2013.09.05 Thursday
〜10.絡み始めた3本の糸〜
「今日何時頃来れそう?」
朝9時、ベッドの中からLINEでメールを送る。
すぐに既読のマークが付いたのを見て思わず笑ってしまった。
「可愛いじゃん・・・すぐ反応してくれるなんて」
彼は小さな声で呟くと、朝陽で明るく染まるカーテンの模様を眺めていた。
結構早く目が覚めちまった
昨夜は1時には寝たからかな・・・
まあ、その分こいつは物足りなかったかもしれないけど
携帯をくるくると回していると、隣で寝息を立てていたはずの慶子がこちらに寝返りをうった。
「女からのメールを待ってるの?」
「あ、起きてたのか・・・・」
「だって独り言呟いているんだもん」
「人が悪いな」
「今日これからその子と会うの?」
「さてね・・・・」
「だから昨日は一度しか抱いてくれなかったんだ」
「不満?」
「ううん、そんな事ないけど。メッチャ良かったから」
「だったらいいだろ」
「でも潤也、一回しか出してないでしょ?良かったの?」
そう言いながら、裸の慶子は右手で岬のペニスを握ってきた。
「お前、本当にエロいな」
「貴方のせいでしょ」
二人を包むタオルケットの中を覗くと、黄金色に日焼けした慶子の豊満な身体が艶めかしく蠢いていた。本来色白の彼女の身体、日焼け跡の境目が、普段着ている彼女の水着が如何に際どいものであるのかを物語っていた。
細く長い指が的確に岬の弱い部分を刺激し、携帯の画面に集中しようとする彼のペニスを勃起に導いていった。
「東大生の彼氏とはうまくいってるの?」
「もちろん」
「東大の医学生とお茶大のカップル・・・俺なんかお呼びじゃねえな」
「よく言うわよ・・・・」
中学、高校と有名進学校に通っていた彼女を変えたのは岬だった。
彼女が大学入学後、人生で始めて出来た彼氏が今の彼氏。そしてその後すぐに岬と知り合い、関係を持った。
彼氏と全く違う岬とのセックスに溺れたが、岬は決して慶子と彼氏の間を引き裂こうとはしなかった。寧ろ絶対に別れるなと言っていた。
そのくせ岬は慶子を抱きながら、とことん彼氏の事を蔑んだ。あらゆる事を彼氏と比べさせ、嫌という程岬の男としての強さを分からしめたのである。
真面目だった慶子はセックスで骨の髄まで犯され、岬以外では感じる事が出来ない身体にされてしまっていた。
「背徳感や罪悪感が性感を盛り上げる事を教えてくれたのは貴方じゃない。私が今まで大切にしてきたもの、常識とか社会性とか公平性とか、それを私を抱きながら貴方は全て壊してきたんだから」
「そう難しい事言うなよ」
いちいち言葉で言わなくてもいいって
ちょっと理屈っぽいんだよ、お前は
料理と身体が良くなけりゃ、とっくに捨ててんのに
「違うの、私は潤也に感謝してるんだよ」
「はいはい」
「・・・彼氏にね、プロポーズされちゃったんだ」
「は?」
「多分年内に籍入れると思う」
「マジで?てか、こんな事していていいの?」
カリ首を摘まむ様に撫で回しながら慶子は頷いた。
「・・・うん」
「そっか・・・でも結婚ね・・・いいのか、お前はそれで」
「勿論。だって彼、凄く優しいし。私、大好きなんだ、彼氏の事」
彼女は中に潜り込むと、勃起し始めた彼のペニスを咥えた。
「ねえ、潤也」
「ん?」
「結婚しても・・・・・会ってくれる?」
「は?まずくねえか?」
「大丈夫、それは・・・絶対にバレないようにするから。貴方には迷惑かけないから」
「・・・・・」
「私の事、捨てないで」
岬のアナルを細い指でマッサージしながらペニスに舌を這わせる慶子。
「お前、彼氏とのエッチじゃ満足できねえもんな」
「・・・・・」
激しく顔を上下し始めた慶子の身体を組み伏せると、寝バックの体勢で彼女のアナルに亀頭を突き立てた。
慶子の涎で潤わされた岬のペニスは、あっという間にその穴の中に根元まで呑み込まれていった。
「んっ・・・はっ!あっ・・・お、お願い・・・捨てないで」
「今まで通りにできるんなら、捨てないでやるよ」
「・・・・あんっ!あんっ!あっ、あっ、あっ、あっ、」
「アナルはあいつにはやらせんなよ?」
「わ、分かってるっ!あっ!あっ!あっ!あっ!」
「生は俺だけだからな?あいつには結婚してからも絶対ゴムつけさせろよ?」
「う、うんっ!分かってるからっ!・・・ああああっ!」
岬は腰の動きを止めて、慶子の耳元に口を寄せた。
「子供が欲しくなったら、俺が孕ませてやるからな」
彼女は何も言わない代わりに下半身をガクガクと震わせ始め、前の穴から大量の潮を吹いた。
はっ・・・彼氏可哀想。金や名声のために結婚するつもりだろ、こいつ
確かに家事ができて身体もエロいからな、お勉強ばっかりのお坊ちゃんには勿体無いくらいだから、まあいっか
しかしこいつのアナル、もう凄えゆるゆる。かなり雑に扱ってきたからな、この後ろの穴
彼氏さん、ごめんな、こいつ、10年も経てば垂れ流しになるかもしれないわ
あ、そう言えば医者か。なら気にすることねえか
岬は自分勝手に腰を叩きつけ、太く長いペニスを根元まで挿れると、彼女の直腸に亀頭を押し付けて射精した。
あまりの激しい動きに、彼女のアナルは真っ赤に腫れ上がっていた。
朝食の片付けを終えて和希をアパートに見送った瞳は、部屋の机の前に腰を掛けて二人の写真を眺めていた。
