〜3.彼女にとって不必要な出会い〜


青山三丁目駅を出て五分程の小洒落た洋風居酒屋の個室。
一見で所謂「リア充」と分かる男女6人が、これからまさに合コンに突入、会話の花を咲かせようとしていた。男性は3人とも背が高く、さわやかな印象の好青年ばかり。女性も皆周りとは一線を画すような美貌を誇り、1名を除いてニコニコと男性との会話に積極的に絡んでいく。
乾杯が終わって間も無く、化粧室に立った麻衣を追い掛ける瞳。その表情はやや固く、不安の色が滲み出ていた。
「なんで男の人がいるの?」
「ごめん、でも最初からそれ言ってたら瞳、絶対来てくれなかったでしょ」
悪びれもせずに、やや眉を八の字にして舌を出す麻衣。その小悪魔的な表情に、いつも周りの男だけではなく、女までもが騙されてしまう。でもそれが彼女の魅力の一つである事も皆分かっていた。
たまにムカつくけど、何故か許してしまう、そんなキャラの彼女を瞳は羨ましく思う事もあった。
「それに奥に座ってた人、麻衣が以前好きだった人でしょ?振られちゃったって言わなかった?」
「瞳失礼ね〜、はっきり言い過ぎ(笑)」
「あ、ごめん。でも、なんかおかしくない?」
「岬先輩とは友達よ。お付き合い出来なかったからって疎遠になるなんて、私はナンセンス。私達は友達としてお付き合いする事になっただけだよ」
「だって麻衣、最近高梨君と・・・」
「高梨君は私の恋人。岬先輩はお友達。なんか変?」
「えっ?・・・そ、そんなもん?・・・」
「そんなもんだよ。瞳の理論だと男友達一人もいなくなっちゃうよ?」
「だって・・・・・・」

高梨君、麻衣が他の男の人と合コンしてるのって、嫌じゃないのかな?麻衣だって高梨君に悪いと思わないのかな?・・・・・・私が変なの?古いの?・・・・いや、私だったらやっぱこんなの嫌だ。先生以外の男の人とこんな所にいるくらいなら、すぐに帰ってあの人と一緒にいたい。そしてあの人の役に立ちたい。お茶入れてあげたり、お風呂洗ってあげたり・・・とか
・・・なんか、先生の事考えたら早く帰りたくなっちゃった。でも始まってまだ30分も経ってないか・・・・
どのくらい居たら帰らせてもらえるのかな

これはアルコールの成せる技。和希の事を一度考えると、もうダメだった。
瞳の頭の中は和希和希和希。和希一色。
席に座っていても腰が落ち着かない。周りの人達に相槌をうっても頭の中は和希。目の前の男の人のグラスに注いでいてもやっぱり頭の中は和希。
積極的に女の子に語り掛けてくる男の人達、確かに話は面白い。でも心から笑えなかったし、正直それどころではない。和希が頭の中一杯に広がった瞳は、少しのアルコールで火照った身体とボンヤリした思考の中で、図らずも和希に抱かれる場面を想像し、その度に赤面していた。

私、こんな人前で何を考えてるんだろう。うん、アルコールのせい、これは
・・・・でも、・・・・なんか今日は帰ったら先生に、その、抱き締めてもらいたい、な。
抱き締めてもらって、えっと、そう、ちょっとだけイチャイチャしたい・・・
いやいや、勉強で忙しいんだから、ダメだよそんなの
・・・て、やっぱ私、変。少し酔い過ぎ?・・・

