピストンを再開する。
「あ、まだ、あ、だめ、ん、あ……やぁん」
「くすぐったい?」
「ん〜」
「俺もうちょっとだから」
「じゃあ……口に出してね?」
「飲みたい?」
「うん」
さてさて。
香織が御所望するほど出るかな。
そんなことを思いながら、
いまだひくつく香織の膣内を、
オナホ代わりに射精へと向かう。



やはり夫婦生活が円満だと、
仕事にも身が入る。
さっさと仕事を終わらせて家路につく足取りは、
勘違いなどではなく軽い。

昼間の件を怒っているかと思ったが、
香織はいつも通り出迎えてくれた。
やはりここ暫くのように、ややよそよそしい雰囲気が出ているが。
とにかくメシを喰い、風呂に入ってさぁいざベッドへ。
「……う、うん」
昼間のこともあってか、どこかぎこちない香織の返事。
昨晩したとはいえ、久しぶりのセックスは、
やはり照れ臭いものだろうか。
その表情にもそそられる。
ペニスは痛いほどに勃起し、嫁を求めている。
ベッドに押し倒し、前戯もそこそこに、
俺はパンツを脱ぎ捨て、ぎんぎんに張った逸物を、
香織の前に見せびらかすように披露する。
香織は珍しい生物を見るかのように、
俺の下腹部を凝視している。
付き合いが長いのだから、何百回と見てきたはずなのに、
薬の力を借りたとはいえ、雄雄しく勃つ俺のそれを、
どこか呆けた表情で眺めているのは、自尊心が満たされる。



心の中で溜息をつく。
直哉のと比べると、なんだか子供みたいだ。
なんというか、頼りない、と思ってしまう。
でも、
でもでも、
そんなのは仕方ない。
先天的なものなんだし。
やっぱり、愛があってのセックス、だと思うし。
別に旦那のが、特別小さい、ってわけじゃないと思うし。
直哉のが、大きいだけだと思う。
馬鹿。
馬鹿直哉。
あんたの所為で、旦那のが頼りない、とか思っちゃったじゃん。
もう。
そんなことを考えていたら、乱暴に押し倒されて、
そしていつの間にか、あたしの上で旦那が腰を振っていた。
あれ?
いつの間に挿入られてたの?
ていうか入ってるの?
視線を下腹部に移すと、確かに旦那が、
あたしの中へと抜き差ししていた。
そのあまりの感触の薄さに愕然とする。
え?
本当に入ってるの?
直哉のが太いから、広げられちゃったのかな?
ていうか、なんだか、なんというか、
やっぱり、年の所為、なのかな?
こんにゃくを挿入れられてるみたいだ。
直哉のは、見るだけでドキドキするくらい反り返ってて、
びきびき、と音が聞こえてきそうなくらい硬い。
あと少し膣内が痛い。
あまり濡れてない。
「声、我慢してる?」
はぁはぁと、息を荒げながら、旦那がそう尋ねてくる。
「あ、う、うん」
「恥ずかしい?」
「……うん」
「我慢なんてすんなよ。聞かせてくれよ」
そんな事言われても……
声って、どう出したら良いの?
直哉の時は、勝手に喉の奥から搾り出される感じ。
突かれる度に、身体が勝手に発しちゃってる。
「あ、あ、あ、あ」
こんな感じでいいのかな?
大丈夫かな?
演技ってばれないかな?
「やばい。すごい可愛い」
良かった。
気持ち良くなってくれてるんだ。
嬉しいな。
ありがとう。
「やばい、出る」
あ、もういっちゃうんだ。
そっか。
それだけあたしで感じてくれてるんだよね。
うん。
いいよ。
いって。
あたしは目を瞑った。
視覚を閉じて集中しても、
相変わらず挿入ってるかどうかもわからない薄い感触。
「香織!」
興奮した様子で、必死にあたしの名前を呼んでくれている。
射精が近いみたい。
中に出されるのかな。
きっとそうだよね。
直哉、ごめんね。
……なんで直哉に謝ってるの?馬鹿じゃない?
「あっ」
あたしの口から不意に漏れた、甘い声。
旦那はそれを聞いて、更に興奮を増しているみたい。
直哉のことを考えたら、無意識に喘いでしまった。
……良いよね?
あなたも、あたしが気持ち良くなった方が良いんだよね?
喘ぎ声出した方が良いんだよね?
直哉の引き締まった瑞々しい身体。
端整な顔立ち。
力強く頼もしいペニスを思い描く。
「香織!香織!」
直哉……直哉ぁ……
「香織!好きだ!」
うん、あたしも好き。大好き。
「愛してる!」
愛してる。あたしも愛してるよ。直哉。
「あっ!」
???
いったのかな?
直哉のは、イク直前にペニスが更に大きくなるからわかりやすい。
あたしの中で膨張して、破裂している感じがする。
今旦那の精液出てるのかな?
多分そうなんだよね。
わかんないや。
直哉のは、ゴムしててもわかるくらい射精の勢いが凄い。
流石に中出しは許可してないけど、
もし今の旦那みたいに、中で出されたら、
きっとわかると思う。
あんな風に自分の奥で射精されたら、
きっとそれだけでいっちゃうだろう。
「ふぅ」
射精しおわったのかな?
出来たら、早くどいて欲しい、かな。
ごめんね。
ちょっと重くて苦しいんだ。
あ、キス?
うん、いいよ。
あたしもしたい。
だって、好きだから。
旦那のこと、好きなはずなんだから。
ああ、妊娠しちゃったらどうしよう。
どうしようって、どうもこうもない。
何も問題は無い。
だって、大好きな人の、子供なんだから。
そうだよね?
うん。
きっとそう。
そうに決まってる。