最近、こうやってボーっとする時間が多くなったような気がする。今まで和希と一緒にいた筈の時間がそのままポッカリと空いてしまっているのだろう。
先生、勉強始めたかな・・・
毎日毎日勉強と稽古ばかりで、本当に大変だろうな
私、全然先生の力になってあげられていないような気がする。何かしてあげたいのに、あまり関わらないのが彼の為、なんてお母さんも言ってるし・・・
あ〜あ、早く試験終わってくれないかな・・・
するとメールの着信音。
瞳はゆっくりと携帯を手に取ったが、画面を見るまでもなく、それが岬からのメールである事は何となく予想できていた。
実際携帯を見ると、そこには岬の名前。彼女は大きな溜息をついた。そして、その溜息が自然と出たものではなく、意識的なものである事を、それは自分の心の奥に宿り始めた誰にも知られたくない、絶対に知られてはいけない想いを無理矢理閉じ込める為の自己暗示の所業である事を彼女は理解していた。
「今日何時頃来れそう?」
恋人セックスをする為に、岬が自分誘っている。
岬との約束はあと6日間。
あと6日間も?・・・
最初は岬さんとお喋りする為だけに通った彼の部屋
でも最近はずっと彼に抱かれている。そして、セックスの良さを嫌になるくらい教え込まれてしまった
昨日は、彼が一方的にだけど、恋人セックスだって言っていたし・・・
先生を裏切り続けた1ヶ月間が、岬さんとの1ヶ月間が、あと6日間で終わる・・・
・・・・・・・もう6日間しか?
・・・て、何を考えているの、私は
やっと、やっと岬さんから開放されるんでしょ?
やっと先生の事だけを考えればよくなるんでしょ?
私達は元の生活に戻るだけ。そして先生が試験に受かったら・・・
そうだよ、私達はこれからずっとずっと一緒なんだから・・・
嘘の私は・・・もう終わりなんだから・・・・
・・・だけど・・・だけど何故こんな気持ちになるの?・・・・
おかしいよ、私・・・
瞳は右手をあそこに伸ばし、知らず知らずの内に自慰に耽っていた。
部屋の床に置かれた踵の高い白いサンダルを見つめながら、昨日の事を思い出しながら、自らのクリトリスを円を描くように、優しく撫でていた。
彼の逞しいペニスで信じられない程に深いことろまで犯され、意識が飛ぶ程に何度も何度もいかされた昨日のラブホでの出来事を思い出すと、自然に右手に力が入る。
恐る恐る中指を膣の中に入れ、ゆっくりと根元まで深く進めてみた。そして奥を掻き回してみると、子宮が疼くような快感が得られた。
でも・・・何か違う
もっと、もっと奥の方まで・・・・・
瞳は諦めて指を抜くと、再びクリトリスを撫で、そして左手でメールを打った。
「今日は行きたくありません。ごめんなさい」
その短い一文を送信することに一瞬躊躇してしまったが、すぐに彼女は送信ボタンを押した。
すると数分後、岬からリメールが届いた。
「分かった。俺は今日一日、部屋で君の事を思いながら静かに過ごすことにするよ。愛してる、瞳」
瞳はその短い文を見つめながら、果てた。
岬に子宮の奥を乱暴に突かれながら果てる時と比べると、明らかに物足りない。
そして、自然とそんな事を考えている自分に気付き、頭を振って邪念を振り払おうとする瞳。
彼女の愛液で濡れた人差し指と中指はそのままに、呼吸を整えながら天井を見つめていた。
私、ずっと岬さんとの恋人セックスを想像していた・・・・・
いつから?
昨日の夜、先生に抱かれた後から?
・・・違う!そんな事ない!絶対にない!
だからそんな事、比べる対象じゃないんだって!
「ごめんなさい、先生・・・」
彼女が自慰している間、和希の事を完全に忘れ去っていた事に対する罪悪感から、涙を浮かべながら謝罪の言葉を口にする瞳。気持ちがあらぬ方向に暴走しようとする恐怖を感じながら、辛うじて自分自身にブレーキをかける。
しかし、家族の皆が出掛けた後、広い家に一人でいると、その気がなくても色々な事を考えてしまう。いつもなら和希の側に居れば全て丸く収まるものが、一人では平常心を保つ事すら難しくしている現状に、瞳は少なからず苛立ちと、自分の弱さに対する落胆を感じていた。
午後2時、朝からずっと勉強漬けの和希、休みの日はいつもこの時間帯に気分転換を兼ねたロードワークに出かける事にしていた。
以前はせいぜい1時間も集中できれば御の字だったのに、最近は結構長い時間集中していられる。本当は気分が乗ってる時は時間を気にしないで勉強に没頭する方がいいはずなんだけど、試験の前に昇段審査があるからな
逆に走るからこそ、脳の回転も良くなっているのかもしれないし
後は欲求不満さえ解消できれば・・・なんて、昨日瞳を抱いたばかりじゃないか・・・
和希は昨夜の瞳のフェラチオを思い出し、下半身がむくむくと起立してくるのを感じたが、顔を横にブンブンと振って両手でパンパンと頬を叩くと、気合一発、アパートの外へ飛び出した。
走る前の準備運動、ストレッチを念入りに行う和希。昨日痛めた腕の筋肉が疼く。
そうだ、ちょっと家覗いていこうかな
瞳の顔見てからにしよう
ついでに湿布も貰っていかなきゃだしな
頭上で反対の腕の肘を掴んで伸ばしながら歩を進めると、玄関を出て向こうに歩いていく女性の後ろ姿が見えた。
グリーンのミニのふんわりとした可愛いワンピースからレギンスに包まれたスラリと伸びた脚。長い髪をなびかせる姿に思わず見とれてしまった。
あれ?瞳かな?