既に一時間が経過。酒に強くない瞳の時間感覚は少しづつ麻痺していった。



部屋の灯りを少しだけ落とし、それとは逆に光々とさせた机の上で六法全書を開く和希。
目には良くないが、集中するにはこれが一番だと考えていた。
でもまだ9時過ぎだというのに、油断すると瞼を閉じてしまいそうになる。
現場を重視する宮條の教育方針で、和希は日中クライアントとの打ち合わせ全てに同席していたし、外を駆けずり回る事も多かった。ドロドロに疲れて部屋に戻り、そこから司法試験の勉強を夜中までこなす毎日。
だけどそんな目が回りそうな毎日が和希は楽しかった。楽しくて仕方がなかった。
何の障害もなく司法に関わって生きている事に対する充実感、そして傍で支えてくれる愛する人の存在。両親を亡くして数年、親代わりでもある宮條、そして瞳の愛情の中で幸せに包まれながら、彼の毎日は勢いよく過ぎていった。
眠気覚ましに冷蔵庫から冷たいお茶を一杯、机に置いてある写真立てを持ってソファーに腰掛ける。瞳が大学に合格した時の校門の前でのツーショット写真。
その中で満面の笑顔の瞳に語りかけるように呟いた。
「愛してる、瞳」
そう言うや否や、顔がカーッと熱くなるのを感じた。この言葉、本人を目の前にして言えればどんなにいいだろう。いつも言いたいのに、口から出てくるのはせいぜい「好き」の二文字だけ。
男は口に出さなくても分かり合える事がある。恋人同士や夫婦間だって、あうんの呼吸で意思の疎通はできるかもしれない。
でもそういう事じゃない。男女は関係ないのかもしれない。
言葉にしてこそ、言葉以上の意味を心に届けることが出来る・・・
亡くなった和希の母親から教えられた事だ。
和希の両親は、病める時も健やかなる時も、いつもお互い言葉を掛け合っていた。それこそ夫婦喧嘩の時も。そして、勿論愛の言葉も。
そんな両親を見て育った和希が弁護士を目指すようになったのは、正義感が強いという彼本来の人間性もあるが、言葉の持つ重要性、素晴らしさを知らず知らずに両親から教えてもらっていたから。
世の中、語彙がなかったり口下手なせいで言いたいことも言えない人がいる。その人の代わりに、自分が思いを余すことなく伝えてあげられるなら、と、そんな強い思いがあったから。だから弁護士という職業は彼には天性の仕事だったのだ。

「瞳、愛してるよ」
ふっと溜息をつきながら、一番身近な人に思いを伝えられなくて何が弁護士だ、と自戒気味に自らを皮肉る和希。

飲み会なんてあまり行ってないもんな、瞳は。楽しんでるかな今頃。サークルの人と一緒と言ってたから、ひょっとすると男もいるのかも
瞳、また挙動不審になってたりして・・・

穏やかな笑顔を浮かべながら写真立てを机に戻し、再び分厚い六法全書に視線を落とす和希。
 
早く帰ってこないかな、俺の瞳・・・

両手で顔をパンパンと叩いて気を取り直すと、目の前の気が遠くなる量の文字の山に挑み始めた。



居酒屋が入っている雑居ビルの地下一階。
入居する飲食店には殆ど専用の化粧室が付いており、ビル共用のトイレを使う者は殆どいない。管理事務所がある地下一階などは、この時間帯になると数名いる中年男性の管理員が使うのみ。当然女子トイレは誰も使わない。
その女子トイレの一番奥の個室から衣擦れの音、そして微かに男女の囁き合う声が漏れていた。
狭い個室の中で背伸びをして男の首に両腕を回す女。男は両手を女の腰に回し、上から唇を重ねに行く。舌を伸ばして女の歯茎の裏を舐め、溢れる唾液は重力のまま女の喉へと流れ込んでいった。こんな薄暗くて狭い場所とは極めて不釣り合いな美男美女。酔った男女のキスは激しく、そして卑猥だった。
そんな淫靡な空間にも関わらず、女の目がどこか寂しげに潤んでいたのは決して酒のせいだけではない。
男は舌を絡ませながら、ベルトを緩めてジーンズと下着を一緒に膝まで下ろすと、下腹に跳ね返ってバチンと音がする程勃起したペニスが現れたが、女はその存在に気付かない振りをしているようだった。
女の柔らかくてプニプニの唇を堪能し、ミニの中に両手を滑り込ませてお尻が半分しか隠れないパンツごと、揉む。スベスベで弾力のある彼女のお尻を強めに揉むと、微かに声を出す女。しかしその声は抗議するものではなく、強い男に乱暴に扱われる事への喜びで漏れる類の声だった。