直哉。ごめんね。
あたしこの人の妻だから。
だから、中は駄目だから。
でも、安全日だったら良いよ。



俺が例の薬のおかげで、香織と愛し合えるようになってから、
一ヶ月ほどが経った。
最近では、香織の機嫌も良い。
ほんの少し前までの、テンションの低さが嘘のようだ。
常にニコニコしていて、やたらとべたべたしてくる。

「お、花本。嫁さんに電話か?」
「ん?ああ、まぁな」
「間男に家に来られてたら大変だもんな」
同僚はそう言いながら笑った。
下ネタはあまり好きじゃないが、
俺は少しむきになって反論する。
「嫁にそんな元気無いよ。
 ここんところ、毎晩のように可愛がってやってるからな」
「おお、元気だな」
笑いながら旅館のロビーから去っていく同僚の背中を見送ると、
携帯電話の電話帳から家電を探し当てて発信ボタンを押す。
「もしもし。俺だけど」
「あ、うん。出張お疲れさま」
通話口の向こうから、香織の声が聞こえてくる。
「どうだ?何も無いか?」
「うん。大丈夫」
「そうか。予定通り明日の夜には帰れそうだから」
「わかったー。交通事故とか気をつけてね?」
「はは、わかってるよ。じゃあ切るな。おやすみ」
「あ、あの、あなた?」
「ん?」
「……ごめん、なんでもない」
「そっか。おやすみ」
「うん……おやすみ」



「旦那さん?」
「んー。ていうか触りすぎ」
電話中、ずっと胸を揉まれていた。
「じゃ、もういいっしょ」
「……うん」
きっと家に電話が来るだろうから、
それまで二人でご飯を食べて、映画を観たりしていた。
あたしは彼の首を腕を回し、そして濃厚なキスを始めた。

初めて、家での直哉とのエッチ。
それも、寝室。
「あっ、そこっ、いい、あっあっあっあっあ」
寝室に飾られた、旦那との写真が胸に突き刺さる。
伏せておけば良かった。
「あんっ、だめ、奥だめだってばぁ……あっ、あっ、あっああ」
後ろから突かれながら、改めて思う。
直哉のペニスが、どれだけ素敵かってこと。
「いっ、あっ、そこ……あっ!あっ!ああっ!あんっ!」
もうすっかり、旦那とのセックスでは、何も感じなくなってしまっている。
とはいえ、愛情が薄れたわけではない。
むしろ、罪悪感からか、性行為以外では、
自分からスキンシップを求めるようになった。
でも正直、セックスは苦痛になってきたかもしれない。
「あっ!いっ!あっ!……んっくぅっ!はっ!はっ!はっ!」
機械的に嬌声を出すのは旦那を騙しているようで気が引ける。
かといって、演技無しでじっとしているのは可哀想だ。
「直哉っ!直哉ぁ!……だめ、いっちゃうっ!……いっちゃうっ!」
何より、中で出されることに対して、
少し抵抗感が出てきた。
なんだろう。
パズルのピースが上手くはまらないような違和感。
「い、っくぅ!……いくいくいくっ!……あっあぁんっ!もうだめっ!」
旦那の匂いに包まれたベッドの上で、
あたしは直哉に真っ白にしてもらえる。
やっぱり、何も着けずにつながるのは、とても気持ち良い。
大好きな人と、一つになる。
これ以上の幸せがあるのだろうか。
直哉の硬さや大きさを、直接感じ取れる。
あたしのお尻を掴みながら、直哉はあたしの痙攣が治まるのを待ってくれている。
膣内が締め付ければ締め付けるほど、直哉の形がわかる。
直哉のペニス。
反り返り、暴力的なフォルムの、
見るだけで胸がどきどきする直哉のペニス。
「もう動いて良い?」
あたしは声を出す余裕もなく、ただ首を縦に振った。
「あっ!だめっ!そんな、はげしっ!……あんっ!あんっ!あんっ!」
そんな激しくされたら、またすぐイっちゃう。
「ああ、俺もいきそう」
「あっ!いっ!いいよっ!出してっ!直哉ッ!出してぇっ!」
「安全日?」
「うんっ!大丈夫だからっ!……きてっ!きてっ!……あっあっあっああっ!」
嘘。
本当は、安全日でもなんでもない。
むしろ、危険日。
でも、もう我慢出来ない。
自分を誤魔化せれない。
いまさら、旦那と離れる事なんて出来ない。
だから、せめて、直哉、
あなたの子を、
孕ませて。
「あ、やばっ」
「いいよっ!きてっ!直哉っ!好き!好きだから!
 あっ!あっ!あんっ!あんっ!……直哉、直哉、直哉ぁっ!」
一瞬直哉のペニスが、硬いままぐわっと大きく膨張する。
すごい。
本当に破裂しちゃうんじゃないかって心配になるくらい。
そしてその直後、あたしの奥を勢い良く断続的に叩く、
熱い多量の精液。
すごい、まだ、射精している。
ずっと、あたしの子宮口を、熱い液体でノックされている。
直哉の長いペニスは、あたしの奥の行き止まりまで押し付けら、
そして直接送り込むように、射精を続けている。
だめだ。
おかしくなる。
人間も、所詮動物なんだと悟る。
これはセックスじゃなく、交尾なんだ。
本能が求める、繁殖行為。
愛するつがいに、種つけされる幸福感は、
あたしの身体と心を、支配していく。
「愛してる……直哉、愛してる」
うわ言のように、勝手にその言葉が口から漏れていく。
「俺もだよ。香織。愛してる」
「あっああぁっ!」
すごい。
言葉だけで、イッてしまった。
精子を送り込まれながら、
種つけをされながら、
愛の言葉を囁かれ、
あたしの脳は、性的絶頂を迎えた。