どっか行くのか・・・
でも、なんだろう、凄く背が高いというか・・・一瞬別人に見えたけど・・・
なんだ、残念・・・
和希は声をかけるのをやめ、踵を返していつもの通り反対方向へ向けて走り出した。
おかしいな・・・
俺の算段だと、もう来てもいいはずなのに・・・
本気で今日は何も無しってか?
ったく・・・こんなんなら誰か誘えば良かったかな
上半身裸の岬は、やり掛けのゲームの電源を切ると、シャツを一枚羽織ってそのまま外に出ようとした。
「キャッ!」
「あっ!ごめん・・・・・え?あれ?」
丁度ドアを開けたとき、呼び鈴を押そうとしていた瞳が目の前に立っていたのだ。
「瞳ちゃん!来てくれたんだ!」
「いや・・・あの、やっぱ約束だし・・・」
「っていうかさ、サンダル履いてきてくれたんだ〜、まじ嬉しいわ」
「・・・・・・」
モジモジとする瞳、頬を赤く染めながらも少し不機嫌「そう」に視線を横にする。
「ね、瞳ちゃん、ちょっとそのまま後ろ向いて」
瞳は何も答えず、玄関の前でゆっくり後ろを向いた。
「いや〜、まじ似合ってるわ、最高!うん、最高!」
「そ、そうですか?・・・」
「うん、マジマジ!まあ履く人が良ければどんな靴だって似合うんだろうけどね」
無邪気に笑うその表情
本当にいい顔するよね・・・
私、その笑顔に救われてきたんだと思う
クールにしている時は見ているこっちが息苦しくなる程のイケメンなのに、笑ったら子供みたいにこんなに可愛い表情になるんだもんね・・・
色んな女の子が夢中になるのも分かるよ・・・
だけどね・・・後6日だから、私達
もう貴方に甘えていられないし、貴方の事を少しづつ忘れていかなければならないから・・・だから、今日からは、元の友人関係に戻れるよう頑張らなきゃ・・・
「ささ、中に入ってよ」
「でも岬さん、出掛けるところじゃ?」
「そんなのキャンセル。瞳ちゃんが最優先だから、俺」
「は、はい・・・」
玄関に入って靴を脱ごうとする瞳を岬は止めた
「ほら、やっぱいい具合の高さじゃん」
岬はそう言って瞳を壁に押し付けると、有無を言わさずにキスをした
不意打ちの彼のキス、彼女は防ぎようがなかった
だ、だめ、岬さん、私こんな事するつもりで来たんじゃない・・・
いや・・・いや・・・・
・・・で、でも・・・この人のキス・・・やっぱり凄く、上手・・・・
もう、一瞬で頭の中が・・・・蕩けそう・・・・
「だ、ダメです!」
瞳は力を込めて岬の胸を押し、その腕の中から逃れた。
「瞳ちゃん・・・」
悲しそうな表情をする岬。はだけたシャツから、日焼けした逞しい彼の肉体が垣間見える。その刹那、下腹部がジュンとなるのを感じながらも、辛うじて視線を外す瞳。
「あの・・・私、お話する為に来たんですから・・・」
明らかに声が上ずっていた。でも意思ははっきり伝えたかった。
「分かったよ・・・まあ上がってよ」
岬はクスッと笑うと、諦めたような表情をして瞳を部屋へ上げた。
彼はお茶とケーキを出すと、以前のように1メートルの距離を保ったままお喋りを始めた。相変わらず表情豊かに面白おかしく話す彼の話術は健在で、彼女はどんどん話に引き込まれてしまう・・・はずだった。
彼の話に笑顔で返すものの、どこか乗り切れていない瞳の表情を岬は見逃さなかった。
「瞳ちゃん、俺の話、つまらない?それともどっか具合でも悪いの?」
「え?い、いや、そんな事ないです・・・」
違う、岬さんの話はいつも通り凄く面白い
だけど・・・何か、気になる、というか・・・この微妙な距離感、他人行儀というか
でも、これが本来のカタチなんだよね、私達の
恋人同士でも何でもないんだから・・・
でも・・・・・・遠いな・・・
「瞳ちゃん、あのさ、隣、行ってもいい?お願いがあるんだけど」
「・・・・・」
あまりの驚きで返事が出来ない
この人はどうして私の心の中が分かるの?
