2011.06.19 Sunday
バッグの中の、マナーモードの携帯が震えている。
健二君が視線だけで、出なくても良いのかを尋ねてくるが、
どうせ亮太のはずがない。
あたしが家で寝てると思って、
香世子ちゃんと家で遊んでいる亮太が、
今あたしなんかにメールを送るはずがない。
健二君の舌が鎖骨から首筋を舐め上げてくる。
まるでアクション俳優のような鍛え上げられた彼の身体とは裏腹に、
その舌は、暖かく、そして柔らかい。
当たり前か。
舌の愛撫と同時に、彼の指があたしの乳首をそっと撫でる。
身体が勝手にビクッと震えてしまう。
感じたくない。
この期に及んで、そう思うのは、亮太に対する罪悪感なのだろうか。
あの時、車を飛び出して、部屋に駆け込み、二人を問い詰める強さは、あたしには無かった。
だからといって、なんで健二君と、こんなことをする必要があるのか。
理屈に合わない。
亮太に対するあてつけ?
違う。
不思議と、怒りはなかった。
ただ、恐怖だけ。
あたしと亮太の、穏やかな日常が、崩れていく恐怖。
そう。
きっとあたしが弱かったから。
考えるのも、抵抗するのも、全てを放棄して、
流れに身を任せることしか出来なかった。
幸か不幸か、健二君は偶然にも、あたしと亮太が行ったことのある
ラブホテルに車を停めて、そして、泊まったことのある部屋を選んだ。
普段あまりこういう所に来ないあたしと亮太だから、
その確率はどれだけのものだったんだろう。
とにかく、今あたしの上に覆いかぶさり、あたしの下着を慣れた手つきで剥ぎ取りながら、
愛撫をしてくる、上半身裸の男性は、きっと亮太なんだ。
今亮太の部屋で愛し合ってるのは、健二君と香世子ちゃんで、
それで仕方なく、あたしと亮太は、こんなところで、愛し合っているんだ。
そう思いこまなければ、やってられない。
そんな馬鹿馬鹿しい妄想に浸ることでしか、自分の心を守れない。
これは、亮太。
これは亮太なんだ。
そう思いながら、ただじっとベッドの上で、死体のように横たわる。
それでやり過ごそうと思っていたのに、
時折感じる小さな違和感。
それはきっと、あたしを愛撫する今の亮太が、いつもの亮太より明らかに上手だということ。
それは優しく、そして時折少し痛いくらいに強く、
直接的だと思いきや、焦らすように局部の周辺を撫でてくる。
「んっ」
我慢しようとしてたわけじゃない。
元々、いつもは前戯の時に声なんか出ない。
だから声を我慢しようなんて考え、初めからなかった。
なのに、不意に出たその上擦った声は、一瞬誰の声なのかわからなかった。
「あっ…………や…だ…」
しかし続けて出始めたその声は、やはりどう考えても自分のもので、
あたしはその事を恥ずかしいと思うよりも、むしろ驚愕した。
(入れてもないのに、こんな声出るんだ……)
そう思った直後、あたしは強い罪悪感に襲われた。
亮太のそれよりも感じてしまっている自分に、
顔を覆いたくなるほどの恥辱を感じた。
もう実際してしまっているのに、そういう問題ではないとも思うんだけれど、
やはり頭の中からそういった考えを放り出すことは出来ない。
幾度となく抱かれた亮太より、
どれだけ愛情をこめて抱かれた亮太より、
健二君の愛撫の方が、気持ち良い。
それを認めたくなく、これは無意識のうちに、
浮気による罪悪感で、いつもより興奮しているだけなんだと、
健二君の愛撫で声を上げながらも、自分を欺け続けた。
(そういえば、最近してなかったな)
亮太とも、自分でも、ここしばらくはご無沙汰だった。
もともと性に関しては、興味が薄かったから、今更そんなことに気づいた。
自分でもわからないうちに、溜まっていたのかもしれない。
かといって他の男性とセックスがしたかったわけじゃない。
当てつけでもない。
ただ色々と面倒くさくなって、一時的に破滅願望に襲われただけ。
だから小一時間、口を縛って、じっと目を瞑っていれば済むと思っていた。
でも、あたしの口からは、絶え間なく、甘い吐息が漏れ続けた。
徐々に身体が熱くなっていくのがわかる。
あたしは何だか悔しくて、嬌声を上げる合間にも、
執拗とも思えるくらいに、何度も亮太の名前を呼んだ。
目を瞑っていたから、健二君がどんな顔でそれを聞いていたのかはわからない。
目を開けてしまったら、あたしにこんな声を出させているのが、
亮太じゃないとわかってしまうから。
何度か唇を求められたけど、あたしはその度に、ことさら口を縛っては首を横に振り、拒絶した。
亮太と思いこもうとしながらも、亮太ではないと認めているその行動に、
自分で矛盾を感じながらも、その愛撫を受けていく。
歯を食いしばって、声を我慢する。
気持ち良くなんてない。
感じてなんかない。
そう思えば思うほど、ふつふつと全身に泡立つ感覚に気づかされていく。
自分の太ももを、もしかしてお漏らしをしてしまったのかと危惧するほどに、
何か多量の液体が流れていくのを感じる。
身体はもうどこを触られても、腰を浮かせてしまうほどに敏感だ。
そんな時、不意に
「もう、いいよね?」と耳元で囁やかれた。
明らかに亮太のとは違う、その男性の声に、泣きそうになってしまう。
でも身体は、このまま逃げて帰ることなど、到底考えも出来ないほどに、
熱くなってしまっていた。
「ゴム……して」
はっきりとそう口に出来たのは、亮太に対する気持ちどうこうというよりは、
自分の誇りを保ちたかったからなのかもしれない。
(こんなの、初めてだな)
コンドームの準備をしている健二君の背中を見ながら、心の中でそう呟く。
亮太とするのが、気持ち良くないわけではない。
好きな人と、肌を合わせるのは、とても幸せで、心が満たされる。
でも健二君の愛撫は、崩れかけたあたしの心を縫うように、
かつて感じたことがない、快感の高ぶりを与えてくる。
亮太とは、極端な話、文字通り一緒に寝るだけでいい。
それだけで、満足する。
このまま、この人と、ずっと一緒にいたいと思える。
正直、亮太で絶頂を感じたことはない。
それを感じたのは元彼と、あと、たまに自分でする時だけだ。
コンドームの包装を破く音がして、その数秒後、あたしの足が抱え上げられる。
その間、あたしは頭の中で、亮太の名前を連呼した。
亮太の顔を鮮明に、思い描いた。
ジンジンと熱くなった下半身に、それ以上に熱く、そして硬い何かが押し付けられる。
亮太。
亮太。
亮太。
ごめんね。
謝る必要なんてあるのだろうか。
わからない。
何も、わからない。
亮太の気持ちも、そして自分の気持ちも。
硬い何かが、あたしの中へと押し入る。
少し痛みを感じるほどの、圧迫感。
健二君のそれを、まだ一度も目にはしていないけれど、
明らかに、亮太のより大きい。
やっぱり嫌だ。
亮太以外とつながるなんて。
そんな思いは既にもう遅く、
健二君は、あたしの上で、ゆっくりとピストンを開始していた。
その運動が始まっても、相変わらずあたしは、
目を瞑り、口を閉じ、歯を食いしばっていた。
ベッドが一定のリズムで軋む音と、
粘液がいやらしく擦れあう音だけが聞こえてきた。
他人が、あたしの奥まで入ってくる感触。
その全てが、不快、のはずなのに、
あたしの口からは、時折甘い声が漏れていく。
「あっ……だめ……そこ」
嫌だ。
こんなの、嫌だ。
気持ち良い、と口に出してしまいそうになる。
その度に、何とかそれを飲み込む。
「あっ……んっ……」
感じたくない。
こんな声を、亮太以外に聞かせたくない。
でもやはりそう思えば思うほど、
健二君の硬さを、意識してしまう。
耳元で、「痛い?」と尋ねられた。
あたしは無言で首を横に振った。
すると今度は「気持ち良い?」と尋ねられた。
あたしは肯定することも、否定することも出来なかった。
認めたくはなかったし、でも嘘をつけるほど、冷静ではいられなかったから。
だから黙ることしか出来ない。
「ここ?」と聞きながら、健二君が少し角度を変えて突いてくる。
「あんっ!」
その度に、あたしの身体には、鋭い電流が流される。
やがて、身体の奥から、じわじわと何かが上り詰めてくるものを感じた。
怖い、と思った。
それが切迫すればするほど、頭の芯はじんじんと痺れたように、何も考えられなくなっていった。
「んっ……くぅっ……ふっ」
いつの間にか、あたしの腕は、健二君を抱き寄せるように、
彼の首に回っていた。
「いく?」と聞かれ、あたしは、首を横に振った。
「……や……だっ……こんな」
違う。
エッチでいった事なんて、無い。
元彼の時に、少し惜しかったと思えることが数度あっただけで、
亮太とは、一度もない。
とはいえ自分でする時とは、明らかに快感の度合いが違う。
やがて気を失ってしまうんじゃないかという危惧の中、
あたしの頭は、真っ白になった。
身体が、大きく跳ねて、くの字に折れ曲がったのが、自分でもわかった。
後悔も、罪の意識も、失望も、全て、
それは亮太の顔すらも、一瞬で消し去った。
自分の中が、健二君をきつく締め上げているのがわかる。
健二君は、それが苦しいのか、「うわ」と驚いたような声を上げた。
意識はぼんやりとしているのに、あたしの奥は、
まるで健二君を離したくないかのように、