こんな所に来るつもりはなかった。この人に無言で手を引かれた時に断りきれなかった自分が悪いのも知っているけど。だけど・・・

我慢できず、女の右手が男のペニスに触れる。怖々としながら五本の指でその存在を確認するように握る。

・・・何これ・・・凄く、硬いって言うか・・・硬すぎ・・・キスだけでこんなに勃起するもんなの?・・・
それにもうこんなにベタベタになってる・・・だめ、だめよ、こんなの・・・やっぱり、無理、もう、ダメなんだから・・・

そんな気持ちとは裏腹に、女はゆるゆるとペニスを扱き始める。先端から垂れる程に溢れる透明な液を亀頭に塗り込みながら、回転を加えながらゆっくりと扱く。
男は両手で女の髪の毛がグシャグシャになるほど抱え、掴み、そして彼女の両方の耳の穴に親指を差し込んだ。その状態で唇を離し、鼻先が触れそうな程の距離で見つめ合う。
女の瞳からは涙が溢れそうになっていた。悲しそうで、何かものを言いたげな表情。そしてもう一度唇で塞がれ、目を閉じた瞬間、彼女の目尻から涙が一筋流れ落ちた。
「そこにしゃがんでよ・・・」
男に促され、力なく個室の隅にへたり込む女。男は勃起したペニスを女の口先につき出すと、女は一瞬目を背け、でも数秒後諦めたように先端を口に咥えた。
シャワーを浴びていない男のペニスから放たれる強烈な雄の匂いが女の理性を少しづつ壊していく。
消極的な動きが、次第に大胆に、卑猥になっていく。終いには右手で根元をしっかりと支え、左手で睾丸を包み込むように揉み始め、顔の前後運動を激しくしていった。
涎の飛沫を飛ばしながら首を振る女の頭を優しく撫で、一度口から離させると男はジーンズと下着を完全に脱ぎさり、洋式便座の上に立ち上がって片足を壁の突起に乗せると、女の頭上にしゃがむように腰を落としていった。
既に酔いと興奮で理性的な判断力がなくなった女は、顔を真上に上げて舌を伸ばすと、そのまま男の尻の割れ目に鼻先を埋めていった。



走るとアルコールの回りが早くなる事は分かっていても、彼女はその足を止めることが出来なかった。和希に会いたい、和希に会いたい・・その思いは誰にも止められない。
和希のアパートが視界に入るところまで来ると、部屋の窓から漏れる灯りが見えた。どんなに我慢しようたって、絶対無理。思わず満面の笑顔で「先生!先生!」と口から出てしまう。
宮條の自宅前を完全スルー、そのまま和希の部屋に合鍵を使って入っていった。
「先生!ただいまっ!」
しかし和希は机上で就寝中・・・

あれ・・・なんだ、寝ちゃってるのか・・・せっかく急いで帰ってきたのに・・・
そんなに疲れてるのかな・・・お父さん、ちょっとしごき過ぎなんじゃない?こんなに疲れてちゃ司法試験どころじゃないでしょ。
・・・でも、なんか寝顔かわいい。本当癒される。今日くらい、いいよね、勉強はあ、ちゃんとベッドに寝てもらわないと・・・