いつもいつも私の考えている事を見透かして行動してくれているような気がする
女の子の気持ち、この人には手に取るように分かるのかもしれない・・・
先生なら・・・・
ソファに座る瞳の隣に腰を下ろす岬。
「ははは・・・俺、やっぱりこれくらい瞳ちゃんに近い方がしっくりくる」
何も答えられず、只管俯くだけの瞳のすぐ隣に座り、彼女の背もたれに左腕を乗せる岬。肩に触れそうで触れない微妙なところが、彼女の胸をざわつかせる。
暫く無言。
時計の秒を刻む音だけが聞こえた。
そして、それが煩わしく思える程沈黙が長く続いた後、岬が口を開いた。
「あと6日で終わりだね・・・」
「はい・・・」
「もうね、瞳ちゃんが彼氏の事、心から大切に思っているのは充分分かったよ」
「・・・うん」
「こんなに瞳ちゃんの事が大好きで、愛していても、俺は彼氏には勝てないって事も分かった」
「・・・・・」
「だから、残りの6日間、俺の頼みを聞いてくれないか?」
「・・・何ですか?」
岬は左腕で彼女の肩を抱き、側に寄せると耳元で囁いた。
「君を、俺の記憶に焼き付けたいんだ。心から愛した人の事を」
岬は瞳の手を握りながら続けた。
「瞳を、抱いて抱いて、抱き尽くしたい」
思わず顔を上げる瞳。その目は潤んでいた。
「瞳の記憶にも俺の事、残したいんだ・・・ダメか?」
彼女は顔を激しく横に振った。
「もう・・・もう、残っています、充分」
「もっともっと残したいんだよ、俺の事。一生忘れられない位に」
「困ります・・・これ以上なんて」
瞳の頬に涙が一筋流れた。
「わ、私・・・あの人の事、大好きだから・・・心から、愛してるから」
「分かってる。だから6日経ったら俺は君の事、きっぱり諦めるよ」
「・・・・・」
思わず岬の顔を見上げる瞳。でもそれは一瞬だけで、すぐに慌てて下を向く。
「最初に約束したろ?必ず彼氏のところに戻してあげるって」
そう言って静かに口づけをする岬。
軽く唇が触れ合った瞬間、瞳は顔を逸らし、唇を真一文字に結んだ。
両方の頬を涙が流れ落ちていた。
「・・・先生の事、和希君の事、本当に愛しての、私・・・自分の命よりも大切な人なの・・・だから・・・お願い・・・もう、本当に・・・・・これ以上・・・・・」
岬は肩を震わせる瞳の頭を優しく撫でた。
「分かってる。6日経ったら、俺は瞳の前から消える。二度と姿を見せない」
顔を上げた瞳、溢れる涙を拭おうともせず、彼の目を見つめた。
この涙は、誰の為?
先生?それとも・・・岬さん?
「君は最後まで抵抗した・・・彼氏の為に」
「・・・・・」
「俺が無理矢理君を奪うんだ。それで・・・いいだろ?」
彼女の顎を指で起こし、もう一度唇を寄せた。今度はもう拒むこともなかった。
彼女は嗚咽を漏らしながら、彼のキスを受け入れた。
私・・・もう、ダメかもしれない・・・
ゴメン・・・先生・・・
でも、大好きだから・・・本当に、愛してるから・・・
彼女は彼の首に両腕を回し、彼は彼女の細い腰を強く抱き寄せ、水音を響かせながらお互いの舌を貪り始めた。
10キロのロードワークを終えてアパートの前まで来ると、部活帰りの葉月とバッタリと会ってしまった。
「よお、おかえり」
「あ、和希君、ただいま。ってか、おかえりなさい」
「こ、こんちわっす」
葉月の隣で慌てて頭をペコペコ下げる葉月の彼氏。
初めて近くで見る葉月の彼氏は、180センチ近い長身で、線が細く気弱そうな表情だがなかなかのイケメン。真っ黒に日焼けした肌に真っ白な歯が好印象のナイスガイだった。
葉月ちゃんの彼氏だもんな・・・そりゃ格好いいはずだわ
てか今の高校生って、男も女も皆スマートで背が高いんだよな・・・ったく
「今家に誰もいないよ」
「ええ〜マジで〜。お姉ちゃんも?」
「さっき出掛けたばかり」
「うわ〜、最悪」
悪態をつく葉月だが、どこか嬉しそう。彼氏に至っては言わずもがな、である。
和希は部屋に戻るとすぐにシャワーを浴びた。
温かいお湯で汗を流し、徐々に温度を下げてゆき、最後はほぼ冷水を頭から浴びる。
昨日の瞳のフェラ・・・上手だった・・・
上の乗ってくれたり、なんか最近凄く積極的だけど、何かあったのかな・・・
・・・それとも、欲求不満とか?
ルールとはいえ、以前のように抱いてあげられなくなったからかな
俺だって、毎日でも瞳の事抱いてやりたいけど・・・・
なんかいい口実ないかな・・・またデートしたいな
愛する女の裸を思い出し、シャワーを浴びながら勃起させる和希。
股間に冷水をかけて落ち着かせると、Tシャツと短パンに着替え、再び外に出た。
だいぶ腫れの引いた両腕をさすりながら宮條家の玄関を開けると、すぐに目に飛び込んできた踵を潰した大きなスニーカー。
あ、やば・・・
そう言えばあの二人、いたんだ
和希は恐る恐る1階のリビングに入っていったが、そこに二人は居なかった。
あ〜、良かった
こんな所でイチャついてたりしてたらどうしよう、って思ったけど
え〜と、薬箱薬箱・・・あった、湿布貰っていくよっと
湿布を4枚手に持ち、そのまま玄関まで戻った時、思わず階段を見上げ、聞き耳を立ててしまった。
お、俺、何やってんだ、また・・・
ダメだって
こういうの、ヤバイって!