断続的にぎゅうっ、ぎゅうっと、まとまりついているのがわかった。
その度に、健二君の形や、硬さがわかって、
それがすごくいやらしくて、それを再認識する度に、
小さな波があたしの身体を襲った。
いつの間にか、あたしの目は開かれていた。
健二君の、整った笑顔が、すぐ目の前にあった。
「イった?」
「……ってない」
呟くように、そう答えるのが、精一杯だった。
「嘘だー」とじゃれあうような笑顔の健二君。
あたしは、目を逸らして無視をすることしか出来なかった。
すると、不意に与えられる電流。
健二君が、少し動いただけ。
大きく上がる、誰かの甘い声。
それが自分の声だと信じられない。
「イってないんだったら、動いていいよね?」
健二君のその言葉を最後に、
あたしの意思は、半分以上溶けてしまった
どれだけの時間、あたしはベッドの上で、絶頂を与え続けられたのだろう。
やだ。
すごい。
太い。
硬い。
熱い。
気持ち良い。
健二君。
頭の中で、絶え間なくそう叫び続けた。
健二君は時折、
「俺も」とか、「千佳ちゃんの中も、すごいよ」と言っていたので、
それらはもしかしたら、口に出てしまっていたのかもしれない。
薄れゆく意識の中で、あたしは自ら舌を出し、健二君と唾液を交換することに没頭していた。
それは悪い夢だったと思いたい。
でも健二君の舌の感触と、唾液の味は、
嫌になるくらい鮮明だ。
絶頂の余韻に浸るわずかな時間すら与えられず、
ただただ、真っ白な時間が過ぎていった。
いつの間にか、あたしの胸元には、白い液体が大量に付着していた。
あたしの心臓は、もう破裂寸前といわんばかりに鼓動を刻み続け、
立ち上がることはおろか、声を発することすら叶わない程に、
身体は小さな痙攣に支配されていた。
ようやくまともな思考が出来るほどに、
頭がクールダウンしてくると、まず最初に
(こんなの、初めて)
と、素直な感想が浮かんだ。
(違う、そうじゃなくて……)
そんな考えを、振り払う。
汗を拭うように、手の甲を額に押し付けた。
まだうっすらと全身が痺れているような感覚。
それでも自分の身体が、溶けてしまいそうなくらい、
熱を帯びているのがわかる。
まだ少し息苦しい。
浅く短い呼吸しか出来ない。
なんとか上半身を起こし、ベッドの上で体育座りをする。
健二君は、トイレにでも行っているのか、姿が見当たらない。
シャワーの音がうっすらと聞こえてくるから、シャワーなのかもしれない。
上半身を起こしたせいで、胸元の白い液体が、
重力に従っておへそに流れていく。
その感覚に驚き、急いでティッシュを取り、そして拭き取って捨てた。
もう一度、蹲るように膝を抱えて座り直す。
自分の胸元から、精液の匂いが漂ってくる。
それが鼻をくすぐると同時に、あたしの目から、大粒の涙がぽろぽろと流れ出した。
(馬鹿なこと、しちゃったな……)
こんな後悔するのは、わかりきっていた事なのに。
自分の弱さと、浅はかさが情けなくて、
止めどなく涙が流れ続ける。
亮太に対する申し訳ない気持ちで一杯なのに、
その反面、今も身体は、快楽の余韻に浸っている。
そんな自分に嫌悪が止まらず、ますます涙が流れてくる。
「ひっ、うぐっ……うっ、うう」
その時、脱衣所から物音がして、
あたしは強引に嗚咽を止めた。
扉が開く音がして、
「ああ千佳ちゃん。気がついた?」と健二君。
半裸のまま、ベッドに近づいてきた。
返事はしない。
出来ない、と言った方が正しい。
あたしはシーツを身体に巻きつけたまま、
よたよたとして足取りで、でも早足ですれ違うように、脱衣所に入った。
そして急いでシャワーの栓を捻り、
少し熱すぎるくらいのシャワーで、自分の身体を流した。
熱湯を頭から被り、先ほど我慢した嗚咽を、
振り絞るように再開した。
額を浴室の壁に押し付け、愚かな自分の行動を呪った。
どれだけボディーソープで自分の身体を擦っても、
汚れが取れた感じは一切しなくて、
それは益々、この現状を招いた自分の馬鹿さ加減に、
より一層腹を立てることを際立たせた。
そんな折、背後で扉が開く音。
驚き振り返ると、全裸の健二君が立っていた。
「俺さっき浴びたけどさ、一緒に良い?」
「ちょっ、やだっ!」
あたしはそう小さく声を上げると、
慌てて両手で身体を隠すように、膝を屈んで小さくなった。
その背中を、笑い声とともに、抱きしめられる。
「いまさらじゃない?」
ごつごつした、筋肉質な身体。
少し怖いとすら思ってしまう。
これが、男の人の身体なんだって思ってしまう。
最近少しお腹が出てきた亮太の身体とは違って、
愛嬌なんか無くて、でも見てるとドキドキしてしまう。
「ほら、立って立って。洗いっこしようよ」
そう言い無理矢理あたしを立たそうとしてくる。
でも幾分冷静になったあたしは、亮太以外の人とそんな事が出来るはずもなく、
肌を見せているのも耐え切れず、無言でその場を去ろうとするも、
その鍛えられた腕で、いとも簡単に制止されてしまった。
その際、あたしは初めて、健二君の下腹部を、まじまじと見てしまう。
一度チラっと見てしまったが最後、
あたしは何度もチラチラと、それを横目で眺めてしまった。
それに気づいたのか、健二君は苦笑いを浮かべながら
「何?そんな気に入った?」と冗談っぽく口にする。
「…………違うし」
あたしは、しどろもどろで、そう返答するのが精一杯だった。
(大きい……)
男性経験は、元彼と亮太の二人しか知らないけれど、
二人とも大体同じくらいの大きさだった。
だから、男の人は、皆それくらいだと思っていたのに、
健二君のそれは、明らかに亮太のより一回り太くて、
それに大きくなってないのに、先っぽに皮が被ってなかった。
今更と言われればその通りなんだけど、
ただでさえ裸を見られて顔から火が出るくらい恥ずかしいのに、
健二君のそれは、その、なんというか、
見ているだけで、つい唾を飲み込んでしまう。
あたしがそれに気を取られ、硬直した隙をついて、
健二君が後ろから、抱きついてくる。
あたしの身体を優しく、でも力強くまさぐりながら、
「千佳ちゃんってさ、すごい着痩せするんだね」
と耳元をくすぐるように言った。
「う、うう、うるさい」
あたしはじたばたするだけで、その腕の中からは逃れられない。
しばらくあたしは、健二君の腕の中で抵抗を試みる。
しかし身体を密着させながら、そんな絡みあいをしていたからだろうか、
先程から、あたしの背中に、何か硬いものが押し当てられる感触がする。
勿論それが何かってことは、わかってはいたんだけれど、
わかってない振りをするので精一杯で、
でもやっぱり意識をしてしまうわけで、
ついついそれを見てしまう。
大きくなってる健二君のそれは、ぐいっと上を向いていて、
とてもいやらしい形をしていた。
先っぽも大きく膨らんでいて、ところどころに血管も浮かんでいる。
(こんなの、入ってたんだ……)
目を逸らさなきゃ、と思うんだけど、やっぱりどうしても、チラチラと見てしまう。
健二君は、そんなあたしの顎を掴み、不意打ちでキスをしてきた。
正直、もうあまり抵抗はなかった。
(今更……だよね)
さっき、思いっきり泣いたのが影響したのかもしれない。
舌を入れてこようとしてきたので、それは拒否して顔を離すと、
「ここでしちゃおっか?」とあっけらかんな口調の健二君。
「や、やだよ!」
「じゃあベッド行く?」
「そ、そういう問題じゃなくて」
「何?」
そう言いながら、また顔を近づけてくる。
ああもう。
正直、見た目は良いから、抵抗しづらい。
さっきまでの後悔を忘れてしまったわけじゃないけれど、
ついついその流れに押し流されてしまいそうになる。
またキス。
でも舌は入れない。
ちゅっちゅっと、ついばむようなキスを数度。
健二君の唇、すごく柔らかい。
そんなキスを繰り返しながら、健二君は、あたしの下腹部に手を伸ばしてくる。
指先で、あたしの敏感なところを、やさしく撫でてくる。
その指先が、くいっと曲がる度に、あたしの腰は、
意思とは関係無く、勝手にくねくねと捩れる。
キスをしながら、しばらくそうしてると、
健二君はあたしの手を掴み、自分の下腹部へと誘導した。
あたしは命令されたわけでもないのに、
健二君のそれを、おっかなびっくり握った。
(やだ、本当すごい……)
あたしの手の平で、ぴくぴくと動くそれは、
とても逞しく、触っているだけで、
あたしの胸は、鼓動が速くなった。
「亮太と比べてどう?」
「なっ!?……ば、馬鹿じゃないの!?」
「いや物珍しい顔してたからさ。で、どうなの?」
「べ、別に。普通でしょ。これくらい」
「ふーん。そうなんだ。暫く見ないうちに、亮太そんな成長してたんだ」
「は?見た事あるの?」
「修学旅行」
(あ、そりゃそうか。ずっと仲良いんだし。見た事くらいあるのか)
気まずくて黙ってしまったあたしに、健二君の追撃。
「で、どっちか良かった?ぶっちゃけ」
「亮太」
健二君の質問が言い終わらないうちに、そう即答した。
あたしの、小さな小さな抵抗。
今更誰に対する、誰を思いやっての抵抗なのか。
「本当に?」
「当たり前じゃん。愛があるし」
別の男性と性器を弄り合いながら、なんて説得力の無い会話なんだろうと、