ぼうっとした意識の中で、
あたしの中から、直哉が出て行くのがわかった。
嫌だ。
抜かないで。
もっと一緒にいたい。
もっとつながっていたい。
もっと、もっと、出して欲しい。
その願いは声にならない。
「あ……あ……」と呻いているだけ。
直哉に広げられた膣口から、
熱い精子が垂れていくのがわかる。
出て行かないで欲しい。
勿体無い。
栓をしてほしい。
後戯をしながら、直哉が呟く。
「今日安全日って嘘だろ?」
あたしは、黙っていることで肯定した。
どちらにせよ、動物としての絶頂の余韻が続いてうまく喋れない。
「良いのか?」
その問いに、なんとか首を縦に振る。
そして喉を振り絞る。
「……欲しい」
「あ?」
「直哉の……赤ちゃん、欲しい」
彼は鼻で笑うと、
また反り返り始めていた肉棒を、
膣口にあてがい、そして入れた。
「あ、ああああ」
「産んでくれる?」
そう言いながら、緩やかなピストン。
「あっ、あっ、うん、産む!産みたいのっ!」
まだ完全に勃起はしていないようだけど、
それでもあの人よりかは、比べ物にならないほど硬く大きい。
あの人って、誰だっけ?
わからない。
もう、今は、この人の精子で孕むことしか、考えられない。
「カリってさ、他の男の精子を掻き出すためにあるんだぜ」
そうなんだ。
気持ち良くしてくれるだけじゃないんだ。
じゃあ、昨晩出された、あの人の精子を、
直哉の逞しく出っ張ったカリで掻きだしてね。
ごりごりって、掃除して直哉だけの精子だけで一杯にしてね。
他の男の人の精子なんて、嫌だから。
直哉のじゃなきゃ、嫌だから。
さっき出した、直哉のは、奥に押し込んで。
それで、孕ませて。
「出すぞ?」
「はぁっ!あっ!……はい」
「孕めよ?」
「はい……あっ!あっ!あっ!……あんっ!あんっ!あんっ!
 ああ……直哉っ!直哉ぁ!……あああぁんっ!」

あたしの子宮口にぴったりとくっついた、
直哉の力強い亀頭から、二回目とは思えないほど、
勢い良く精液が放たれた。
それを受け入れながらも、薄れゆく意識の中で、
恍惚の波に溺れながらも、
かつて愛していた人の名前を、
必死に思い出そうとしていた。
謝罪のため?
自己弁護のため?
わからない。
どれだけ手繰り寄せようとしても、
頭に浮かぶのは、現在進行中で、
あたしに力強い射精で種つけを続けている、
若く、洗練された男の人の名前と顔だけ。
ごめんなさい。
今は顔も名前も思い出せないけれど、
かつて愛していた人の事を、強く考えながら、
あたし、この人の子供、産みます、
直哉を、愛してるんです、
と誓った。