気持ちとは裏腹に、シーンと静まり返った家の中で一歩階段を踏み上がり、耳に全神経を集中させる和希。
微かに木の軋む音が聞こえるが、木造の大きなお屋敷であれば、人がいればそこかしこの歪が木を軋ませても何ら不思議ではない。
しかし、二階からというよりも、一階の天井から伝わる軋み音が次第に一定のリズムを踏み始めた時、和希は思わず息を飲んでしまった。
「ギッギッギッギッギッギッギッギッ・・・」
間隔がどんどん狭くなり、音も激しくなっていったような気がした。
知らない内に和希は階段半分の所まで来ていて、その事に気が付いて慌てて下に戻ろうとした時だった。
「あっ!あっ!あっ!い、いやっ!いやんっ!あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!」
軋み音と同調した葉月の喘ぎ声が聞こえた。聞こえてしまった・・・
心臓が喉から飛び出しそうな思いで、音を立てないように階段を下り、外へ出た和希。小走りでそのまま部屋に戻ってしまった。
童顔で笑顔の愛らしい葉月の喘ぎ声・・・
まだまだ子供だと思っていたのに、あの声は男のペニスでヴァギナを貫かれた女が出す正にその声だった。
彼氏の勃起したペニスが葉月のヴァギナに挿入されていくところを嫌でも妄想してしまい、和希は例えようのない興奮で股間を固くさせていた。
す、凄いエッチな声だった・・・
本当に葉月ちゃんの声なのか?
あんなやらしい声を出すのか?
そんなに・・・気持ち良かったのか?
ひょっとして、制服着たままとか?
その・・・やっぱフェラチオとかも・・・
いや・・・まずい・・・俺、こんなんで勃起させて・・・最低だ・・・最低野郎だ・・・
自覚はしていても、欲望は抑えられなかった。
彼は右手を激しく上下させると、最愛の彼女の妹が彼氏に組み敷かれ、強く抱き合い、お互いの唇を貪りながらセックスしている場面を想像し、あっという間にティッシュの中に吐精してしまった。
そして、かつてない程の自己嫌悪と、瞳と葉月二人を陵辱し、汚したような罪悪感に落ち込み、しばし呆然としていた。
20度に設定されたエアコンが効いた部屋にも関わらず、中にいる二人は玉のような汗をかいていた。
ベッドに寝そべる男の両脚の間で四つん這いになる女。
入口が結わえられたビッグサイズのコンドームの中には大量の精液が溜まっていた。それを綺麗にティッシュに包んでゴミ箱に捨てると、彼女はドロドロのペニスを丁寧にフェラチオしていた。
亀頭とカリ首に纏わり着く精子を舌で舐めとり、綺麗にしてゆく技術はこの男に教えられたもの。それを更に彼女なりに昇華させたテクニックは、もはや数え切れない数の女を抱いてきたその男をうならせる程のものになっていた。
舌技だけで射精へ導き、騎乗位で腰をうねらせて射精へ導き、正常位ですらペニスを扱き抜くような腰使いをする彼女、そういった技術を短期間で会得できたのは、まさに彼女の奉仕精神から来るもの。
相手の男に気持ち良くなって欲しいと思うと同時に、その行為自体が自分自身を、死と表裏一体かと錯覚する程の、地獄に真っ逆さまに突き落とされるような深い快感を呼び起こす事を彼女は知ってしまっていた。
より淫らに、より激しく、全てをかなぐり捨ててセックスに没頭しなければ、この男の愛を受け留める事は出来ない、とも感じていた。
「瞳、お尻をこっちに向けて」
彼がそう言うと、ペニスを咥えたまま180度回転する瞳。
岬の極太のペニスを抜いた直後はパックリと丸く開いたままで、奥のヒダまで見えていた瞳のヴァギナは、もうぴっちりと閉じており、泡立った愛液に塗れた陰毛がそれを隠し、周りにへばりついている様相は、卑猥の極み。
岬は舌先を割れ目に押し込み、愛液を直上のアナルにまぶすように塗りたくる。それを何度も繰り返し、彼女のアナルをぬるぬるにして、そこに人差し指を突き立てた。
その瞬間、引き締まった尻をブルっと横に震わせる瞳。
それを無視して、ゆっくりと、確実に第一関節まで挿し込む。
「痛い?」
「あ、あ・・・ん・・・・少し・・・」
「もう少し、我慢してくれるか?」
微かに頷くのをペニスで感じると、岬はゆっくりと根元まで挿れてしまった。
ギリギリと彼女の肛門が岬の指を締め付ける。指先が空洞になった直腸内の熱い感触に包まれたのを確認してから、ゆっくりと引き抜く。
締め付けは凄いけど、瞳、あんま痛がってないな
これも天性なのかね・・・
一気にアナルセックスまでいっちまおうか・・・
・・・ん?・・・あれ、どしたんだろう
岬の視線の先には擦り傷で赤くなった瞳の右足首。
瞳の全身の肌には傷やくすみが殆ど無い。だからそんな些細な傷跡でも目立っていたのだ。
「ここ、どうしたの?」
「あ、これは靴擦れ、だと思う・・・」