自分でも情けなくなってしまう。
「俺も愛はあるよ。千佳ちゃん本気で好きだし」
健二君は、そう真っ直ぐあたしを見据え、真剣に言ってくれる。
そういえば、亮太が最後に好きって言ってくれたのって、いつだったっけ。
TVを観ながら、ちらちらと携帯を気にしながら起きていたけど、
一向に返信が帰ってこない。
「ちゃんと寝てるってことだよな」
明日朝一で、連絡を入れてみよう。
もう深夜もいいとこだ。
俺は欠伸を噛み殺しながら、蛍光灯を消した。
暗闇の中、目を瞑ると千佳の顔が思い浮かぶ。
来週は、ちゃんと二人きりでデートしよう。
何処に行こうかな。
外出先を決めようとすると、
お互い「どこでも良い」って言うから、中々決まらない。
そんな事を考えていると、良い具合に睡魔に襲われてくる。
色々とあったダブルデートだったけど、
俺がいかに千佳を大切に思ってるかが再認識出来たから、
やって良かったのかな。
そう思いながら、意識はまどろみの中へ溶けていった。
「ああ、すっげ」
浴室だから、余計にその音がいやらしく響く。
「そうそう。もっと奥まで咥えられる?」
ちゅぱちゅぱと、自分でもわかるくらい、
唾液を健二君のに絡ませて、音を立てる。
こうするのが、男の人は喜ぶって聞いたことがある。
「本当に殆どしたことないの?上手だよ」
あたしの頭を撫でながら、健二君は気持ち良さそうにそう言った。
浴槽の淵に腰をかけた健二君の前に跪いて、
フェラチオをしている。
膝がちょっと痛いけど、別に気になるほどじゃない。
健二君のはやっぱり太くて大変だ。
顎が疲れる。
でもそれは舐めれば舐めるほど、
熱く、そして硬くなっていき、
それはあたしに奇妙な充足感を与えてくれた。
自分のお口の中で、男の人のがますます逞しくなっていくのは、
なんだか、嬉しい、と思ってしまう。
「亮太にはあんましないの?」
以前口でした時、すぐに出ちゃったから、
それ以降亮太が気にして、しなくていいと言われている。
亮太は、多分普通よりも、大分早い。
でもそんなの言えるわけない。
「別に……亮太、好きじゃないみたいだし」
「フェラが好きじゃないやつなんていないと思うけどな」
「関係ないじゃん」
「あるよ。好きな人のことだし」
さっきから、何度もそういう事を言ってくる。
そうやって言えば、誰もが喜ぶと思ってるんだろう。
今まで、そうやって女の子を落としてきたんだろう。
でも実際、悪い気がするわけもなく、
その言葉を言われる度に、あたしの胸は締め付けられる。
あたしの目を真っ直ぐに覗き込んで、そう言ってくるものだから、
あたしはその度に、目を逸らして悪態をつくくらいしか対抗策がない。
それとは別で、もしかしたら、口でするのは好きかもしれない。
元々尽くす方だとは、自分でも思っていた。
お口の中で、男の人が気持ち良さそうにぴくぴくと小さく動いて、
そしてむくむくと大きくなって、少し息苦しいくらいになっていく。
その様子が、正直なところ、愛おしくも感じる。
自分が気持ち良くさせてるんだ、という達成感も大きい。
その上先程から、先っぽから苦い何かが漏れてきて、
それを味わう度に、その匂いが鼻を抜け、頭をクラクラさせる。
もっともっと、気持ち良くさせたいと思って、
緩急をつけたり、奥まで咥え込んだりする。
どれだけあたしが、いやらしく奉仕しても、
健二君は射精する様子もなく、だからあたしは、
もっともっと、その、舐めたいと思う。
亮太だと、そんな長く、そして強くは、咥えれないから。
健二君が、またあたしの頭を撫でる。
「また入れちゃおっか」
その言葉を聞いて、あたしの心臓が跳ね上がる。
このいやらしい形をした、健二君を、あたしに入れる。
健二君が、あたしを求めている。
それを、一欠けらでも、嬉しいと思った自分が、歯痒かった。
健二君のそれから、口を離すと、当然それが目の前に来た。
それを目にすると、顔がかぁっと熱くなり、
そして下腹部も、痺れるように疼く。
自分が女だと、まざまざと見せつけられる。
欲しい、と素直にそう思った。
でも、あたしは、
「ごめん……やっぱりもう、帰る」
とだけ言うと、立ち上がって、
その場を去ろうとした。
健二君は再度、あたしを後ろから抱き寄せて、
キスをしようとしてきたけれど、
あたしの表情を見て、これは本気だと思ったのだろうか、
軽く溜息を一つつくと、
「わかったよ。でもこれどうにかしてほしいな」
と、苦笑いを浮かべて、自分の下腹部を指差した。
あたしは、自分を抱きとめる健二君の腕を解いて、
「ほんとごめん。自分でなんとかして」
とだけ言い残すと、すぐに服を着て、慌てて部屋を出た。
背後からは、「車で送るよ」と声が掛かったけど、
「タクシーで帰る」とだけ言い残して、
早足でホテルを出た。
見上げると、夜空が綺麗だった。
なのに、陰鬱な気分だけがのしかかる。
重りが付けられたんじゃないかと思うくらい、足取りは重い。
生まれたての子牛のように、のたのたと歩く。
(そういえば、今何時なんだろう)
携帯で、時間を確認しようとすると、
そこにはメールの着信を知らせる表示があった。
『大丈夫か?ちゃんと寝とけよ。明日また連絡するからな。しんどかったら仕事休めよ』
何の装飾もない、素っ気無い文章のメール。
でもその短文からは、亮太の、心からあたしを心配してくれる気持ちが伝わってきた。
あたしは暫く、その場で蹲り、
枯れ果てた涙を、搾り出すように、
嗚咽だけを漏らし続けた。
目が覚めると、まずは携帯を確認した。
そこには、千佳からのメール。
『全然大丈夫だよ。ありがとう』
ひとまず元気そうで安心した。
その返信に胸を撫で下ろして、大きく伸びをした。
それから一週間が経った。
ダブルデートから、千佳とはまだ会っていない。
何度か食事に誘ったけど、千佳は仕事が忙しいらしく、
予定が合わず断念した。
「千佳ちゃんはもう元気なのか?」
同じく一週間振りに、牛丼を片手に家を訪ねてきた健二がそう尋ねる。
「ああ、ただ向こうが忙しくて会えてないんだけどな」
「ちゃんと労わってやれよ彼氏さん」
「わかってるよ」
この間、香世子まで誘っておいてドタキャンしたことについて、
文句を言うかどうか悩んだが、この牛丼は、きっとその意味も
兼ねてのことなんだろうと、溜飲を下げた。
「で、何か用か?」
「用が無きゃ来たら駄目なのかよ?友達甲斐がないやつだなぁ」
健二はそう言って笑った。
「今度来る時はせめて特盛持って来い」
「はいはい。まぁあれだ、これは相談料ってやつかな」
相談料?こないだの侘びじゃなかったのか。まぁどうでもいいけど。
「相談?」
「ああ。まぁ相談っていうか、まぁお前が神父さんっていうか。
まぁあれだ。罪の告白ってやつだよ」
「なんだよ?何やらかしたんだよ?」
「その、なんだ。浮気ってやつをさ、しちゃってな」
その言葉に衝撃を受けて、つい箸を落としてしまう。
「はぁ?マジで?」
「ああ。ついつい」
ついついじゃねーよ馬鹿!
と言いたかったのだが、つい一週間前、自分にもそんな気持ちが
多少なりともあったことを思い出し、その言葉をつぐんだ。
「……誰?」
「あ、あー、会社の後輩」
「なんで?」
「なんでって、まぁ前から良いなって思っててさ」
男だから、そういう気持ちはわからんでもない。
しかし問題は、香世子も俺の大事な友人であって、
やはりその事実は、あまり気分のいいものではない。
「ホントにただの浮気なんだろーな?」
「ああ、それは勿論。ただヤリたかっただけだし」
「お前ろくな死に方しないぞ……」
ははは、と力無く健二が笑った。
香世子にこの事を教えるべきかどうか悩んだが、
結局は当人同士の問題だし、やめておいた。
俺が口を出すべきことじゃないだろう。
それよりも、千佳との将来を考える方がよっぽど重要だ。
「それよりさ、お前も千佳ちゃんあんまり放ったらかしにしない方がいいぞ?」
箸を俺の方へ突きつけ、健二がそう言った。
「うるせ」座ったまま足を伸ばして健二を蹴る。「仕事が忙しいんだからしょうがないだろ」
「電話とかはしてんのか?」
「電話しても疲れてるからってすぐ切るんだよ。メールはするんだけどな」
「前の遊園地でもしんどそうだったもんな。マジで最近疲れてんじゃね?」
「かもな」
健二が帰った後、しばらくビールを飲みながら、
だらだらとTVを観ていた俺は、毎日の日課になっている、
千佳の体調を慮るメールを送った。
こんなこと以前までならやらなかったし、
自分でも少し気持ち悪いと思ってしまうくらいだ。
早くいつものむすっとした顔を見せて欲しい。
「メール?」
「うん」
「誰?」
「……亮太」
「元気?って」
「まぁ……そんな感じ」
「最近亮太と会ってないんだって?」
「……別に、忙しいし」
「でもこうやって俺とは会ってるじゃん」
「それは!……健二君が忘れ物を渡すからって……」
「そんな脅迫みたいに言われるのは心外だなぁ」
あの日以来、健二君からは毎日のように会って欲しいと誘われていた。
でもあたしは、それらを全て無視していた。
あたしの頭は、これから亮太とは、一体どんな顔をして会えばいいのか?