気付いたら15分位、瞳は和希の傍で彼の寝顔をずっと見つめていた。
「先生?ちゃんとベッドに行こう?ね?先生ってば」
和希の背中から抱きついて耳元で囁きかけるとすぐに目を覚ました。
「あ、瞳、もう帰ってきたの?」
「もうって、今11時だよ?早くお布団に入って。風邪ひくよ?」
「え?いや大丈夫大丈夫・・・あれ?」
「きゃっ!」
和希は立ち上がると瞳に抱き付き、よろける「ふり」をしてベッドに押し倒した。
そのまま瞳のうなじに顔を埋め、軽く唇でなぞる和希。
「ん〜、瞳の匂いがする」
「・・・くすぐったいよ・・・」
思いがけずに和希に抱きつかれ、瞳は嬉しくて仕方がなかった。唇を這わせてくれる事にゾクゾクとした感覚を覚えながら、酒で高ぶった気持ちを必死に抑えた。
「ね、先生、私、帰ってきたばかりだから」
「知っているよ」
和希の唇は首筋から耳、頬を滑り、瞳のやや厚い唇に軽く触れた。それだけで瞳は身体の奥から血が踊り立つような感覚に身震いした。
上からゆっくり近付いてくる和希の唇。触れるか触れないかの距離まできた時、瞳の方から口付けし、二人は固く抱き合った。
処女と童貞で結ばれてから2年も経っていない二人のキスはどこかぎこちなく、でも本能のまま貪り合うように舌を舐めあった。
和希の左手が服の上から瞳の乳房に触れた時だった。
「待って」
「どうしたの?」
「私、お風呂入ってないし」
「俺は入ったよ」
「そうじゃなくて、私も入りたい」
「いいよ、瞳はそのままでも」
恥ずかしさで一瞬で顔が熱くなる。
「だ、だめよ、恥ずかしい」
啄むようなキスをしてくる和希をやんわりと押しのけた。
「ね?すぐシャワー浴びてくるから。ね?」
和希はわざと大げさにふくれっ面すると、「じゃあ5分」と言って仰向けに寝た。
いそいそと浴室に向かい、和希から見えないところで大急ぎで服を脱いでシャワーを浴びた。
首から下をボディシャンプーで洗い流しながらこれから起こることを考えた。約2週間ぶりに和希に抱かれる。そう思っただけで下腹部が「ジュン」とする感じがした。恐る恐る指一本であそこを探ると、もうヌルヌルだった。
浴室の時計で丁度10分経過、はやる気持ちを抑えてバスタオルを体に巻いて浴室を出た。
「おまたせ」
・・・なのに、和希はベッドで大の字爆睡中・・・

「まじで?・・・」
思わず口から出た言葉。肩透かしを食らった瞳は、でもそれほど不愉快な気持ちにはならなかった。気持ちよさそうに寝息を立てる和希の顔は、何度見ても見飽きることがない。見つめれば見つめるほど、心が安らぎ、幸せな気持ちになれる。
「本当にしょうがないんだから・・・」
母親のような気持ちで和希に毛布をかけてあげると、ついさっきまで和希との生々しいセックスを期待していた自分が急に恥ずかしくなる。
熱いシャワーですっかり酔いが冷めた瞳は、隣の自宅に戻るためにもう一度洋服に袖を通す。机の上に簡単なメモ書きを残したあと、和希が眠るベッドの傍らに座り、大あくびを一つ。

そういえば、皆あのまま帰ったのかな・・・後半少し酔っちゃったけど、結構楽しかった。初対面の男の人が3人もいたのに、普通にお喋りできてた気がする。皆話上手だったからね、私は聞いてるだけだったから・・・これ、お喋りとは言わないか・・・
だけど、岬先輩?だけは結構物静かな人だった。ニコニコしてたけど、あまり積極的に話しかけてくるタイプじゃないのかな。イケメンは無口でもイケメン、って事?
・・・んなわけないか。
でも、なんだろ・・・何となく、だけど、先生に似てる気がする。見た目とかじゃなくて、何ていうか、雰囲気?かな・・・なんだろうな・・・
あっ!でも、それって麻衣はもしかして和希の事もタイプ、って事になるの?・・・
いやいや、そんなわけない。何考えてんだ私!しっかりしろよ!もう・・・
本当意味不明・・・・・寝よっと