後日談

〜数が月後〜

「なんだい花本。やけに機嫌が良いじゃないか?」
同僚にそう指摘されて、顔が緩んでいたのを自覚する。
先ほどまで何度も読み直していた携帯の画面を閉じながら、
「いや別に」
と、そう冷静を装いながらも、
同僚が運転する社用車から飛び降り、
スキップで街を駆け巡りたい衝動に駆られる。
にやにやと窓から外を眺める。
自分が幸せだと、灰色だらけの街並みも、
どこか色鮮やかにうら見える。
その光景の中に、見覚えのある建物を見つける。
そうか、この辺だったな。
「すまん。ちょっと止めてもらってもいいか?」
「ん?トイレか?」
「ああ、ちょっとな」
「わかった」
道端に車を止めてもらい、そしてその店の前に立つ。
菊池堂。
ドアを開けて、中に入る。
店内には、例の若者が一人レジに座っていた。
「やぁこんにちは」
そう声をかけると、
若者は「いてっ!」と声をあげた。
「どうした?」
訝しげにそう聞くと、苦笑いで
「いやなんでもないです」と答えて、
「今日は奥さん休みですよ」と続けた。
「ああ、知ってるよ」
何故なら、先ほど、病院に行った帰りにメールを送ってきたからな。
俺は咳払いを一つすると、
「まだ誰にも言ってないんだが、実は妻が妊娠してね。
 だからそのうち休みを貰うか辞めるか、という事になるんだが、
 その辺はよろしくお願いするよ」
と軽く頭を下げた。
若者は一瞬の間を置いて、笑顔を浮かべ、
「本当ですか?おめでとうございます」
と、少し興奮気味にそう言った。
これ以上ないほどの優越感。
君が片思いしてた女性は、俺の子供を孕んでいるんだぞ。
女に不自由したことはないだろうが、
本当に良い女は俺のものだぞ、
という少し歪んだ優越感。
しかし初めての子供。
愛する妻とのあいだの、初めての子供。
それくらいの浮ついた気持ちは、致し方ないだろう。
「まぁ、そういうことだから」
そう言いながら、店を出る。
香織は怒るだろうか。
勝手に店の人にそんな事教えて。
まぁそれくらい、夫である特権だろう。



「……行った?」
「行った行った」
俺は笑いながら、レジの下に座っていた香織の頭を撫でる。
「ああ、びっくりした」
病院に行き、妊娠の報告をいち早く店にまで報告しにきた香織は、
自分の子がそのお腹に宿っているという事実に興奮した俺に、
レジの下で、フェラをさせられていた。
旦那への報告メールは、その時にさせた。
「俺も。ていうか痛かったんだけど」
「ごめんごめん。だってさ……」
急に旦那の声が聞こえた香織は、俺のちんこを軽く噛んだ。
まぁ仕方ない。
二人でクスクス笑いあう。
そしてフェラ再開。
いまだ見える、旦那の背中を見ながら、
香織のフェラの感触を楽しむ。
香織の舌の柔らかさ、唾液の暖かさを感じながら、
旦那を見送る。
最高のおかず。
「跡取りだからな。元気な子産んでくれよ」
「ばーか。こんな汚い店で働かせないわよ」
「うわひっで」
香織は、「ふふ」と楽しそうに笑う。
「な?パイズリしろよ」
「うん」
最近教えた。
これだけの爆乳なんだから、使わないと勿体ない。
少し大きくなった気もする。
妊娠の影響?
気のせいかな。
香織が一度、俺の亀頭にキスをすると、
俺のちんこは、瞬く間にその白く豊満な乳房に包まれ隠れる。
すっぽりと、柔らかくしかし張りのある肉に埋まり、何も見えなくなる。
唾液を垂らして、左右の乳房を摺り合わせるに動かす。
まだぎこちない。
時折、俺の様子を伺うように上目遣いで見てくる。
その視線がくすぐったい。
「なぁ香織」
「ん?」
「安定期になってもさ」
「んー」
「旦那にはやらせるなよ」
「え?なんで?」
「だってさ、お腹にいるの俺の子じゃん。
 なんか嫌じゃん」
「馬鹿ね」
香織はくすくすと笑うと、
「わかったわよ。パパだけ、ね?」
と囁くように言った。
「ああ」
「パパ……愛してる」
「ああ、俺もだよ」
「あたし、直哉のだから」
「ここも?」
そう言いながら、香織のお腹を撫でる。
「うん。全部……パパのだよ」
旦那がこちらを振り返る。
俺と目が合った。
ニコニコと、俺に対して手を上げた。
俺は右手を上げて、それに応えながら、
左手で香織の頭を抑え、
パイズリをさせながら、
さきっぽだけ咥えさせ、
そして射精した。
手を上げる旦那を見ながら、
射精を続け、
「飲めよ」と命令する。
「はい」という返事のあと、
コクコクと喉が鳴る音が響いた。
手を振り、香織の口を犯しながら、
子供の名前と、何人産ませるかを考えた。