そんな事ばかり考えていて、それ以外の事なんてどうでも良かったから。
仕事が忙しいといえば忙しいが、会おうと思えば、
それくらいの時間は作れる。
実際、こうやって健二君と会ってしまっている。
失くしたと思っていたキーホルダー。
この間のホテルで、いつの間に落としてしまっていたらしい。
健二君は直接渡したいと言ってきたけど、
あたしは彼に会いたくなくて、
「捨てていいから」と断ったのに、
「それじゃあ亮太に渡しとくね」なんて言うから……
「何て言って渡すつもり?」と聞いたら、
「いや普通に、こないだ千佳ちゃんとラブホ行ってさー、って」
なんて答えてくる。
その当の本人は、後ろからあたしを抱き寄せて、あたしの髪をかき上げながら、
「亮太とはどうするつもり?」と尋ねてくる。
「どうするって……別に」
「別にって?」
「……今まで通りって感じってこと」
「でも最近会ってないんだろ?」
「それは、だから……忙しいから」
「俺とはこうやってHする時間はあるのに?」
「あっ、やぁっ」
シーツの下から、乳首をゆっくりと撫でまわしてくる。
キーホルダーだけ受け取ったら、さっさと帰ろうと思っていたのに、
車の中でしばらくお喋りしないと渡さないと言われ、
あとは、無理矢理キスされて、そして下着の中に手を入れられて、
嫌なのに、濡れちゃって、声も出しちゃって、
それで何回も小さくイカされて、
耳元で「ホテルいこっか?」と呟かれて、
それで、つい頷いてしまった。
車の中とはいえ、外だったから、早くどこかへ逃げたい、
そんな免罪符を掲げて、あたしはまた、
健二君とセックスをした。
率直にいうと、やっぱりすごい気持ち良くて、
中でイクのを知ってしまうと、自分でするのが馬鹿馬鹿しいくらいの快感。
男の人ので、力強く突かれ、強引にイカされるのは、
とても怖くて、でも、他に何も考えられなくなる。
2回目だから、罪悪感が薄れたというのもあるかもしれない。
でもあたしは、やっぱり何か悔しくて、
イカされながらも、亮太の名前を叫んだ。
それは、ごめんね、って意味もあるし、
健二君に対しての、ささやかな抵抗だったりもする。
あたしのおっぱいを、優しく包み込むように揉みながら、健二君は言葉を続ける。
「確かにさ、ちょっと強引だったのは謝るよ。ごめん。
でもそうでもしないと千佳ちゃんを誘えないなって思って。
千佳ちゃん今でも亮太が好きなんだろ?裏切られたのにさ。
まぁそんな千佳ちゃんが好きなんだけど」
あたしは、愛撫してくる手を無視して、少し強引にシーツの中で反転した。
健二君の目を、しっかりと見据える。
「あのさ……香世子ちゃんのことはどう思ってるの?健二君はいいの?」
健二君は、ふっと微笑み、
「だから言ってるじゃん。俺が好きなのは、千佳ちゃんだけだって。
ホントに好きだから。君のこと」
その言葉に、胸の締め付けられる。
それが嬉しかった、ということでじゃない。
その言葉を、嬉しいと思ってしまったことに、胸が痛む。
あんな素敵な彼女や、昔からの親友を裏切ってまで、
あたしの事を、求めようとしている。
そんなことで、下らない自尊心がくすぐられる。
(ほんと、馬鹿みたい……)
馬鹿だとわかっていても、あたしは、その目を逸らすことが出来ない。
(もう亮太には、こんな事言ってもらえれないのかな……
あたしの事、もう飽きちゃったんだもんね……
香世子ちゃんには、もう何回も言ってるのかな……
付き合い始めだけだったな、こんな風に言ってもらえたの……)
「千佳ちゃん、好きだ」
あたしの目を真っ直ぐ覗き込み、真剣な口調で健二君はそう言葉にする。
あたしは、全身がむず痒い感覚に襲われながらも、
すっと目を閉じて、そして自分から唇を寄せた。
恐る恐る目を少しだけ開けると、健二君はきょとんとした表情を浮かべていて、
「ありがとう」と微笑むと、今度は健二君からキスをしてきてくれた。
何度かなぞり合うかのように、唇を重ねあい、
そしてあたしの方から、舌を出した。
改めて、上手だな、と思う。
こんなキスがあるんだ、と感動すら覚える。
舌を絡めあうのは勿論、歯茎の裏なんかも舐めてくる。
不思議と下品な感じはしない。
身体が徐々に熱くなっていくのがわかる。
そんな折、口の中に、とろりと熱い何かが流し込まれた。
それが何かわかった刹那、下腹部の奥底が、
ジュンっと痺れたのがわかった。
頭がぼうっとなって、「ふぁ……」と勝手に声が漏れた。
あたしはそれを、どうしていいのかわからず、
どうするべきかを潤んだ目で健二君に訴えた。
健二君は困ったように、「嫌?」と尋ねてきたが、
あたしは無言で首を振り、嫌と思われているのが嫌で、
急いでそれを飲み込んだ。
どんなお酒よりも、甘酸っぱくて、身体が芯から火照る感じがした。
(……もっと……ほしい)
でも恥ずかしくて、そんな事言えなくて、
今度は自分から、あたしのを健二君に、舌伝いで渡した。
健二君があたしのを飲み込んでくれるのを見ると、
心臓が鷲掴みされたかのように、鼓動が速まった。
あたしのをあげると、今度は健二君のをくれて、
それを何度も繰り返した。
ずっと、こうしていたいと思った。
でもシーツの下の健二君のあそこは、
もう苦しそうなくらい硬くなっていて、
あたしは、無言で、シーツの中に潜り込み、
そして、健二君のそれを、自分から咥えた。
ちゅぽちゅぽと、意識的に自分から音を立てて、
ゆっくりと、激しくを織り交ぜて、首を振る。
時々、口から離して、先っぽの傘みたいになってるとこだけを舐めたり、
おしっこが出るところを、舌でつついたりもした。
こうすると、気持ち良いって、学生のころ、耳年増な友達が言っていた。
それを初めて聞いた時、あたしは絶対そんな事したくないって思っていた。
そんなの汚いことだと思っていた。
でも今のあたしは、もっともっと硬くなってほしい、
もっともっと大きくなってほしい。
それだけしか考えられずに、そのいきり立った健二君を、丹念に舐めあげていく。
「俺のってさ、どう?」
「ど、どうって言われても」
「好き?」
「え、えー、わかんないよ、そんなの」
その血管を浮かせて、びきびきと力強くいきり立っているのは、
見てるだけでドキドキするし、咥えると、もっとドキドキする。
口の中で、もっと硬くしたい、もっと気持ち良くさせたい。
そう思ってしまう。
(そんな事、言えるわけないじゃん)
「じゃあ初めて見た時どう思った?」
「うー、少し、怖いって思った」
「亮太のは?」
可愛い、って思った。
勿論、そんな事言えるわけない。
別に馬鹿にしてるつもりは全然無い。
でも、あれをそう表現されるのは、男の人は嫌だってことくらいはわかる。
「好きだな、って思ったよ」
目を逸らして、そう言った。
「あ、千佳ちゃん、そろそろやばい、かも」
あたしはその言葉を聞いて、口から健二君を離す。
離した瞬間、もっと咥えていたいと思ってしまった。
健二君と目が合う。
無言のまま、あたしは横になり、健二君は覆いかぶさってきた。
そのまま入れてこようとする彼に、
「あの、ゴム……」とだけ言えた。
健二君は、「このままじゃ、だめ?」と首を傾げてくる。
思わず、良いよ、と言ってあげたくなる。
でも一握り残ったあたしの理性は、それを拒否した。
「……ごめん」
何で謝る必要があるのか。
でも、健二君に対して、直接交じわれないことを、
申し訳ないと思ってしまった。
結局健二君は、ちゃんとゴムをつけてくれた。
当たり前のことなのに、あたしの事をちゃんと大切に想ってくれてるんだな、
なんてお花畑な考えが頭をよぎってしまう。
そう思いたいだけ。
生でしたことは、まだ一度もない。
どんな気持ちなんだろうか。
当たり前だけど、それは好きな人にしか許しちゃいけない。
だからきっと、幸せで、満たされる行為に違いない。
それを許すのは、きっと亮太が最初で最後だと思っていた。
今は、どうだろう。
わからない。
健二君が入ってくる。
前のような、圧迫感や、違和感は感じない。
あるのは、視界がまどろむほどの、快感だけ。
「あっ…………健二君……」
「なに?」
「あっあっ……何でも、ない…………あぁっあっあっあっ!」
「気持ち良い?」
「……うん」
「亮太より?」
「あっあっあっあん!……やだ……あっあんっ!」
「ね?」
「だ、だめぇ……あっあああ!」
「俺のが良い?」
「そんな……んっ……こと……ない」
「亮太のが良い?」
「わ……かんない」
「教えてくんないと、動かないよ?」
あたしはその意地悪な質問には答えられず、
ただ健二君の腕に回し、許しを乞うように、
舌を差し出してキスを求めることしか出来なかった。
それを言いたくはなかった。
でも同時に、もっと、健二君が欲しかった。
健二君は、あたしの気持ちを汲んでくれたのか、
腰の動きを再開してくれた。
その最中、健二君は、ずっと唇を重ね、
そして耳元で、
「好きだよ」
「可愛いね」
「素敵だよ」
「愛してる」
と囁き続けてくれた。
あたしはそれを、絶え間ない嬌声をあげながら、聞いていた。
その言葉を聞くたびに、あたしの目に映る健二君の姿が、
とても優しく、穏やかなものに変わっていった。
何度目の絶頂を与えられた時だろう。
何十回目の「好きだ」という言葉を投げかけられた時だろう。
もう頭は二日酔いのように、ぐわんぐわんと揺れ、
身体は重力から開放されたかのように、上下の感覚が無くなったいた時、
あたしは、
「あたしも」
と答えていた。
「何が?」
健二君のその問いには、
「わからない」
そう答えることしか出来なかった。
目が覚めると、いつも通りの朝が俺を迎えた。
もう何万回も見た代わり映えのない朝日が、カーテンから漏れている。
それに照らされるかのように、チカチカと点灯している携帯。
手を取ると、それは千佳からで、
『おはよー。今日もお互いお仕事頑張ろうね。
ところで、今晩亮太の部屋にお邪魔していいかな?
どうせロクなもの食べてないんでしょ?』
俺は、まるで付き合う前のような胸の高鳴りを覚え、
それを了承する返信を送った。
歯磨きや朝食も後回しに、窓を開けて伸びをする。
初夏の匂いがする、良い朝だ。
まだ7時過ぎだというのに、亮太からはすぐに返信が来た。
(珍しい……)
それを確認すると、少し穏やかな気分になれる。
顔を上げると、そこはシックなデザインの、ラブホテルの一室。
昨日は、結局そのまま泊ってしまった。
健二君はベッドで大の字になって寝ている。
日が昇るまで、ずっとしていたから仕方ない。
その寝顔を、少し可愛いと思ってしまう。
ベッドに膝を立てて昇り、彼の上に覆いかぶさり、
そのまま顔を近づける。
唇と唇が触れ合う直前、自分がしようとしていることに、
恥ずかしくなって、ベッドから慌てて飛び降りる。
頬が赤く染まっているのがわかった。
(馬鹿……あたし……何しようと……)
その直後、ベッドからは「ううーん」と声。
頭をぼりぼりと掻きながら、上半身を起こす健二君。
「あ。ご、ごめんね?起こしちゃった?」
さっきのがバレてないかと、慌ててそう問うが、
健二君は寝ぼけ眼で、首を傾げるだけだ。
「千佳は今日仕事?」
何気なく、呼び捨てにされたことに驚く。
心臓が少し飛び上がった。
昨晩の、途中くらいからそうだった気もする。
「うん、健二君は?」
「あー、俺今日休むわ。千佳も休みなよ」
そう言いながら、あたしに手招きをする健二君。
その誘惑に押し切られそうになりながらも、
背中を向けて距離を置く。
「あはは、そういうわけにはいかないよ」
「そか。一回家帰る?」
「うん。お母さんに怒られるかも」
「昨日連絡入れてなかったっけ?」
そう言いながら、彼は髪をとかしているあたしを後ろから抱きしめた。
その突然の感触に、あたしはまるで中学生のように、慌てふためく。
「あ、うん。で、でも、まぁ、ね?」
「でも少しくらい遅刻して良くない?」
「え?……駄目だよ」
「いいじゃんちょっとくらい。俺千佳ともっと一緒に居たいし」
「そんなのだーめ」
「そういや千佳ってさ、髪伸ばさないの?」
「え?あ、いや、その、どうだろうね。どうせ似合わないよ」
健二君は、あたしの襟先を摘むと、
「えー、絶対似合うって。絶対可愛い。保障するし」
と事も無げに言い切った。
(社交辞令、だよね?)