瞳は寝ている和希にチュッとキスすると、心がポカポカと温まるのを感じながら音を立てないようにそっと鍵を締めて自宅へ向かった。

愛しているよ、先生



〜4.目覚めるバンパイア〜


「あ・・・ん・・はっ・・・あん、あっ、あっ、あっ、あっ」
グッチャグッチャと水音がする度に漏れる淫靡な声。奥の個室からは明らかに男女の交わる音が聞こえていた。
トイレの壁に両手をついてお尻を突き出し、岬に後ろから犯される麻衣。パンツを横にずらしてペニスを挿入、ゆっくりとした注挿運動を上から眺める岬。最初から奥まで入れると、あまりにも大きな岬のペニスは凶器にすらなり得る為、中が馴染むまではこうしてゆっくりと注挿を繰り返す。成人男子平均よりも3割増に太いペニスが出し入れされる度、麻衣はこれまでの男では感じたことのない位の摩擦感から息をするのも憚れるようになる。このままだといつものように否応なしにあっという間にイかされる・・・少し恐怖にも似た感覚を必死に押し殺そうとしていた。
・・・この時点で麻衣はまだ林の事を考える余裕があった。

あれは入学式後のオリエンテーションでの事。五十音順に座らされた為、麻衣の比較的近くに高梨は座っていた。その時既に高梨は麻衣に一目惚れしていたが、麻衣は二言三言話したその相手の事は全く記憶になかった。彼女に笑顔を向けて好意的に話しかけてくる男子学生など腐る程にいたから。その後、偶然を装った高梨の待ち伏せ攻撃で幾度となく会話する場面があったのだが、それでも彼女の記憶に残るほどの印象はなかった。
そうこうしている内に、今度は麻衣が学食で見かけた岬に一目惚れをする。そしてなし崩し的に岬と身体の関係を結ぶ事になるのだが、そんな事を知るはずもない高梨は一回目の告白を麻衣にする。当然、「NO」。
その後、諦めきれない高梨は告白こそ控えていたものの、麻衣につかず離れずにいて好感度を上げるべく彼なりに色々と努力をした。
そして麻衣が三度目に岬に抱かれ、はっきりと振られた日の事だった。夕方まで抱かれ続けた麻衣は、気怠い身体で部屋に戻ると、三日間放置していた高梨からの二度目の告白メールに返信した。

高梨君は私に好きな人がいてもいいって言ってくれた。私の傷を癒したい、振り向いてくれるように頑張るチャンスを貰えるだけでもいいって。私はそんな彼の熱意に負けてお付き合いを始めた。実際、彼は本当に優しくて明るくて、私の失恋の傷はこの人といればすぐに癒えるかも、と思ったのに・・・・・
恋人であるはずの高梨君にまだ許していないこの身体、振られた人を未だに忘れられないでいる・・・