終わり


後書き
5作目です。
今回でひとまず人妻は終わりです。
ただ人妻モノはまたそのうちやると思います。
1作目を書いた時は、6〜7作作れれば良いと思ってましたが、
今ではアイデアのストックが更に11作分溜まってきています。
レス乞食と言われても仕方ないですが、
やはり批評を含めて反応があると、
嬉しくてモチベーションが俄然上がってしまいます。
なので、ここまで投稿を続けてこられたのは、
読んでくださって、そのうえ感想を書いていただいた読者の皆様と、
面倒臭いであろう作業を肩代わりしてもらっている管理人様のおかげです。
本当にありがとうございます。

今回は、思ったよりビッチ萌えになりませんでした。
ビッチ萌えやただの浮気は寝取られじゃない、という方もいますが、
個人的には、好きな人が他の男とHをしていれば寝取られ、と思っています。
要は悔しくて勃起できるかどうかなので。
問題は、取れらて悔しいヒロインを描けるかどうかですが、
この辺はまだまだ精進が足りないと思っています。

いつか、読んだ方が、吐き気を催したり、壁パンしたくなるほどの、
しかし勃起をしてしまう、という作品を作りたいです。
あとこれも個人的な見解ですが、女の子が寝取られてしまう
明確な理由というのは、あまり要らないと思っていたりもします。
現実でも、真面目な子が、その場の空気に流されて浮気してしまう。
そんな事を何度か目にしてきました。
だからといって、女性を蔑んだり、不信になったりはしません。
同じ人間なので、そういうこともあるよね、といった感じです。
そして、そういう女の子を描きたい、とも思ってます。

次作は、いい年をして最近はまり始めたライトノベルの影響を受けて、
少し突飛、というかコミカライズされた感じのキャラや雰囲気で話を書く予定です。
そういうノリで読んで頂ければ幸いです。
ただ私事で恐縮ですが、失業してしまったので(笑)
ちょっと遅くなるかもしれません。
お金があれば同人サークルでも立ち上げたいのですが、
未だにメモリが516MBのPCを使ってるくらい極貧生活なので、
とても叶いそうにはありません。
人妻万華鏡のアニメもカクカクです(笑)
それでは、また。

21:13 : 投稿作品 : comments (47) : trackbacks (0)
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Comments

毎度毎度GJです
最近NTR不足の中で良くここまでSSを書いてくれると感心するし喜ばしいよ
毎月楽しみにしてますんで、次も好きな作品書いてくださいな
俺は充分鬱勃起してるよ
...2011/09/07 10:42 PM
エロ描写◎
NTR感△−
旦那が浮気に気付かないのはNTRとしてはマイナス点な気がします。
...2011/09/07 11:38 PM
エロ描写は抜けるけど、寝取られ成立してないんですよね
...2011/09/07 11:41 PM
うーん全然興奮できない
そりゃ主人公は凄いショックを受けるんだろうが
読み手からすればこんな糞女が寝取られてもなーって感じ
そういう意味では理由付けまでとは言わなくても心理描写はやっぱり必要だと思う
少なくとも読み手にこのヒロインを寝取られて悔しい、鬱だって思わせる何かがないとなー・・・
ただの抜き系SSなら結構いいと思うが寝取られとなると微妙
...2011/09/08 12:25 AM
寝取られとしては弱い印象。

旦那が寝取られに気付くor間男が本気ではない事が旦那か嫁が気付くとかしない焦燥感が足りないか。登場人物誰にも焦りがないから緊張感が無いのかな?

前作と同じでエロさのお手軽感はあるけど、どちらもそのせいで寝取られ感が弱いです。
...2011/09/08 12:38 AM
寝取られ側が鈍くて気付かないってのは基本プロットだとは思うが、この作者さんの書く寝取られ側は鈍いを通り越してるので、逆に覚めちゃうかな。キャラが見えなさすぎて半分空気。
...2011/09/08 12:52 AM
お金ないなら、出資したい。
5000円くらい。
いや、金が無理ならこの作品に絵をつけたいわ……

>>あとこれも個人的な見解ですが、女の子が寝取られてしまう
明確な理由というのは、あまり要らないと思っていたりもします。
現実でも、真面目な子が、その場の空気に流されて浮気してしまう。
そんな事を何度か目にしてきました。
だからといって、女性を蔑んだり、不信になったりはしません。
同じ人間なので、そういうこともあるよね、といった感じです。
そして、そういう女の子を描きたい、とも思ってます。

わかるわー。すごく同意ね。男女問わずそういう弱さや理不尽で理解しがたい点も含めて人間だと思う。
未ダ密...2011/09/08 12:58 AM
いっそ汚嫁がもう愛せないから別れると言い出した方が寝取られ感があるな
...2011/09/08 12:59 AM
よしのさんが養ってくれるよ
...2011/09/08 02:17 AM
たしかにNTR老兵の方からするとうーんって感じなのかもしれませんが、私は結構好きですね。
1,2作目同様に寝取り男が嫁(彼女)を性処理道具くらいにしか見てないってシチュがツボなのかもしれません。