お世辞とわかりきっていても、やはり面と向かってはっきり言われると、
ついつい顔がにやけてしまう。
嬉しい。
亮太も、嘘でもいいからこんな事を言って欲しい。
そうぼんやり考え事をしていると、健二君は後ろから顎をあたしの肩に置いて、
「千佳。おはようのキスは?」と小声で囁いた。
「え?え?え?」と挙動不審になるあたし。
「昨日約束したじゃん。起きたらしてくれるって」
(……そんな約束したっけ?)
あたしが一瞬考え込むと、
「ほら、風呂場で潮吹かせまくってさ、やめてやるからって……」
と笑いながら答えた。
あたしはそれを聞いて、顔から本当に火が出るんじゃないかと心配した。
実際鏡に映っていたあたしの顔は、ペンキで塗りたくったように真っ赤になっていた。
よくわからないが、一緒にお風呂に入った時、
手でいっぱい弄られて、強制的にお漏らしみたいな事をさせられたのを思い出す。
とにかく恥ずかしくて、そんな約束と引き換えに、
止めてもらったのを思い出す。
あたしは依然顔を真っ赤にさせながら、
「あ、あの、でも、ね?ほら、そういうのって、なんか、ね?」
とあたふた引きつった笑顔で抵抗を試みるが、
「ちーか」
と健二君の窘めるような口調で、
「あ、ううう」と小さくなり、
そして、目を瞑って、首を90度捻り、公約を果たした。
健二君は満足したのか、あたしから離れ、ベッドにまた寝そべった。
「千佳今晩ヒマ?俺の部屋来いよ」
「え、でも……」
(香世子ちゃんは?)
と聞けるわけもなく、それ以前に、先程した約束を思い出す。
「ごめん、ちょっと先約があるから」
「何?もしかして亮太?」
「あー、うん」
「ふーん」と不機嫌そうな健二君。
続けて、「どうするの?別れんの?」
「それは……まだ考えてない……けど」
別れる。
その言葉を聞いて、まるで刃物で刺されたかのような気分になる。
「千佳はさぁ、まだ亮太のこと好きなの?」
「……うん。ごめん」
つい謝ってしまう自分に自己嫌悪。
「ま、別にいいけど。俺の気持ちは変わらないし。
でもあいつは香世子のことが好きみたいだけど」
「それでも……」
(何回も浮気しちゃったけど……)
「ちゃんと、話はしたいから……」
(図々しいのはわかっている。
亮太の行動がどうであれ、自分も最低な事をしたっていうのもわかってる。
それでも、このままなのは嫌だ。
亮太と、そして何より、自分の気持ちをはっきりさせたい。
いや少なくとも、自分の気持ちははっきりしている。
あたしは、やっぱり亮太が好きだ。
好きでいたい、と思う。
そんな資格は、もう無いんだろうけど)
今日も今日とて、中身がよくわからないダンボールを、
右から左へ受け流す作業に没頭する。
パートのおばちゃん達は、午後からの出勤だから、
井戸端会議にも巻き込まれず、悠々と台車を押していく。
久しぶりに千佳と会える。
しかも手料理つき。
自然と足取りは軽くなり、もし見つかったら大目玉間違いなしの、
台車に足をかけての滑走も披露する。
そんな浮ついた気分に警鐘を鳴らすかのように、
静寂に包まれた倉庫に、携帯の着信音が鳴り響いた。
(なんだ健二か)
就業中は携帯に出ても怒られる。
普段なら後で掛け直すのだが、ついつい気分が乗っていたので、
その辺の物陰に隠れて通話ボタンを押す。
「もしもし」
「なんだよこんな時間に」
「いや別に。何してんのかなって」
「仕事に決まってんだろ。お前は?」
「あー、今日サボり」
「良いご身分だな」
「まあな」
「で、何の用だよ」
「いや別に」
「は?」
「いや何してんのかなーって」
「何だそりゃ。用無いなら切るぞ」
呆れてそう返すと、受話器から口元を離したのか、
「あ、やばっ……うっ」と少し遠目から健二の声が聞こえた。
「おい、どうかしたのか?」
返事はない。
もう一度。
「おい」
やはり遠くから、「もっと吸えって」と声。
「なんだあいつ」
訝しげに思いながら、通話終了ボタンを押す。
折角気分良く仕事をしていたのに、
なんだか水を差された気分になる。
昼休み。
今晩食べれるであろう、千佳の手料理に思いを馳せながら、
やたらと油っぽさだけが多い、社員食堂の定食を頬張る。
そこへ健二からまた電話。
「さっきは悪かったな」
「何だったんだよ一体」
「いや前言ってた浮気相手いるじゃん?フェラさせながら電話ってしたくてさ」
「はぁ、じゃああの時そうだったって事?ふざけんなよ俺仕事中だぞ?」
あまりに馬鹿馬鹿しくて、怒りを通りこして、呆れて笑いが出てくる。
「まぁまぁ、俺もお前の声聞きながらいっちゃったわけだしさ」
と健二も笑い飛ばしながら釈明。
「つうかその子って会社の後輩なんだろ?仕事は?」
「遅刻遅刻。昼から出勤させた。さんざん嫌々って言ってたけど、
その子、押しに超弱いからさ。
さっきまでヤってたし」
「つうか電話しながらってよく許可したな、その子」
「いや俺が勝手にやった。『もしもし』って言った時、
『え?え?』ってキョドってたし。
電話切った後太もも叩かれたわ。
『ただの友達だよ』って弁明しといたけど」
「朝からよくやるなお前」
「ちょっと新記録だな。昨日の晩から6回イった」
「俺なら死ぬな。そんな良いのかその子?」
「顔はまぁまぁだな。でも身体はめっちゃ良い。
華奢だけど抱き心地良くてさ。
締まりも感度も最高。潮もばんばん噴くしな。
喘ぎ声も可愛くてな。なんつうか萌える」
「えらいお気に入りじゃん。香世子にチクっていい?」
「馬鹿やめろって。ただの遊びなんだから。便器だよ便器」
「お前なぁ……まぁどうでもいいけど」
「さっきのフェラでごっくんも調教してやってさ」
「ごっくん?」
「精子飲ませた」
「あの電話の時?」
「ああ」
「お前な、俺今昼メシ中だぞ?」
「そうか」
「そうかじゃねーよ。今度のメシもお前の奢りだからな」
「わかった、わかったよ」
「ていうかその子もよくするな」
「千佳ちゃんはしないのか?」
「ば、馬鹿野郎!させるかそんなこと」
「そりゃご馳走様」
「でもなんかそれエロイな」
「一発目はすっげえ苦そうだったけどな。涙目でえづいてたし。
喉に絡みつくらしくて飲み込むの苦労してたよ。
頭撫でて褒めてやったら、『べ、別に』とか言いつつ、
照れ笑い浮かべて喜んでたけど」
「聞きたく無いよ馬鹿。あと一発目はってなんだよ」
「さっきまでヤってたって言ったろ?
フィニッシュは顔っていうか、口にかけたんだよ。
そのまま掃除させて、全部飲ませたんだって。
一回目飲ませた時は、もう絶対嫌って言ってたのに、
正常位でガンガン突いて、いきそうって言ったら
『口でいいよ、飲むから』って。
若干癖になってるっぽい」
「これから会社っていうのによくやるな」
「なんつうか真面目だから一回崩れると雪ダルマっていうか。
好き好き言ってたら面白いくらいに目がとろんとするし」
「どうでもいいけど、程ほどにしとけよ?