ペニスを持ったまま、振り返って答える彼女の口の周りは唾液でベタベタだった。それを見て再び欲情の火が付き始めた岬は、彼女を寝かせると、その足首を持ち上げ、そこにキスをした。
「あ、み、岬さん・・・そんなところ」
狼狽える彼女を無視して彼は両手で彼女の脚を持ち、足首に舌を這わせた。
むずむずとした初めての感覚に戸惑う瞳。
岬はそのまま舌を這わせる範囲を広げ、彼女の足の甲、裏、そして指を口に含んだ。
「だ、ダメっ!岬さん、それはだめ・・・」
彼女は暴れたが、岬はそんな事には微動だにせず、只管彼女の脚を舐めていた。
「いいんだよ、瞳。大事な人のものだから、汚い所なんか一つもない。その証拠に、見てごらんよ」
岬は腰を突き出した。
え?・・・美咲さんの、真上向いてる・・・
私の脚を舐めて興奮しているの?・・・
やだ・・・先からも溢れてきてるし・・・
凄い・・・凄い、いやらしい・・・・
女の誰もが恋焦がれるようなイケメンの男が自分の足の指を嬲り、巨大なペニスをガチガチに勃起させているその状況に、彼女の脳内ではドーパミンが溢れ出していた。
無意識の内に彼のペニスに手を伸ばし、握ってしまった。
凄く硬い・・・硬すぎるよ、岬さん・・・
ああ・・・舐めたい・・・岬さんの・・・気持ち良くしてあげたい・・・・・
・・・もうダメ・・・私
貴方のペニス・・・愛しくて、堪らない・・・・・
窮屈な姿勢では、如何に身体の柔らかい瞳といえども、なかなか口が届かなかった。
岬はそれを察知すると、彼女の右足を抱えたまま、身体を反転させて彼女の顔の上に腰を持っていき、男が上になる感じの変則的なシックスナインの形になった。
瞳は岬の腰を下から抱えるようにすると、亀頭から裏筋、睾丸まで一気に舐め上げた。
下腹に付くほど勃起した彼のペニスを咥えるには厳しい体勢だったので、彼女は只管裏筋と袋を舌を擦りつけるようにして愛撫した。
岬は足首から脹脛、裏腿を舐め、そして潤みきったヴァギナにむしゃぶりついた。
そして唇でクリトリスを摘んだ時、瞳は軽くアクメに達した。
彼女の痙攣が収まる前に、岬は瞳の脚を大きく開かせると、今度はアナルに舌をねじ込むようにして舐め上げた。
すると瞳も岬の下半身を強く引き寄せ、彼のアナルを同じように舐め始めた。
二人は全身をピッタリと隙間なく密着させながら、10分以上お互いの肛門がベチョベチョになるまで愛撫し合った。
彼の胸に密着した彼女の下腹部が、興奮で激しく上下しているの感じ、一旦岬が身体を離した時、切羽詰まった瞳が言った。
「も、もうお願い、お願いだから・・・」
「入れて欲しいの?」
涙目でコクコクと何度も頷く瞳。
「ゴム、付けてないよ?」
「だめ・・もう我慢できない・・・欲しい・・・早く、ねえ、早く、お願いだからぁ・・・」
それを聞いて岬は正常位で一気に奥まで貫いた。
直に伝わる瞳の熱い膣壁の感触、脈を打つように力こぶがペニスを四方八方から締め付ける感覚に酔いしれる。
瞳の方は既にそんな余裕はなく、入れられた瞬間に身体を大きく仰け反らし、子宮口を突破された瞬間に、その日何度目か分からないアクメを迎えていた。
凄い・・・
落ちる・・・身体が、どこまでも落ちてゆく・・・
全然比べものにならない・・・・自分でするのなんて・・・無意味
意識が薄れそうになった時、岬のピストン運動が始まった。
20センチの深いストロークで、下から身体全体が持ち上げられるような力強い腰の動き。
「ひっ!ひうっ!・・・はうっ!・・・ひっ、ひっ!」
殆ど声にならない声を出す瞳。時々、カハッ!と、引きつったように喉を鳴らす。
「ま、また・・や、やだ・・・イク・・イクイクイクッ・・・イックウゥゥゥッ!」
ものの数分でまたイかされる瞳。
常人が見たら少し心配になるくらいに痙攣する瞳の身体。しかし女の身体を知り尽くした岬は、そんな事にはお構いなしにピストンを継続させていた。
ヴァギナからは潮を吹き、彼が腰を叩き付けるたびに愛液が飛沫をあげる。彼女の視線も定まっていない。
岬は一旦中断すると、瞳を四つん這いにしてバックで挿入した。
瞳は自分の身体を支える事もできず、顔をシーツに押し付けたまま、岬の激しいピストン運動を受け入れていた。
彼女のアナルに指を入れながら彼が腰を一番深いところまで押し付けて奥をグリグリとした瞬間、また瞳はイキ始めた。
パシャッ、パシャツ
尻を震わせながらイク姿を写メで撮る岬。その音は瞳の耳には届いていなかった。
岬がペニスを抜いたとき、一瞬ポッカリと口を開けたままになる瞳のヴァギナも写メに撮っていた。
彼は携帯を置くと、彼女の耳元で囁いた。
「瞳の、初めてが欲しい」
虚ろな表情の瞳はうまく反応する事が出来ない。
「お前とアナルセックス、したいんだ。後ろは、俺が初めての男になりたいんだ」