それと相変わらず水準以上のバストサイズでありがたいですw

これからも楽しみにしてます!
...2011/09/08 02:23 AM
俺にもう少し画力があれば漫画なり挿絵なり描きたい
サークルで作品出したら少なくともここの住人には売れそうだなー
...2011/09/08 04:09 AM
今回のは、NTRと言うより寝取りだだから感想は、止めておこうかと思った
けどみんなちゃんと感想を書いてるなぁ
ただエロ描写は、よく書けてるとは思うがそれだけ・・・だね

>>あとこれも個人的な見解ですが、女の子が寝取られてしまう
明確な理由というのは、あまり要らないと思っていたりもします。

同意!切欠は、些細な事で良いです。そこからのめり込んでいく姿が
見たい分けですからw


>>現実でも、真面目な子が、その場の空気に流されて浮気してしまう。
そんな事を何度か目にしてきました。
だからといって、女性を蔑んだり、不信になったりはしません。
同じ人間なので、そういうこともあるよね、といった感じです。
そして、そういう女の子を描きたい、とも思ってます。

それですまないのが、現実な分けですがw・・・まぁそれは、横に置いて
おくとして自分は、NTRの課程も重要ですが物語オチもしっかり描いて
欲しいです。
読んでいる時は、鬱なんだけど読み終わったら何所か清々しい作品をお待ちしています。NTRってMとS間を行ったり来たりするモノだと考えて居ますので
...2011/09/08 04:33 AM
トレマーズ吹いたww

次も期待してます!
...2011/09/08 04:48 AM
嫁がビッチ過ぎて萌えませんでした。
...2011/09/08 05:39 AM
嫁さんが壊れてて気持ち悪い。ビッチ萌えに程遠い様に思うが…。

浮気の一線を超えるのに明確な理由は要らないには同意だけど、その後の浮気が本気になったりや、ぞっこんになったのに旦那、彼氏と別れないって部分は丁寧に理由付けが欲しい。
この作者さんの話は一線超えてから堕ち切るのが一瞬なのが特徴だと思うけど、いつもそこで極端に冷めてしまう。ああ、また、ファンタジーだって…。
...2011/09/08 09:16 AM
マジカルチンポすげー。
...2011/09/08 09:28 AM
ビッチ不評みたいやけど俺は楽しんで読めた。

一番最初にコメした人が書いてるとおりここの意見を参考にするのはいいけど
あくまで作者さんの好きなようにかいてほしい。

批評がモチベーション向上に繋がるのはいいことだけど同一人物が自分の主張を書き込みまくる可能性だってあるわけだからあまり鵜呑みにせんほうがいいと思うよ。
...2011/09/08 11:44 AM
彼は嫁の事をどう思っているのだろう。
いつもどおりの所詮は都合の良い肉便器かな・。
間男もガチで嫁(彼女)に惚れていてお互いに愛し合う展開ってのも読んで見たいです。純愛ものですねw
...2011/09/08 03:26 PM
>この作者さんの話は一線超えてから堕ち切るのが一瞬なのが特徴だと思>うけど、いつもそこで極端に冷めてしまう。ああ、また、ファンタジーだって…。


今まではともかく今回のに限ってはその辺がロジカルかつ丁寧だったと思う
これで一瞬堕ちとか言われたら寝取られ創作は全滅じゃないか?
一線越える=堕ちるだしな

個人的には貧乳ヒロインを所望する
しかし寝取られには巨乳が映えるというものわかっているからジレンマ
...2011/09/08 03:39 PM
さすがに数ヶ月もあれば、間男が自分にさほど本気でないのは気づきそうなもんだけど
そんなけ密に会ってたら当然、他の女の気配ってするだろうし
それとも、間男が嫁にハマって他を切った可能性もあるのかな?

同じ話で旦那が嫁に違和感持たないのも不思議

あれ?って感じのスレスレ感がネトラレにはいると思う
...2011/09/08 03:44 PM
嫁の心が完全に移動したのがよかった。文章はエロに関係ない部分が長いかなと思ったが、実用というか、そういう部分があるからエロが映えるのかな。
...2011/09/08 04:12 PM
いや読み飛ばしてエロだけでも抜く分には支障ないけどw
...2011/09/08 04:34 PM
もう少しクズ男にするか完璧超人にするか寝取り側が中途半端な感じがする
...2011/09/08 06:39 PM
導入はシンプルで良い。エロ描写がやはり最高に抜けるな。
だけど他の人も書いてるけど今までのより明らかに嫁が完全にただの変な人になってる所が俺はあれだったな。
あと毎回堕ちてからのエロがあまりにもありえなさすぎな所も気になるw些細な事なんだけどね
...2011/09/08 09:51 PM
相変わらずエロい
次もいい作品頼む
...2011/09/08 10:32 PM
内容については人それぞれだから感想はおいといて
改行が多すぎなのと適当なところでスペース入れないから読みにくかったかな
作者は携帯・スマホを意識しちゃった?
まあコピペして自分で読みやすいように組み直して保存するからいいけどさw