再び目が潤み始め、リズミカルに体が揺らされるのも手伝って、目の前の壁のタイルの目地が滲んで見えた。
岬は右手で向こうを向く麻衣の顔をこちらに向けさせた。悲しそうな表情をしていたが、唇を寄せると微かに向こうから顔を近づけてきた。
摩擦が0になるほどまでお互いの唇を舐めて潤わせ、少しづつ舌を絡ませていく。腰の動きも徐々に大きくしていった。
岬は麻衣が悲痛な表情をしている理由は分かっていた。
彼女を振ったあの日、夕方まで生でセックスをして彼女を送り出す時、麻衣は気丈にふるまいながら、自分に好意を持ってくれている同級生に向き合ってみる、そう言って出て行ったから。今は彼氏持ちの女である事を知った上で麻衣を誘ったのだ。
舌を貪り合いながら、岬は器用にブラのワイヤーと肌の隙間に親指をこじ入れると、一気にたくし上げた。窮屈そうに豊満な乳房が顕になり、両方の乳首をギュッと摘んだ。その瞬間、口が離れ、ガクッと身体を震わせた。
岬は左手で胸を揉み、右手を前からパンツの中に滑り込ませ、岬の小指の先端程に勃起したクリトリスを強くねぶった。
「んあっ!ああっ!い、いやぁぁぁ!あっ!ああっ!」
トイレに響き渡る程の大きな声を上げ、岬は慌てて左手で麻衣の口を塞いだ。彼女は内股になって下半身をガクガクと震わせ始め、最初のアクメに導かれていた。
全長の半分程度で緩やかにピストン運動する岬のペニスは、既に真っ白な愛液が絡みついていたが、そろそろ体位を変えたいと彼は思っていた。
立ちバックは奥が浅くなり、彼はあまり好きではなかった。慣れた女なら別であるが、麻衣のような若い女はいくら経験を積んでいたとしても、全力でピストンするにはちょっと気が引けたからだ。
麻衣にこちらを向かせ、片足を壁の段差に掛けさせて下からペニスを挿入した。麻衣は知らず知らずに岬の首に両腕を回し、圧倒的な存在感で下から子宮全部を持ち上げられるような勢いに耐えようとしていた。
両手で麻衣のお尻を鷲掴みにし、腰を少し前にせり出すと、亀頭が子宮口に当たるのが分かった。そこを暫く解すように腰を動かすと、少しづづきつく閉じた子宮口に押し入れるように圧迫していった。
「んんっ!あふっ!ん、んんんっ!うああああ!お、奥っ!奥っ!凄いっ!」
先程までの寂寥感に苛まれるような表情の麻衣はもういなかった。眉間に皺を寄せ、めくるめく快感に押し流されそうな自分を見失わないように必死になっていた。
大きな喘ぎ声を出す麻衣の唇にキスをすると、物凄い勢いで舌を暴れさせてくる麻衣。
「う・・んふ・・い、い、いぐ・・・ゥゥゥ」
全身をブルブルと振りわせて二度目の絶頂を迎えていた。
膣が収縮を繰り返すのを感じながら、更にペニスを押し込む岬。小さな輪ゴムで閉じられたような子宮口を、ついに岬の長大なペニスが通り抜けた。そして一気に根元まで挿入。
亀頭からカリの下の敏感な部分を、子宮口という輪ゴムでグリグリと締め付けてくる最高の気持ちよさに酔いしれながら、岬は射精へ向けて腰の動きを速めていった。20センチ弱のペニスの持ち主だけが経験できる快感、それは同時に相手にも未知の快感をもたらす。麻衣は岬の身体を強く抱き締め、唇を塞ぐことで声を辛うじて抑えつけていた。
麻衣の頭の中に高梨は完全にいない。ただ目の前の、自分を地獄の底に突き落とすかのような快感の波に引きずり込もうとする男のペニスの感覚だけが、彼女の全神経を支配していた。
射精を寸前のところで我慢して一気に膣から抜き出すと、岬は思いっきり腰を振ってペニスの上側を麻衣のヴァギナから肛門に擦りつけるようにして、向こうの壁に大量の精液を放ち始めた。大きく勃起したクリトリスが擦られ、麻衣も三度目のアクメを迎えていた。
射精を終えた頃、もう殆ど腰の立たない麻衣をトイレの蓋の上に座らせたが、両手を岬の腰に回して抱きついて辛うじて上半身を支えている状態。ドロドロのペニスが麻衣の長く美しい髪の毛に埋もれていたのが少々気になったが、岬はずっと彼女の頭を優しく撫でていた。
呼吸が整った後、麻衣は自ら岬のペニスを咥え、こびり着いた愛液や精液を慈しむように舌と唇で舐め取っていった。岬が左手で彼の腰を掴んでいた麻衣の右手を握り、右手で彼女の頭を撫で回していると、再び先ほどの悲痛な表情を見せ始める麻衣の顔を上から眺めていた。

高梨君、だったかな、麻衣の彼氏。そいつのことを思って泣いてるんだろうな・・・
ああ、やばい・・・やっぱゾクゾクするわ、こういうの。麻衣に彼氏が出来たってだけで、なんか三倍くらい興奮する・・・
久しぶりにあいつらに連絡取ってみようかな
人妻っていうか、彼氏持ちの女とか、最高

年に数回しか会わない二十代と四十代の人妻のセフレ、岬はその二人の事を考えながら、愛する男がいる女をセックスだけで従順に飼い慣らす興奮を、以前はリスクが大きいとの理由で封印しようとした彼の性癖の一つを、今再び解き放つ事を考えていた。
一切手を使わずに口だけで汚れたペニスを綺麗にする麻衣。岬に奉仕する喜びの表情と高梨への懺悔の表情を浮かべる麻衣の綺麗な顔見ていると、一度収まりかけていた血流が再びペニスに流れ込もうとする。
口の中で勃起し始めたのを感じ取った麻衣は、口に咥えたまますがるように岬を見上げた。
「このまま、もう一度出したい」
麻衣は目を伏せると微かに頷き、もう10分以上続けているフェラチオの勢いを、再び増していった。