アナルセックス・・・その言葉に反応し、岬を見つめる瞳。
「お願いだ・・・愛した証を、俺にくれ・・・」
弱々しい表情で彼女に懇願する彼。
そんなに、私の事、好きなの?・・・
そんなに、私との思い出が、欲しいの?・・・
・・・いいよ・・・・
貴方に・・・あげる・・・・私の・・・・あげる・・・
コクリと頷く彼女の頬にキスをすると、彼は彼女の細い腰をしっかりと掴み、亀頭をアナルに押し当てた。
ゆっくりと顔を上げ、不安そうに岬の方を向く瞳。
「いいかい、トイレに行く時みたいに、少しいきんでほしいんだ」
彼女は前を向き、そしていきんだ。
肛門が微かに盛り上がった瞬間を逃さずに、岬は亀頭をグッと押し入れた。彼の巨大な亀頭が呑み込まれた瞬間だった。
「痛いっ・・・岬さん・・・痛い」
「一番太いところは入ったから。後は楽だから、もっと力抜いて」
そう言いながら、岬は少しづつ腰を進めていった。
「はあぁぁぁ!・・・痛い・・・痛いよぉ」
やべえ・・・これはマジでやべえよ・・・
締め付けが異常だ
あんま無理しないほうがいいかも
チンポも少し痛くなってきた
まだ、6日あるし・・・ちょっと、今日は辞めておくか・・・
結局、彼は半分程度入れたところでアナルセックスを終えた。勿論、射精はしていない。
「ごめんな、瞳。大丈夫?」
「うん・・・ちょっと、痛い、かな」
「ごめん・・・でも、ありがとう、瞳の初めてを俺にくれて」
「・・・・・」
瞳は岬の腕の中で表情を緩めていた。それはアナルセックスが終わった事に対する安堵であり、同時に、彼が望んだ自分の初めてをあげた嬉しさでもあった。
その後、二人でシャワーを浴びた時、瞳の手と口によって岬は二度目の射精を果たし、岬は瞳のアナルを優しくマッサージしてあげていた。
会話は殆どなく、お互い笑顔のまま時折軽く唇を重ねたりしながら、まどろむように過ごしていた。
帰り支度をする瞳は、レギンスを履き、ワンピースに身を包んで長い髪の毛をとかしていた。
「瞳さ、最近髪結っていないんだな」
(だって、岬さん、こっちの方が・・・)
そう思ったが口にはしなかった。
薄くメイクをし直すと、キリッと澄ました普段の美しい瞳に戻った。さっきまでトロトロに蕩けさせられていた女とは全くの別人の出来上がりだ。
「さっきタクシー呼んだからさ」
「ありがとう・・・・・じゃあ、私行くね?」
バッグを持って立ち上がった瞳に駆け寄ると、いきなり肩を抱く岬。
キョトンとした瞳に彼は言った。
「いやさ、俺達、外では一緒に歩けないだろ?だからせめて玄関までは一緒に腕組んで歩きたいと思ってさ・・・3〜4メートルしかないのにね、バカだよね、俺って」
申し訳なさそうに苦笑いする岬を見上げる瞳。
彼女はクスッと笑うと、背伸びをしてチュッとキスをした。
「本当にバカだよね、岬さんて」
そう言いながら彼の腕にしがみつく彼女。
「ちゃんとエスコートしてね、玄関までだけど」
「おっし!分かった!」
僅か数歩の距離をベッタリとくっつきながら歩く二人、紛れもなく恋人同士だった。
瞳は名残惜しそうに岬の腕から離れると、買ってもらったサンダルを履いた。すると岬も玄関まで降りてきた。
「ほらね、これくらいならキスしやすいだろ?」
「本当だ」
「瞳」
「なに?」
「舌出して」
「ん・・・」
その舌をチュッと吸う岬。
「じゃあ岬さんも」
「はい・・・」
同じように岬の舌を吸う瞳。
お互い見つめ合い、どちらともなくもう一度口づけをする二人。
軽いキスのつもりが、次第に舌を絡ませるディープキスに。
瞳は岬の身体を強く抱き締め、岬は瞳のミニを捲りあげてレギンスの中に両手を突っ込んで尻を鷲掴みにしていた。このままだとまたセックスを始めそうな勢いで抱き合う二人を、タクシーのクラクションが引き裂いた。
「もう・・・行かなきゃ・・・」
「うん・・・でも」
「でも?・・・なに?」
「また勃起しちゃった」
「えっ!」
岬はスウェットを下げ、ペニスを露出させていた。
情けない表情の岬とあいまって、思わず吹き出す瞳。
彼女は溜息をついてその場でしゃがむと、彼の腰に両手をあてて、亀頭を口に咥え、ゆっくりと喉の奥まで呑み込んだ。
目を瞑った瞳の瞼を薄く彩るアイシャドーが、岬の欲情を一気に高めてゆく。
だが、ヌルッとした温かい感触に包まれ、若干腰が引けたとき、彼女にスウェットを上げられてしまった。
「はい、おしまい」
「ははは、ありがとう・・・」
「うん、じゃあ、ね」
「・・・・ねえ瞳・・・あと5日、だね」
「うん、そうだね・・・」
「明日も、待ってるから」
「・・・・・うん・・・」
彼女は俯くと、そのままドアを開けて出て行った。
タクシーに乗った瞳がドライバーに告げた行き先は、すずらん公園。
すぐに彼女は「宮條瞳」に戻ろうとする。