あと文句言ってる人は自分で好きなように書いてみるといいよ
文章なら誰でも書けるし実は俺も最近よく書いてる
完全に自分好みに書けるからこれが結構使えるw
イラストもずっと練習してるから
最近はキャラ表作って部分的にコミカライズもしてさらに楽しい

一人でコツコツ頑張ればなんとかなるんだから
クレクレしてないでちょっとは頑張ってみなよ
         ...2011/09/08 11:26 PM
女の人のキャラがいつも同じなのはこういうタイプが好きなのかな?
文章は上手だと思うけど毎回女の人のキャラが同じなのは読み手として
正直飽きるかなぁと

今度は違う女の子像でがんばって!
...2011/09/08 11:27 PM
>改行が多すぎなのと適当なところでスペース入れないから読みにくかったかな
これは中盤〜終盤のあたりのことね。作者が書き急いだのかもしれないけど。
         ...2011/09/08 11:28 PM
寝取り側としてのNTR好きだからめちゃツボだわ
バレない展開ってのは最高。
...2011/09/09 02:41 AM
てか直哉と後輩はどうなったの?見限って香織についたのか、後輩と今も続いていて香織を孕ますだけの女にしてるのか気になる。そこ如何で後日談の見方が変わるからなぁ
...2011/09/09 03:04 AM
セックスで女性を屈服させるってのは、男的には夢なわけで、作者殿の話は寝取り側視点で見ると凄くエロいし気持ちいい。ただ、寝取られ側としては…?

まぁ寝取られ話なんだからセックスがメインだし、これが無ければ成り立たないわけだけど、女性が気持ちを移すってことは、セックス以外の繋がりの面でも間男に及ばない&つけ込まれてるって丁寧な描写は欲しいかな。

今までの作品通して振り返ると、これが成り立ってるのって、3作目の枝里子かな?ただ、あれはあれで枝里子が何で旦那を愛してるのかが分からんのだけど。
...2011/09/09 06:08 AM
>あれはあれで枝里子が何で旦那を愛してるのかが分からんのだけど。

林に捨てられた後、旦那を代役として心の支えとして利用していただけで、愛してなかったんじゃないかと思いますが。
...2011/09/09 09:04 AM
>だからといって、女性を蔑んだり、不信になったりはしません。
なんという心の広さ!!
俺なんて、不本意ながら寝取られモノにハマってしまってから
”女はケツの穴から糞に混じって出てくる説”支持派になってしまったのにww

>同じ人間なので、そういうこともあるよね、といった感じです。
まぁ、しょせん穴(膣)と袋(子宮)に肉が付いてるだけの存在なので仕方ないですよねー(棒読み)

一応言っておくと、リアルで女性に関わる事の無い人生を送っているので、上記のような思想が生身の女性に向けられることはありえないのでご心配なくwww
...2011/09/09 09:14 AM
無職ということでハロワ帰りに昼間から書き込みです
ご感想ありがとうございます
気になった感想に関して返答させて頂きます
まずは挿絵云々と書いてくださっている方がいますが、正直憧れです
自分もいつか挿絵を付けて、同人で売れるくらいのクオリティのものを作ってみたいです

>NTRの課程も重要ですが物語オチもしっかり描いて欲しいです。
個人的には過不足無くきっちり落としてるつもりなので、
この辺の感覚はもう変わらないと思います。すいません。
ただオチが清清しい話はそのうち書く予定です。
とある話の後日談です

>毎回女の人のキャラが同じなのは読み手として正直飽きる
それは自分も重々承知していますので、これからは色んなタイプの女性を
書いていくつもりです。
次回は後書きでも書いたとおり、ラノベ(漫画)ちっくな変わった子ですが。

>セックス以外の繋がりの面でも間男に及ばない&つけ込まれてるって丁寧な描写は欲しいかな。
あくまで間男とは身体だけ(のつもり)。でも肌を合わせ続けて、肉欲と愛と混同していってしまう女性が好きです。
セックスとは関係無いところで、純粋に間男の人間性に惹かれていくのは個人的な欝勃起ポイントに外れるので自分には難しいかと思います。

>作者殿の話は寝取り側視点で見ると凄くエロいし気持ちいい。ただ、寝取られ側としては…?
はっとさせられました。きっと自分は、寝取り男視点で文章を書いています。
ただ次作はそうもいかない展開なので、悔しがる寝取られ男を書かなければならないでしょう。