あんまり酷いと、マジで香世子にチクるからな」
「それは勘弁。お前も千佳ちゃん大事にしてやれよ」
「なんでそこで千佳が出てくんだよ。わかってるよ。じゃあな」
全く、ただでさえ不味い昼飯がさらに不味くなるじゃないか。
そう言いつつも、健二の話を聞いて、こっそり勃起していた。
他の女の話で、興奮するなんて、うっすらと罪悪感も感じる。
ちょっと前までの俺なら、こんなこと有り得なかった。
(そういやAVとかも興味無くなったなぁ……)
最近は千佳のことを思ってオナニーをしている始末。
(五年も付き合った彼女でオナニーとか……馬鹿だな俺も)
昼休み終了の予鈴が聞こえてきて、俺は急いで残りのおかずを平らげた。
ようやく千佳と会える。
今までも、十日くらい会わない時なんていくらでもあった。
なのに今の俺は、まるで初めてデートをする中学生のように、
部屋の中をうろうろと歩き回っていた。
多少の掃除もしておく。
(あんまりピカピカで、また機嫌を損ねてもアレだしな)
そんな中、約束の時間より少し早く、インターホンが鳴る。
俺は逸る気持ちを押さえ、でも早足で玄関に向かう。
そこには片手を上げて、
「……やっ」
と照れ笑いを浮かべる千佳の姿。
俺もきっと、同じように、照れくさそうな笑顔を浮かべているんだろう。
千佳はいつものカジュアルな姿ではなく、かといって会社帰りのスーツ姿でもなく、
少し気合の入った可愛いワンピースだった。
俺は、その余りの可憐さに、千佳の手を引いて、
隣近所に『この子が彼女です』と自慢して周りたくなった。
もう見飽きたはずの彼女。
別に何かが劇的に変わったわけじゃない。
なのに、どうしてここまで胸が高鳴るんだろう。
可愛すぎる。
千佳がいかに大切な人だったかを知って、
それから一週間ほど会わなかったからといって、
ここまで可愛く見えるだなんて。
俺はその場で、その小柄で華奢な彼女の身体を、
力一杯抱きしめたくなる衝動に駆られる。
でもその小さな両手には、一杯の買い物袋が見受けられて、
俺はとりあえず奥に通す事にした。
初めて女の子を、家に通した時より緊張している。
「そ、それじゃ、早速何か作るね」
千佳もどこかぎこちない様子で、
その笑顔も引きつっている。
声も少し震えているようだ。
台所から聞こえてくる、まな板を叩く包丁の音も、
いつもより大分リズムが悪い気がする。
(もしかしたら、千佳も同じ気持ちなのかもしれない)
それこそ思春期の頃のような、
一方的すぎるポジティブ思考だったが、
ここはもう勢いに任せようと、
料理をしている可愛い千佳の後ろ姿を、
そっと抱きしめた。
千佳の動きが止まった。
正確には、すっと包丁を置いて、その手で俺の手を包みこむように握った。
「ど、どうしたの?」
上擦った、何かを期待しているかのような千佳の声。
この一週間、ずっと溜めていた気持ち。
(千佳。好きだ)
でもどこか気恥ずかしくて、出た言葉は、
「あ、いや、ごめん。包丁使ってるのに。なんでもない」だった。
(ヘタレめ!)と自分を罵るのと同時に、
(がっついてると思われても嫌だしな)と自己弁護してしまう。
対する千佳は、どこか落胆を感じさせる、シュンとうな垂れたような後姿を見せた。
でもすぐに「もう……馬鹿。危ないでしょ」といつもの口調でそう言った。
ご飯を食べている間も会話は途切れ途切れで、
どうにもギクシャクしてしまう。
美味しいはずの千佳の料理も、味がわからずただただ喉を通り過ぎていくだけだった。
食事と片付けが終わり、食卓を挟んで座る。
お茶を口にしながら、ちらちらと千佳の表情を伺う。
すると、向こうも上目遣いでちらちらとこっちを見つめてくるのがわかって、
何度か一瞬目が合っては、それを逸らしあってしまう。
「そ、そういやさ。もう身体は大丈夫か?」
「う、うん。だから別に何ともないってば。心配性なんだから」
呆れるような口調のわりには、その口元は嬉しそうに緩んでいる。
「そっか……」
「うん……」
しかし会話はまたそこで途切れてしまった。
(いつもはどんな会話をしてたんだっけ?)
軽いパニックに陥る。
いつもは、もっと静かなくらいなはず。
でも俺の心は、この静寂に居心地の悪さを感じてしまう。
それは単純に、もっと千佳の声が聞きたい。
もっと千佳と会話がしたい。
もっと千佳の事が知りたい。
そして、もっと千佳を、楽しませてやりたい。
そんな風に思っているからだろう。
でも俺の口からは、気の利いた会話なで出てこなく、
結局その静寂の破ったのは、千佳の口だった。
「あのさ……一つ、良い?」
「え?ああ、何だよ?」
「あの……全然脈絡無いっていうか、でもあたし的にはずっと気になってて、
でも聞くの怖かったんだけど、その……ごめん。なんか、どう聞いたらいいのか……」
千佳はしどろもどろになりながら、目にうっすら涙まで浮かべて、そう始めた。
胸に手を当てて、大きく深呼吸をして、千佳は続けた。
「あの、さ。亮太ってさ、香世子ちゃんのこと、好きだったの?」
突然背後から、頭を鈍器で殴られたかのような衝撃。
罪悪感が再び蘇り、俺の思考をかき混ぜる。
でもその混沌は、すぐに収まった。
俺の気持ちは、もう何があっても変わらないから。
「うん」
俺は、千佳の目をしっかりと見据え、はっきりそう言った。
そして一呼吸の間を置いて、言葉をつむぐ。
「でも今は、お前のことしか、考えてないから」
千佳は目を伏せると、涙をぽろぽろと流し始めた。
そして声にならない声で、
「……信じて、いいの?」と問い掛ける。
「ああ」
「あたしの事、好き?」
「当たり前だろ」
間髪いれずそう返事をした直後、ちゃんと「大好きだ」と言った方が良かったのか?
と軽く後悔をしてしまったが、まぁ気持ちはちゃんと伝わっているだろう。
今までも、そうやってきたんだから。
その後、千佳が泣き止むまで、ずっと頭を撫でてあげた。
そしてもう我慢が出来ず、押し倒した。
千佳はいつもよりも、声を上げていた気がする。
俺もいつもより興奮してしまって、すぐにイってしまった。
千佳は、上目遣いで、「もう一回……しよ?」と
俺を求めてきた。
「ああっ!あっあっあっ!……やだっ、すごい!」
千佳の細い腰を両手でがっちりと掴み、乱暴なくらい奥を突きまくる。
うっすら汗を纏っているその背中は、シミ一つなく美しい。
その臀部は細くも引き締まった肉がむっちりとついており、
バックから激しく突く度に、その衝撃を受け止めぷるぷると震えている。
薄緑色のコンドームは、もはや原色を確認するのが不可能なくらい真っ白になっており、
それは千佳の太ももを伝って、膝まで垂れている。
「あっあっあっあああっ!……そこだめ、当たる……あん!あんっ!あっ!」
「ここ?ここ気持ち良い?」
「い、いいっ!そこ、だめぇ」
「気持ち良い?」
「やだぁ、あっあっあっあっ!気持ち良い、気持ち良いよ」
千佳の絶頂はもう近いみたいで、彼女の膣内は、
先程から俺のちんこを愛撫するかのように、
ぐにぐにと締め上げ、まとわりついてくる。
時折奥にこつこつと当たるものもある。
子宮口が下りてきているのだろうか。
「いっ、あっ!だめ、もう、あたし、だめ、あっあっあっ!」
「いきそう?」
彼女の首は、コクコクと小さく、でも激しく前後に揺れた。
「あんっ!あんっ!あんっ!……あ、だめ……きちゃう、もうだめぇ」
「良いよ、いきな」
「いいの?いいの?でも、あっ……あっあっあっあっあ!」
俺は彼女を絶頂に導くため、ピストンをより激しく加速する。
バックで突いているため、その表情は窺い知れないが、
きっといつものように、だらしなく口を開けて涎を垂らしているのだろう。
彼女の両手は、もう肘で上半身を支える事すら出来ず、
ただシーツを握り締めているだけだ。
「あっ、そこっ、いっ、あっ……あっあっあっああああ!」
「イケ!ほら!」
そして俺の名前の叫びながら、身体を痙攣させる。
「ああっ!健二君!健二君!だめっ!だめ!くる!きちゃう!あ、あああああああああっ!」
最後の絶叫をきっかけに、千佳の上半身はぴんと仰け反り、
そして彼女の中は、痛いくらいに俺を締め上げてくる。
その動きは、まるで彼女の奥には別の生き物が住んでいて、
俺の精子を搾り取ろうという意思があるとしか思えない、
そんなうねり方だった。
千佳は「ふー、ふー」と息を荒げながら、依然身体を小さく痙攣させている。
一度ピストン。
「あんっ」
千佳は悪戯をたしなめる姉のような表情で振り返り、
「だめぇ、まだ、イってる……」と呟いた。
それを無視して、また一度だけピストン。
「はぁっん!……ちょ、だめ、だってぇ」
もう一度。
「やっ……んっ……もう、いじわる」
今度優しくカリで、膣を撫でるようにゆっくりと動き出す。
「……ああっ!……それ、すごい、かも」
「いい?」
「う……うん……あっ……それ、いい」
「それで?亮太とはもう一回したの?」
「し、してない……あん……」
「なんで?」
「はっ……あぁん………疲れてる……やっ、あん……から、って」
「マジで?情けないなあいつ。いつも一回なの?」
「あっ、そこだめっ……あぁ……やぁ……」
「なぁ?」
「あんっあっ……うん……大体……んっ、あっ」
「それで超早漏なんだろ?最悪だな」
「そんな……あっ……言わないで……」
「でもお前も満足出来てないんだろ?」
「そんな、こと……んっ……ない」
「うそつけ」
少し強めに奥をかき混ぜる。
「あっあああっ!……そんな、とこ……しちゃやぁ……」
「俺のがいいんだろ?」
「んっ……やぁ……そんなの、わかんない……」
「じゃあ何で亮太とした後俺ん家来るんだよ?」
「あっ、すご……だって、だってぇ」
俺は千佳の中から、自身を引き抜く。
千佳は「はぅ……」と切なそうな声をあげると、
そのままベッドに倒れこんだ。
千佳の陰部からは、彼女の愛液がとろりと流れ出る。
まだ肩を上下させている千佳を、反転させて、
今度は正常位で挿入しようとする。
その直前、
「なぁ、ゴム取っていい?」
「え?だ、だめ、だよ」
「なんで?外で出すからいいじゃん」
「で、でも……それは」
「亮太ともしてんだろ?」
「し、してないよ!」
その事実に少し驚く。
(本当に真面目なんだな)
「ま、じゃ俺が最初ってことで」
「だ、だめ。だめだめだめ。それは……」
「それは?」
「それは、その……け、結婚する人としか」
そのあまりに幼稚な思考に、ついつい苦笑いを浮かべそうになってしまう。
そこをなんとか引き締め、真剣な眼差しをつくる。
「俺は、ちゃんと責任取るつもりだよ」
「……え?」
「千佳、愛してる」
「や、やだ」
「好きなんだ」
「あ、ううう」
「ずっと、好きだったんだ」
そう言いながら、ゴムを取り、千佳のクリトリスに亀頭を擦り付ける。
千佳の腰は、その度に小さく浮き沈みした。
そして彼女は困ったように笑みを浮かべると、
俺の首に両腕を回し、とろんとした瞳で
「……キス、してほしい」と呟いた。
亀頭をクリトリスに擦り付けながら、
舌もねっとりと絡めあう。
数十秒にも及んだ、その情熱的なキスの後、
千佳は、「……いいよ」と呟いた。
「いいの?」
「うん……健二君なら」
「ありがとう」
「ううん。あ、でも」
「ん?」
「外で、ね?」
「また口で良い?」
「うん。飲む、から」
どちらからともなく、キスを再開する。
俺が顔を近づけると、千佳は餌を与えられる小鳥のように、
舌を突き出し俺を求めた。
お互いの唾液を何度も行き来させ、そしてその最中、
俺と、千佳は、何にも邪魔されず、一つになった。
「ああ、すごい……」