夕暮れ時の都内私立Y高校の屋外プール。
既に練習を終えた水泳部の薄暗い更衣室には人影はない。
・・・はずであったが、女子更衣室の入口入ってすぐのところで二人の影が蠢いていた。
競泳水着を着たままの若い男女が何やらヒソヒソと話をしている。それは楽しげ、というよりも、少し怒り混じりに文句を言う女子に対し、必死に弁明する男子の図。
「ね、葉月ちゃん、そんなに怒らないでって」
「あんたがしつこいからでしょ!」
「ごめん。でもさ、男ってさ、本当ダメなんだって」
「知ってる、そんな事くらい」
「じゃあいいでしょ?ね?頼むからさぁ。二週間も我慢し・・・」
「だから自分ですればいいでしょっ!ほら!出て行った出て行った!」
立ち上がりながらタオルを手に取る葉月に、泣きそうな顔ですがる男子。
「あ!ちょっ・・・何、するの」
いきなり男子に抱きつかれて顔を真っ赤にする葉月。ダイレクトに肌と肌が触れ合い、その感覚にとてつもない恥ずかしさを感じてしまう。いかに男性経験があろうとも、17歳の女の子にとってこのシチュエーションは一瞬にして理性が崩壊してしまいそうな程の破壊力を持っていた。
「葉月ちゃん、そんな冷たい事言わないでよ・・・自分でなんか毎日しているよ・・・葉月ちゃんの事考えながら」
「え?ま、毎日?・・・じゃあ何でそんな事言うの?し、してるならいいじゃない」
「よくない。自分でしたって虚しいだけだよ。葉月ちゃんの事で頭一杯で、本当に死にそうなくらいつらいんだよ・・・」
「死にそうって、そんなに?」
「うん・・・」
しょんぼりとした彼氏の姿に母性が擽られるのを感じた。まずい、自分で決めたのに。でも・・・
「・・・私だって、したいよ・・・」
男子に聞こえるか聞こえないか位の小さな声で囁いた。
「え?なに?葉月ちゃん、なんて言ったの?」
「あのね、私ね、試験終わるまで頑張ろうと思ってたの」
「う、うん」
「試験終わるまでは、勉強と部活だけで、一切煩悩捨てる!って・・・」
「・・・・・そうなの」
「そう。だから・・・しないったら、しない」
泣きそうになる男子。
「だからさ・・・ちょっとそこ座って」
「え?」
「そこに座るの!」
葉月に促されベンチに座らされた、キョトンとしている男子の前に正座すると、葉月は彼の水着に手を掛けた。
「え?葉月ちゃん、いいの?え?え?」
慌てる彼氏を下から睨みながら少しづつ水着を下ろしていった。
「だって・・・死んじゃうんでしょ?」
泣きそうな程の嬉しさを噛み締める何とも言えない表情をする彼氏は、少し腰を浮かせて彼女の作業を手伝った。
きつい水着から飛び出したペニスは、お腹に張り付くように垂直に勃起していた。
目の前のそれを見て、途端に鼓動が激しくなる。17歳の割に複数の男を知っている彼女は、それでもまだそれを見慣れることはない。しかも歴代の彼氏の中では一番大きくて、気持ちよくしてくれる目の前の「それ」が葉月は大好きだったから。
自分の下腹部が何とも言えなく疼くのを感じながら、このままセックスしたい、そう強く思ってしまった。
「お口でするだけだからね?それ以上はダメだからね?」
辛うじて理性が勝った。
男子はコクコクと何度も頷いていた。
亀頭にチュッとキスをして、透明な液を舌ですくい取る。泳いだ後だから生々しい男の匂いは一切しない。が、同時にその事に物足りなさを葉月は感じてもいた。
葉月はゆっくりと口中深く咥え込んでいき、一気に根元まで呑み込もうとしていた。