あと好きなように書いて、とありますが、批評は批評として受け止めた上で、結局は自分の好きなように書くしかできないので、その辺りは大丈夫です。
長々とすいませんでした。
作者です...2011/09/09 01:04 PM
リアル風味のエッチシーンを目指してるんだろうけど
最初から創作ってみんなわかってるんだから淫語なども入れてもいいかなと思った。
...2011/09/09 01:26 PM
ここ作者も来るのか
すげーなw
...2011/09/09 09:14 PM
作者さんお疲れさまでした。

>あくまで間男とは身体だけ(のつもり)。でも肌を合わせ続けて、肉欲と愛と混同していってしまう女性が好きです。

作者さんの嗜好に楯突くわけではないんですが、薬でハイになってヤバいと思っても、止められなくて、おかしくなるのは、残念ながら当人の責任ですよね?作者さんの女性キャラはタイプなんで、自業自得と感じて、堕とされて悔しいにならなくて、屈服させて爽快の方なんですよね。

んで、麻薬のような都合のいい?セックスで堕ちる(=マジカルチンポ堕ち)は、旦那(彼氏)が何ともしようがないじゃんで、交通事故みたいなもんだって感じで、これまた悔しくないんですよね。

エロメインだとヒロインの葛藤ってのは邪魔かもしれないけど、ヒロインが悩んでるのを知ってるのに、上手く断ち切れなくて、ずるずる袋小路に追い込まれて、結局は間男に取られたとかだと、悔しくて鬱になるかも。でも、鬱勃起しないか(汗。
...2011/09/09 11:51 PM
短い文章で視点の変更が多過ぎだと思います。
性描写ありで旦那が浮気に気付かれていない設定なので妻視点が多くなり夫に感情移入しづらいです。
妻視点で夫を描写した方がいいかも知れません。浮気相手は夫がいることを知っていて妻も黙ってる。夫は蚊帳の外。事実は妻の浮気にあるので夫が妻にする行為のすべては滑稽で、だからこそ物悲しく描けると思います。

托卵オチですが浮気相手とは結婚できないから子供だけでも欲しいというならわかりますが、その結論に至る描写がないせいで妻が夫を食い物にするだけの性悪女に見えてしまいます。

締めも浮気相手の述懐なので寝取られと言うより寝取りになってしまいます。寝取られとしての体裁を整えるなら最後だけは夫視点で、自分の子ではないと気付かないといけないと思います。
...2011/09/11 01:35 PM
直哉に俺たちの関係って?聞かれた時に、嘘でも、ただのセフレだよって応える強情さが香織に欲しかった。
セフレって言ってたくせに、誘われたら断らないし食事やら気を使ってくれて、浮気相手も結構本気になったりとか。

で、女は女でどっちが好きか良くわからなくなって、罪悪感から旦那には尽くしまくるし、かといって浮気相手のことも本気で世話してたり、約束が被った時には旦那を優先するけど浮気相手は切れないとか、
徐々に寝取られが進んでるとか、そういうグダグダを期待したい。

寝取りは完全に寝取らないと達成ではないが、寝取られは完全じゃなくても成立はする。やっぱり旦那が大事と旦那と再構築に入っても、幾つかのプレイ(例えばお尻とか精飲、パイズリなどなど)が浮気相手には許してたとかで十分寝取られになるし、鬱ポイントになる。
...2011/09/11 03:07 PM
ビッチ萌え〜。最高。実用的すぎる。視点がころころ変わるのも各視点で興奮できるところに移動するからたまらん。
...2011/09/11 03:35 PM
エロ描写素晴らしかったです。

ただ、香織さんの最初の浮気は興奮させられましたがそれ以降はなくても良かったのではと思いました。

1つは、香織さんが旦那に対して愛情が無くなってきた感じがすること。
最後に、旦那に隠れて浮気し続けるのは個人的に興奮できなかったからです。

例えば、香織さんに内緒で旦那と菊池君が連携してたという設定にすれば個人的により興奮できたのですが。
EDで香織さんを満足させられない悩みを持つ旦那が菊池君に香織さんを満足させるように依頼するなど。
...2011/09/11 08:48 PM
体だけでなく最後の方は心まで持っていかれた展開だったので残念でした。
...2011/09/12 10:55 PM
挿絵は読者の想像が多種多様だから、マイナスになる気がする。

私はコピペして、アイドルとかAVの画像を薄くグレーアウトしたのを背景にして楽しんでるけど。
...2011/09/13 09:20 AM
挿絵は俺もパスかなw
...2011/09/20 02:32 AM
すごく好み
...2013/08/16 10:41 PM
このはなしが一番抜ける
そして読んでいて一番悲しくつらくなる
...2015/07/26 08:55 AM
確かにこれが一番抜きには使える。
恐らくNTRではなくて堕ち物として完成系の一つだからだと思う。
...2015/11/05 01:00 PM

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