「気持ち良いな」
「うん、ね?健二君も、気持ち良い?」
「ああ」
「ホント?んっ、あっ……あたしも」
こんなに上手くいくとは思っていなかった。
最初はただの遊びのつもりだった。
何の刺激もない、退屈な日々に嫌気が差していただけ。
勿論、香世子や亮太との関係が、全て壊れるリスクもあったけど、
友人なんていくらでもいる。
確かに香世子は捨てるには惜しい女だけど、
何年も一緒だと流石に飽きもくる。
勿論セフレだって、腐るほどいるんだが。
亮太の携帯を借りて嘘のメールを作り、
香世子を亮太の部屋に遊びに来させたり、
キーホルダーを取っておいて会う口実にしたり、
我ながら周りくどく、そして不確定要素なことばかりやっていた。
亮太は亮太で、会社の後輩なんて嘘に騙されている。
まぁその甲斐はあったと、この身体を抱きながらそう思う。
ヤリ甲斐のある身体。
しばらくは、これで遊べそうだ。
「やだっ、これ違う……いつもと全然違う……」
(そりゃそうだろう)
形良く揺れる美乳を舐めながら、千佳の中の細かなヒダヒダの感触を、
性器全体で楽しむ。
「あっあんっあっあ!気持ち良い、健二君!あっうんっあっああん」
「俺のちんこ気持ち良い?」
「や、やだぁっ……うん、あっあっあん!気持ち良い」
「ちゃんと言って」
「お、おちんちん……おちんちん、良い……」
「誰の?」
「健二君の、健二君の……おちんちん、気持ち良い……あん!あんっ!ああぁっ!」
「もっと、もっと言って」
「健二君の、おちんちん、気持ち良い!……好き!健二君の、おちんちん、好き!」
俺はもうイキそうになってしまう。
(こんだけウネウネまとわりつかれちゃ、早漏になるのもわかるな)
「千佳、俺もう……」
「あ、あたしも、もうきそう……あっ!あっ!あっ!ああんっ!」
「出すぞ。口に」
「う、うん。……き、きて!きて健二君!ちょうだい、早く!あっあっ!ああああぁっ!」
千佳の中から、真っ白になった性器を取り出すと、
千佳も上半身を起こし、そして俺の腰に顔を埋めた。
ちゅぱちゅぱと下腹部から音が聞こえてくる。
その小さい唇で、口いっぱいに俺のを頬張り、
そして激しく舌で舐め回している。
その舌の感触で、急激に快感が上り詰めてきた。
「うっ」
千佳の口の奥で、その全てを吐き出す。
彼女は苦しいはずなのに、奥まで咥えたまま、俺を離そうとしない。
やがてそのまま、こく、こく、と喉を鳴らす音が聞こえた。
しかし千佳の唇は、まだまだ搾り出そうと竿を圧迫してくる。
それが終わると、教えたように、舌だけで、
舐め上げるように、掃除フェラを始めた。
そして「いっぱい……出たね」と満足そうに言った。
その頭を撫でながら、
「亮太にもするの?」と尋ねる。
千佳はさっと表情に陰を落とし、
無言で首を横に振る。
「なんで?」
「……なんでって、別に……」
「今度してあげなよ」
「でも……こんなに、出ないから」
「そうなんだ」
「うん」
「俺のはいっぱいって感じ?」
「うん。なんか、綺麗にしてあげなくちゃ、って思う」
二人でベッドに横たわる。
「今日泊ってけよ」
「うん、あ、でもいいの?」
「良いよ。ずっと一緒に居たいし」
「うん……」
そう言い終ると、どちらからともなく、優しいキス。
「健二君……ごめんね?」
「なにが?」
「なんか、あたし、中途半端で」
「まだ亮太のこと好きなんだ?」
「……ごめん」
「まぁ別にいいよ。とりあえず今の関係のままでいいんじゃん?
お互い色々あるしさ。ゆっくりやってこうよ」
そんな都合の良いことを言いながら、
(本当に別れられたら面倒だしな)
と心の中で本音を漏らす。
でも千佳の目は、そんな俺の気持ちとは裏腹に、
うっとりと恋人を見るかのような目で俺を捉えている。
きっと、自分のことを大切にしてくれてる、
なんて馬鹿なことを思っているんだろう。
もう一度、キス。
「まだ、する?」
「当たり前じゃん。寝かさねーよ?」
「やだもう。次はちゃんとゴムしようね?」
「はいはい。あ、もう無いか。ちょっと休憩したら買ってくるわ」
「あ、あたしも行く」
「一緒に選ぶ?」
「……うん」
またまたキス。
彼女の目をしっかり見据える。
「好きだよ。千佳」
彼女の瞳から、涙が零れる。
「……あたしも」
----------エピローグ----------
ダブルデートをした日から、一ヶ月が経った。
早く終業のチャイムが鳴らないかを、トイレでさぼりながらそわそわと待つ。
(早く鳴れ!早く鳴れ!)
するとその思いが実ったのか、個室トイレに音割れしたチャイムが鳴り響く。
今の俺には、それはチャペルの鐘の音のように神々しい。
俺を引きとめて、井戸端会議に参加させようとするおばちゃん達を振り切り、
さっさとタイムカードを押して、会社を出る。
何が入っているかもわからないダンボール箱など、
相手にしている場合ではない。
今日は久しぶりに千佳との食事。
車のキーを回し、待ち合わせ場所のいつもの喫茶店に向かう。
軽い渋滞に巻き込まれると、計ったかのように電話。
「もしもし」
「なんだよ健二か」
「なんだってなんだよ」
「別に」
「今日ヒマ?」
「これからデート」
「仲良いな、相変わらず」
「当たり前だろ」
そう答えつつ、俺はひっそりと前から考えていた、
ポケットに仕舞ってあるそれを触る。
「はいはい」
「お前は香世子とどうなんだよ」
「別に。普通だよ」
「あの浮気相手は?」
「ああ、まぁちょくちょくあってるよ」
「ったく。しょうがないなお前は」
「昨日も家に泊らせたし」
「本当いい加減にしといた方がいいぞ」
「だよなー。やばいよな。昨晩なんて中出ししちゃってさ」
「……お前なぁ」
「だって超締まり良くてさ。男ならわかってくれるだろ?」
「いやわかるけどさ」
「お前も千佳ちゃんとやりまくりじゃないの?」
「馬鹿するわけないだろ」
ちゃんとゴムだっていつも着けている
「真面目だね。ま、いいけど」
「しっかし中出しとかヤバイだろ?」
「向こうが出してって言うからさ。ついつい」
「マジで?」
「マジマジ。足で俺の腰ガッチリ掴んできてさ。
出してる間、蕩けた目で見つめてきたよ」
「その子はお前のことどう思ってんだろな」
「昨晩ついにガチ告白されたわ。一番好きって。
調子乗んなって感じだけど」
「一番って何?彼氏いるのその子?」
「あ、ああ居ない居ない。今まででってことじゃね?」
「なんかマジ惚れみたいだな」
「今朝も行ってらっしゃいのキスしてほしいって五月蝿かったなぁ」
「早く健二が刺されて死にますように」
「おい親友」
「あ、信号変わったわ。悪いけどまたな」
「ああ運転中?悪かったな。じゃ」
悪友の悪事に思うところもあるものの、今はそれどころじゃない。
大事の前の小事を済ませ、一路千佳が待つ喫茶店へ向かう。
待ち合わせ場所には、既に千佳が来ていた。
「おっそーい」
「悪い悪い」
「今日は亮太のおごりね?」
「わかってるよ」
「嘘嘘。あたしも半分出すよ」
気のせいか、最近千佳は明るくなったというか、
俺に対しても気さくになった気がする。
対応がいちいち優しいというか、大らかというか。
何だか雰囲気も、可愛くなっていってる。
これは、きっと惚れた弱みなのかもしれない。
ポケットに手を突っ込み、もう一度物を確認する。
「もう行く?」
「でも亮太来たばっかじゃん。もうちょっとゆっくりしてこうよ」
千佳は機嫌良さそうに、なにやらニコニコしている。
俺も釣られて、ついつい笑顔になる。
周りからは、バカップルを思われているのだろう。
それもまた、嬉しい。
「そういやさ、今度海行かない?」
「え、あ、ああ良いね」
一瞬慌てた様子の千佳。
少し違和感を抱きつつも、
「今度水着一緒に買いに行こうぜ」
「あ、ああごめん。こないだ買っちゃって」
その言葉に落胆する。
さっき慌てたのは、これだったのか。
「なんだよ言ってくれよ」
「一緒に選びたかった?」
「まあな」
「エッチ」
「うるせ。で、誰と行ったんだよ?友達?」
「え?あ、ああうん。まぁそんな感じ」」
千佳のその言葉を遮るように、千佳の携帯が鳴る。
それを確認すると、千佳は困ったように頭を掻き、
ふぅっと溜息をつき、しばし考えこむと、
「あの、亮太?ごめん、あたし会社に忘れ物しちゃったらしくてさ。
ちょっと取ってきていい?」
「ああ良いよ。店で待ってようか?」
「あ、ううん。すぐ戻ってくる、から。多分」
「そっか。わかった。待ってる」
千佳は頭を掻きながら席を立つと、
「あ、そう言えばさ、」
「ん?」
「髪、伸ばそうと思ってるんだけどさ」
内心、飛び上がりそうになるほど嬉しかった。
(絶対似合うよ。可愛いよ)
そう言いたかったのに、俺の口からは
「まぁいいんじゃない?」なんて素っ気無い言葉だけ。
千佳はむっと眉を吊り上げ
「もっと何か他にないの?」と不服そうに返事。
「ほらほら。早く忘れ物取りに行けって」
「もう……馬鹿」と俺の肩を叩き、そして店を出て行った。
俺はポケットからそれを取り出し、目の前に置くと、
大きく溜息をついて、改めてそれを眺めた。
(こんなの、どんなタイミングで渡せばいいのか……)
貯金をはたいた婚約指輪が、持ち主を探すかのように光っている。
店内には、相変わらず、古ぼけたアイドルソングだけが、流れ続けていた。
終わり
『2作目です。もし気に入っていただければ幸いです。
一応今後もいくつかの作品の構想は出来上がっています。
とりあえず次は人妻モノを3連続で作って、その後はJKモノ、大学生モノ、OLモノ、寝取らせ(?)モノや、最後に体験談を基にしたフィクションを最低でも一つづつ(出来れば二つづつ)は作るつもりです。
個人的には片思いが好きなので、それも織り込んでいきたいです。
ただ繁忙期が極端な仕事なので、全部吐き出すには一年以上掛かると思いますが・・・
あと次作はマンネリ防止の為、少し趣向を変えた作風になっているので
NTRじゃない、抜きづらい、という評価もあると思いますが、
今後の礎にもしたいので、容赦なくご批判をして頂ければ、と思っています。
というかそもそも管理人様の眼鏡を通るかも未定ですが』
Comments
いいじゃない
このクソ男には痛い目合って欲しい
男女関係とか関係なく事故でちんこが吹っ飛んだりしたら良いのに
間男のことを気になりだすまでよく書けてるのに、そこから堕ちるまでがマッハなのが勿体無い
ビッチ臭がすごいする、こんなビッチはこれが原因じゃなくてもそのうち浮気しそう
って感じるから寝取られてもそんなにショックじゃないんだよなぁ
結局マジカルチンポ堕ちだし・・・いやまぁ抜けるけど
落とす側は不安視部分を増幅させての短期決戦は鉄則だし
とナンパ師の俺が言ってみる。
プラス普段彼氏から好きとか愛してるとか言われ慣れてないせいで、イケ面に真正面から好きだ愛してるって言われて喜んじゃう女の性を描いてると思う
結局イケ面に口説かれたら女は抵抗出来ないのかね
しかし最後の開き直りっぷりは千佳の心理がよく分からん
そんで、その後の4人の関係がどうなったのかを見たいなぁ。
このあとをいろいろ想像してしまう余韻がたまらないー
そのまま結婚して 裏で浮気し続け 健二の子供を自分から望んで妊娠とか
香世子にバレて 修羅場になり、お互い別れて
亮太と香世子が結婚して幸せになりましたとか
じつはそれも香世子の計略で
セックスしかとりえがない、ダメ男健二から亮太への乗り換えが狙いだったとか
興奮してしまった
男に問いただせばそれで終りだし
しかし後編は凄く良かったわ
というかこういう感じの作品ってあるの?