凄い・・・凄いよ、どうしてこんなに硬くなるの?私のこと想像してこんなになってるの?私の事そんなに好き?
愛しい、凄く愛しい・・・入れて欲しい、入れて欲しくて堪らない、セックスしたい・・・
セックスしたい!
もう、入れちゃおうかな・・・ダメダメ、やっぱダメ!絶対ダメ。決めたんだから・・・
あ、出そうなの?出そうなんだよね?先っぽが急に大きくなってきたよ!・・・

校内ダントツで可愛い女の子を目の前にして、しかもフェラまでさせて興奮しない男子がいるはずがない。スカイブルーの水着は生地が極限まで薄く、彼女の鍛え抜かれた肌にピッタリと吸い付いていた。胸の膨らみからヘソの窪みまでリアルに浮き立たせ、ひょっとすると全裸の時よりもいやらしいかもしれない。さっきまでは目立たなかった葉月の乳首が勃起し、水着越しにはっきり見えたとき、彼は我慢の限界を超えた。
葉月は口を離して右手でペニスを猛烈に扱いた。彼氏の唸り声と共に、刺さるのでは?と思えるくらいの勢いで射精が始まった。
一撃は葉月の口から顎付近に、その後第二弾、第三弾は首から胸元へ向けて射精された。
葉月の競泳水着に大量の精子が飛び散り、胸元からへそ、股間へと向けて流れ落ちていった。
射精が終わった後も、葉月は精子まみれのペニスをヌチャヌチャを扱き続けていた。頭がボーっとして彼氏に声をかけられるまで気付かなかった。
「は、葉月ちゃん!刺激強すぎ!」
「え?あ、ご、ごめん・・・」

こんなに出たんだ・・・・嬉しいかな・・・
あ、でも飲んであげたほうが良かった?・・・そうだよ、ね・・・男の子はその方がいいんだよね、でも、ちょっと苦手なんだよな・・・凄く苦いから
甘ければいつだって飲んであげるのに・・・て有り得ないか・・・ははは・・・

葉月は彼氏の亀頭に軽くキスをした。それだけでも口の中に苦味が広がる。
「すっきりしたでしょ?早くシャワー浴びて帰ろうよ」
「うん、ありがとう。マジで気持ちよかった」
葉月が立ち上がると何も言わずに彼氏が抱き締めてキスをしてきた。
黙って目を瞑り、求められるままに舌を絡ませる葉月。彼氏の胸板に乳房が押しつぶされ、精液が糸を引くようにヌメる。まだ勃起したままのペニスが下腹部にゴリゴリと押し付けられる違和感を抱えたまま、彼氏の耳元で囁いた。
「試験が終わったら・・・一杯しようね」
彼氏は眉を下げるとだらしない顔で何度も頷いていた。



21:30 : 投稿作品 : comments (9) : trackbacks (0)
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Comments

キター!!次も期待してます!!
...2013/06/04 09:50 PM
キター!期待してます!
...2013/06/04 09:58 PM
麻衣みたいな股ゆる結構好きよ
 ...2013/06/05 01:26 AM
葉月ってAKBのあいつに似てるんでしょ?

なんだかなあ…

ホント芸能人似設定とか誰も得しないって…
...2013/06/05 08:54 AM
キャラクターの容姿は自分の言葉で説明すべきだよなぁ・・・
表現力が鍛えられるだろうし。
芸能人に例えられてもハァ?ってなる。
...2013/06/05 09:45 AM
「大島優子のようなえくぼの可愛い華のある容姿」だから、えくぼがあって華がある容姿なだけで、大島似とは言ってないよ。
えくぼのある可愛い顔の全くの別人想像してたよ、私は。
...2013/06/05 12:09 PM
一応聞くけどこれのスレに載ってるの?
...2013/06/05 08:31 PM
一応聞くけどこれどこのスレに載ってるの?
...2013/06/05 08:31 PM
ここに投稿された作品でしょ
...2013/06/05 08:56 PM

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