このまま家に帰れるわけがない・・・
彼の温もりが残ったこの身体のまま、家の敷居を跨ぐなんて死んでもできない
「偽物」の私から戻らないと・・・・
岬の部屋を出るとすぐに思い浮かぶ大切な人の顔。
その度に押し寄せる寂寞と後悔の念。大声を出して泣きたくる程のこみ上げる想い。
しかし、彼女はそんな思いすらコントロールできる程、この状況に慣れてしまっていた。
不誠実で、不道徳な一人の女を、「偽物の自分」に押し付ける方法を知っていたのだ。そして、それが何ら解決に繋がらない事も。
窓の外の景色を眺めながら、少しづつ現実に引き戻されるのを感じていた。
いつもの道路、いつものお店・・・慣れ親しんだその風景が、さっきまで演じていた異常な自分と本来の自分とのギャップを否が応でも認識させる。
後5日で私は開放される
岬さんも、ちゃんと約束を守ってくれそうだし
これでいいはず・・・なんだよね・・・
私は先生のところに戻り、先生の為にこれからの人生を歩む
そこにどんな邪魔が入ろうとも、私は先生の事を絶対に諦めない
だから・・・その為の、残り5日間、なんだから・・・・・
瞳はもう割り切っていた。
あと5日間、岬と会っている間は全てを忘れようと。どうせ5日経てば以前の暮らしに戻れるんだから、と。
そう・・・5日経てば全てを忘れて先生のところへ戻ればいいんだから
全てを忘れて・・・岬さんの事も、もう単なる思い出にするだけ
私の人生の歴史上の登場人物の一人に過ぎないんだから・・・
主人公は先生と私、他の人の事は別にどうだっていいの・・・どうだって・・・
日向に戻る自分、しかし、日向にいながらにして日陰の自分を引きずり始めていた事を、彼女は分かっていた。
分かってはいたが、認めてはいなかったその気持ち・・・それは・・・・・
出来たっと・・・
取り敢えず、今日の分はこれでOK
結構時間かかったけど、まあまあかな
岬はネットでブログの登録を済ませると、今日の出来事をアップした。
「LoveStory Of J&H」
我ながらセンスねえな・・・
まあそんな事はどうでもいっか
パスワードを掛けて、と・・・
そもそも瞳みたいないい女が、あんなブ男の彼女なんて有り得ねえんだよ
身の程知らずとは、あいつみたいな奴のことを言うんだろうな
その内瞳も気付くだろうけど、つうか、気付かせるけどな
岬は瞳のメールから拝借した和希のアドレスに、自宅のPCから捨てアドを使ってメールを送った。
無題のそのメールには、ブログのURLとパスワードが書いてあった。
Comments
瞳ちゃんビッチすなあ。
まあ、シコれるからいいけど。
瞳の完全な浮気になってるから魅力がどんどん薄れていってるように感じる
どう纏めるか楽しみだわ
すべての登場人物に絶望あれ
戦いはこれで決まりだ
お前らも書いてネタくれよ
プロローグで中出ししていたようだし、そろそろあの続きが読めるのか。
あれは”1カ月”の内なのか、それとも・・・
短小早漏な和希を内心小馬鹿にするようになる瞳が見たい
屑ッぷりを見せて欲しいがこの展開だと
慶子、瞳が、「アンタの所為で捨てられたじゃない!」等々・・・
とか岬を責めフルボッコとかは安易だし無いだろうなぁ
後なんか岬は、慶子の彼氏にも同様の事してて東大生の彼氏は既に寝取れに
目覚めていてとか、和希の方も寝取られに目覚めたオチなのかなと思うと冷めるので止めて欲しい。
NTRて彼氏の方が、絶望・喪失ではなくて瞳や慶子に一番大事な人を喪失してしまう痛みを味わって欲しいと思う。
瞳をポイ捨て、和希とヨリを戻させてあげるというオチがいいかな
しかし瞳は岬を忘れられずセフレ堕ちみたいな
繰り返しますが、やっぱり私は皆さんと感性は似ていると思います。
私も2chの浮気スレとかたまに読みますが、どちらかと言うと浮気女には徹底制裁を!とか思ってしまう方かも。
上に書かれた皆さんの予想、私も読みて側であれば、同じような事を思ったかもしれません。
が、違いますよ〜
こんな駄文なのに書くとすぐ反応があるなんて、本当に嬉しいです。馬鹿なりに頑張ります。
明日、明後日は暇なので、篭ってみようかな
最後は瞳のモロ顔出しのエロブログ見ながら和希はオナニーするんでしょうね…
瞳が岬に心も肉体も完全に寝取られたことをお互い認識しながら
形だけの復縁をして元サヤに戻る
そういう胸糞悪い結末が寝取られの醍醐味…
もっと言うと作者がそれにレスしちゃうとか余計にダメだろ
そこを省略したり、サラッと流したり、そこまでいかないままヌルッと終わったりするNTR作品がが多くてフラストレーション溜まりまする
飽きた岬にはめられてDQN友達に輪姦とか
おおっ!期待してます。
意外とこういうパターン無いんですよね。
完膚なきまでに、お願いします。
楽しみだ!