サンプルとか見てると何か違うよなぁって思って手出してないんだけど、lこういうのでお薦めあったら教えてほしいな。
ゲームももちっとマシになるんだがなぁ・・・。
この作者さんのもっと読みたい。
ちゃんといればなーと思うな〜
現状シナリオがいまいちのが多いから。
まぁ上で言われてる様にマジカルチンポっぽいが
てか、最後の千佳はもううざいレベルに達していたな
と脳内で勝手にストーリー作ったwじゃないと鬱すぎる。。。
こんなゴミクズで人生台無しにしたんじゃむご過ぎる
千佳じゃなくてもセフレに刺されて健二死亡が良いわ
余計な制裁は不要
あとあんま関係ないけど、リョータとチカって
名前で今日の5の2思い出した
ましてや、その雄が池面じゃ尚更か
こういう策略家たまらん
ましてや、池面の雄なら尚更かw
しかしそれでも後日談を見たくなるのはNTRスキーの性か
オカマに尻の穴を”刺される”・・でも良いけどね。
期待します。
健二に亮太と別れるから結婚してと迫る
健二がここにきてネタバラシして、千佳発狂の上、自殺未遂、流産
修羅場で浮気の事実を知った香世子、健二と別れる
亮太、事実を知らないまま、正気に戻らない千佳を介護
流産した子が誰の子なのか、悩みながら介護を続ける亮太(身に覚えが無い)
それを献身的に支える香世子
まで妄想した
千佳は「健二君は本当に私の事を大事にしてくれてるんだ」とかスイーツ脳炸裂で亮太と付き合い続行
健二は中出ししまくりで千佳妊娠だな
んで健二は「親友の亮太にも幸せになって貰いたいから、俺の事なんて気にせず亮太と幸せになってくれ」とか言って
千佳は「やっぱり健二君て友達思いで凄く良い人!」とかスイーツ脳炸裂で託卵確定
結婚後も「やっぱり千佳の事が忘れられない、でも千佳と亮太の家庭を壊したくない」とか言って明確に寝取りはせずあくまで陰で浮気続行ENDだな
次の話への意欲となります。
なお香世子についてなんですが、『亮太とは別の友達と3Pさせられる。または不良の先輩に貸し出しされる』という展開が初期にはありましたが、本筋がぼやけそうなので、没案になりました。
あと一応否定しておくと、自分はうにさんとかではありません。
このブログを見て育ったので、掲載されてる体験談等は、影響されてるというか、正直真似している部分が多いです。
次の話は、遅くとも7月中に投稿するつもりです。
それではまた。
次も期待してるぜ
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
(^'ミ/.´・ .〈・ リ わしが育てた
.しi r、_) |
| `ニニ' /
ノ `ー―i
とか思う自分が居る。
NTR部分じゃなくて修羅場スキーになってきて健二とか千佳が、
大切な心を失ってしまうオチとか望んでるんだよなぁw
もっと作者さんの作品を読みたいので
一作目のタイトルを教えて頂けませんか?
健二は千佳を呼び出すと、亮太の待っている近くでプレイ。
偶然それを見つけてしまう亮太。
衝撃のあまり動けない亮太、しかし感覚のマヒした頭は妙に冷静で状況を分析。
健二の「浮気相手」が千佳だという事。
千佳が変わったのは自分ではなくて健二のためだという事。
状況を理解していくにつれ絶望が亮太の心を埋め尽くしていく・・・
二人の前に姿を見せることなく立ち去る亮太。
後日、電話で千佳に一方的に別れを告げる亮太。
縋り付くように健二を求める千佳。
だがそれをうっとうしく思い始めた健二は「真相」を告げて突き放す。
「真相」を知って、自分にとって大事なのが亮太だったと考えた千佳は亮太のもとへ。
何事も無かったかのように穏やかに対応する亮太。
よりを戻そうと話す千佳に亮太はあるものを差し出す。
亮太が差し出したのは傷だらけの潰れた指輪。
あの日、渡すはずだったと告げられ、自分の愚かさを改めて噛み締める千佳。
亮太は、自分が千佳を責めないのは諦めたからだ、と告げる。
その指輪と一緒でもう元には戻ることはできないのだから、と静かに突き放す。
健二の前に現れる千佳、どこか壊れた雰囲気を漂わせている。
「亮太に許してもらうの・・・」
「だから健二君、協力してね」
「・・・悪いのは健二くんなんだから」
「亮太に信じてもらう為に、いなくなってよ・・・健二君」
という希望はあるものの全体の流れや描写などすばらしかった。
創作の場合、実体験スタイルをとると発生する制約がないので、それが良かったのか。
ところで前作って『瞳の奥に』でいいのかな
いやぁな読後感がたまりませんね。マジカルチンポ最強ですなぁ
健二のカス設定がよくできてるお。千佳が落ちるまでもう少し欲しいという読者評もわかるかな。
創作とはいえ、最近になく刺さったなぁ。 はめられる男が知らないところで進んでく話は好みじゃないんだけどね。
次も期待してます
ごちそうさま
投稿作品で辿ればおk
次も期待
このみの問題だけど、寝取られる女視点を増やして頂けると嬉しいです。
亮太の浮気疑惑も気にしてる風でないし、何と言うか最後が堕ち描写にこだわりすぎて返って雑な感じ。
てことで、修羅場話のコレに展開似てますね。
http://shuraba.seesaa.net/article/143146783.html
オチも似たような感じでしょうね。
1.亮太が千佳にプロポーズ、千佳「他に好きな人ができたから」で断る。
2.千佳、健二に亮太と別れたことを報告して正式なお付き合いを求める。
3.健二、千佳を手酷く振るor付き合うも浮気三昧で別れるよう仕向ける。
4.千佳、亮太に謝罪と復縁要請、亮太断る
ってとこかな?
千佳はあくまで亮太を好きでいたいんだろ
というか愛する人を裏切るような自分を認めたくないというべきか
この前と後ろで話が変わっちゃってるかなぁ。
女に男を見る目が全然ないってのが寝取られの重要な点だからこんなもんかもしれないが。
それを打破?するのは亮太のプロポーズだろう
さすがに千佳も結論を出さないといけない
ただ、ラリってる千佳の前でそんなタイミングがあるのかどうか…
案その1
・亮太プロポーズ
・千佳、他に好きな人が出来たからと断る
・千佳、健二に亮太と別れたと告げる
・健二、うざくなって千佳を捨てる
案その2
・亮太プロポーズ
・千佳、健二に亮太にプロポーズされたことを相談
健二からもプロポーズされることを期待
・しかし、亮太とは争えないと健二は身を引くと告げる
・亮太、千佳結婚
・夜の生活が満たされない千佳
・健二がやっぱり諦められないと連絡し、再開
・千佳妊娠するがどっちの子供かわからない
健二の希望は案2だろうけど、健二が一番好き、
責任取ってくれるから生も中出しも許した
の現状では案1、健二も千佳に入れ込み過ぎだろう
それと健二による亮太の女奪い具合を見てるともはや亮太を好きなんじゃないかとすら思えてくる。
託卵するビッチに成り果ててた
数あるNTRSSの中でも群を抜いていると思う。
最初から最後まで千佳の魅力だけで突き進んでるのに、一切失速を感じない。
大変すばらしいです。
この作家凄い...